「遺品整理士」について

遺品整理士に求められる要素は色々ありますが、遺品整理士の為に特別必要な物は有りません。社会的な「モラル」「気配り」「仕事(遺品整理)に対する執着」さえ有れば行える仕事と考えています。これは、どの業種でも一緒では無いかと思います。ただ「当たり前の事を当たり前にする」「凡事徹底」、これが実は一番、必要で難しいのかも分かりません。私もプライベートでは自信が有りませんが弊社の仕事においては徹底して行えていると自分自身では思っています。

1 モラル

遺品整理の多くの施工現場では無人化(クライアント立ち合い無)の現場も数多くあります。その様な施工現場の多くはクライアントが貴重品を「全て確認した」と思いこまれている方が多く、いらっしゃいます。実際、どの施工現場でも現金が1円も出ない現場は、まず有りません!数百円も有れば数百万円もございます。

貴金属や皆さんが見落とされている万年筆(これもペン先は金です。)その様な貴重品に対して「心の迷い」が出る方には遺品整理士には不適格(遺失物横領)かとも思います。「迷えば」いつか来る「弱い自分」に負けてしまいます。また「嘘が多い人」も皆さんの身近にいると思います。「嘘」にも色々有ります。また、「嘘」は人間の防御本能の一部と聞いた事が有ります。「周りを和やかに誘う嘘」「誰かを守る為の嘘」嘘、自体は良くないとは思いますが、この類の嘘は私の基準では「笑える嘘」と思っています。

遺品整理士に有ってはならないのが、「人を欺く為の嘘」「自分の利益の為の嘘」「他人陥れる嘘」です。実際、私の人生経験において「心の迷い」の生まれやすい状況と「嘘」の多い、この両方が重なった時「事故」「事件」は起きます。この様に、それを管理する側、される側のモラルが必要と考えます。

2 気配り(遺族)

まずは遺品整理であれば故人様のプライベートの保持を推測しての「気配り」が必要です。遺品整理では故人様が他人に「見せたく無い」家族にも「知られたくない」と言う情報が沢山、出てきます。これは経験が浅いスタッフや業者には困難な物です。例えば僅か百円の買取品(アダルトビデオ等)と故人様が「知られたくない情報」を天秤に掛けた場合、私は処分を選択致します。これが正解か否か?御遺族の方々に、よって回答は異なる賛否両論の内容では有ると思いますが、「それを知りたくない若い娘さん等」の遺族もいらっしゃると思います。

また、私が「故人様だったら」と考えると選択肢が決まって参ります。「正しいか?」「誤りか?」は別にして信念を持って決断、行動する事が必要と考えています。

3 気配り(近隣)

近隣住民において「遺品整理」や「特殊清掃」と言った施工は、「迷惑を掛けながら行っている」と考え行動しなくてはならないと思います。故人様と親しい御関係の方ばかりでは無いと言う事も忘れてはならない事と思っています。

やはり近隣住民の御理解を得られる行動が求められると考えます。

4 準備

見積り時のメモの振り返りや、残す物など、クライアントとの決め事などを事前にスタッフと共有しておく事も大切な事です。また、家屋内の元々有った「傷」や「お損箇所」などもスマフォで画像を撮っておく事もクライアントや施工会社も必要とも考えていますし、ご依頼される側の方々にとっても必要な事とも思います。家屋の「傷」一つで修復費や家屋の資産価値を下げてしまう可能も十分に有るからです。
また、施工で使う工具や「洗剤」「薬品」も部材に合わせて使用する為、大切な準備と考えています。

5 立ち合い確認

施工完了後のクライアントとの立ち合い確認も大変に大切な事です。家屋に傷は無いか?汚れは取れているか?撤去漏れは無いか?等、大切な事だらけです。

特にクライアントの表情は正直です。足らぬ点など「気を使って、指摘する事を遠慮、なさっているのでは?」と課題は沢山、見えてくると思います。
また、先般、広島県東部エリアで他社の「特殊清掃」の手直しを行いましたが、そのクライアントは高齢の為、立ち合い確認に足を運ぶ事ができず、電話連絡で「完了確認を行った」との事でした。ただ、臭いの除去は出来ておらず、不動産管理会社より手直しの依頼による内容のものでした。
この様に、立ち合いは「相互の信頼」と求めている「クオリティー」と提供される「クオリティー」の溝を埋める為にも大変、必要な確認作業です。

6 説明責任

「遺品整理」「特殊清掃」「生前整理」「空家整理」の、どの施工でも契約書が必要です。また、契約書の内容の説明等、クライアントに分かりやすく伝える事も大きな誤解を生まない様にする工夫の一つだと思いますし、クライアントも曖昧な説明には具体的な説明を求める権利が有る事も知っておいて頂きたい事です。

買取り相殺の場合等はクーリングオフの適用により「買取り」自体のキャンセル(買取後8日間)も行えますので、買取り伝票の記載も沢山の買取り品が有る場合、ありがちなのが「一山がいくら」です。皆さんのリスクを減らす為にも「1点いくら」と細かく明記した方が良いと考えます。
「遺品整理」や「特殊清掃」においても同様です。契約解除に対しての条項とそれに対する説明が必要です。これは商法に基付くもので、皆さんも知っておくべき事柄と考えます。

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