遺品整理優良業者の見分け方

悪い業者の見分け方は、ある程度ございますが良い業者程、情報が届きません。クライアントが、その「施工に満足」している為です。今回は悪質な業者のみにスポットを当てさせて頂く記事と、させて頂きます。

1 不用品・不要品回収

一般家庭における不用品回収業は一般廃棄物収集運搬の行政による認可が必要です。
多くの業者が不用品や不要品回収を同堂とホームページに記載していますが、一般廃棄部収集運搬の許可を得ているのは一般的に言われるゴミ回収業者(一般廃棄物収集運搬)のみです。その他は法的には触法行為が疑われる業者と思われます。遺品整理業者の中では比較的に法的規制が厳しくなった事も有り不用品回収業者が兼業で遺品整理や生前整理、特殊清掃を行っている事が多い様にも感じています。
これを確認するには、まずホームページに「不用品回収」の文字が有るか?一般廃棄物収集運搬業の許可を得ているか?皆さんの目で確認して頂ければ、明らかになる事と思います。

2 古物商許可証の提示

(※詳しくはコチラ https://www.no-trouble.caa.go.jp https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/youshiki/gyosho.html )
高齢化社会に突入した今でも遺品整理には法的な整備が追い付いておらず、トラブルも多いと聞いています。ただ、遺品整理を行うに当たっては古物営業法を順守しなくてはならず適正な営業を期待できる事を基に交付されています。個人事業主や法人代表は古物商許可証、法人の従事者には、それに伴う商従業者証の形態(警視庁資料参考)が求められ古物営業には消費者庁の定めによる「特定商取引法」も絡んできます。

分かりやすく御説明させて頂くと

1 アポイント取得の無い訪問販売は行ってはならない。これは俗に言う「ピンポン営業」です。

2 適正な商取引を行う為に常に「古物商許可証」「商従事者証」の携帯が義務つけられています。商従事者は古物商を営む法人の従事(従業員)への携帯が求められています。

3 クーリングオフの説明を行わなければならない。
クーリングオフとは商法で「契約解除」を受けられる期間を定めた物で8日間は有効とされています。押買い等の不法買取や
など、ここには記載できない程の、法律が定められていますので消費者庁のHPを皆さん自身での御確認もお願い致します。きっと皆様の身近な社会生活においても必要な知識で有りリスクヘッジになる事と思います。また、多くの「不法業者」と呼ばれている方々の多くは携帯していないと考えて良いのではとも思っています。古物商許可の申請は各住所所在地の警察署に提出され触法行為等の刑事罰処分を受けた者へは取得制限も掛けている事も一つの安心点です。

4 屋号変更
消費者庁等から指導を受けた業者の中には、その行為を改める業者も居れば、そうでない業者もいるようです。
消費者庁から指導を受ける業者の中には屋号変更を行っている者もいます。その多くは「消費者庁対策」を目的とした性質の物では無く、消費者庁に問題視される段階に入れば、多くの「風評」「信用」の喪失により事業が成り立たなくなっている事が目的と想像しています。こんな業者の見分け方としてはインターネットの活用が有効と考えています。手法としては、代表者名や住所の検索で複数の事業者名が検索された場合等は慎重に検討するべきかとも思います。住所が一緒でも代表者名が変わっているケースや代表者名が別の同業の屋号を持ち合わせている事、姓を変えて等、巧妙に行っています。そこで確認できるのが「遺品整理専門」「生前整理専門」「特殊清掃専門」と唱っていても実際は「他業種」との兼業業者が存在する事や多く散見されるのが「不要品回収業者」の兼業です。「屋号」は事業を行う上で大切な看板です。すべての業者が、それを行っているとも思っていませんが、その様な業者も存在しています。

5遺品整理士認定協会への問い合わせ
遺品整理士認定協会は約40000人の遺品整理士の認定資格(民間)を取得しています。ただ、不法業者や触法行為の有った業者は、「除名」「資格剥奪」の処分を受けている業者もいます。情報開示をしてくれるか否かは分かりませんが、「実際の被害」「被害が有る恐れ」が有れば適格なアドバイスも頂けるものと考えます。

遺品整理業者の裏について

「あぐり」への質問でお客様から『聞きにくいのですが遺品整理の業者同士での談合とかグレーな業界って聞いたのですが?本当ですか?』といったご質問を以前受けました。

実際に直接、話は頂いた事は有りません。ただ、創業時には競合他社からの食事の誘い等を受けた事は数回あったと記憶しています。もし食事の誘いに乗っていたら、そうで有ったのではとも想像しています。実際に数多くの同業他社との交流は有ります。
ただ、弊社の場合、その殆どが関東や関西の業者です。目的は特殊清掃等の技術や消臭方法等の情報交換や改善案です。弊社が取り組んでいる消臭方法は既存の手法を用いない事や環境対策として環境に優しい消臭剤の活用などを目的とした物です。その方達とはRSA(レストレーション・アカデミー・サイエンス)ジャパンへの受講がきっかけでお付き合いを始めさせて頂いています。それぞれの方々がプロフェショナルで有り、各々がプライドを持って日々、仕事に取り組まれています。

そのような談合の話は話題にすら上がった事はありません。ただ、そう言った噂を耳にする事が有る事も事実です。
本来、弊社は基本的に相見積で有ったとしても単独見積りでもクライアントへ提示する金額に変更は有りません。また、提示した金額より高く請求する様な「追加請求」も行った事も無く、これからも「追加請求は無い」事も会社方針として断言できます。
一方、見積り書を提出した段階で条件やそれに準ずる明確な根拠が無い限り「値引き」も致しません。これも会社方針です。クライアントへの金額提示の際には、根拠を持って御説明させて頂く事から「値引き」を要望されるクライアントは皆無です。もしクライアントから「値引き」の交渉が有ったとしても丁寧なご説明を、させて頂いています。「値段交渉」により減額出来るのであれば最初から行うのが「誠意」「信用」とも考えているからです。

以前も、お話をさせて頂いた事が有るかも分かりませんが特殊清掃の見積りで150万円を提示されていた他業者がいました。弊社は80万円の提示を行い、その情報をクライアントから耳にした他業者は70万円(つまり80万円減額
)で再提示してきたとの事でした。当然、その業者はクライアントの不信感を拭えず結果的に弊社に依頼を頂く事になりました。クライアント曰く150万円から70万円の価格変更による「80万円」は、どこに行ったのだろう?と呟かれていました。まさに、その通りだと私も感じました。聞く所によると、その業者は起業後、間もない方で特殊清掃も行えない為、外注する様子だったとの事でした。悪意が有るものか否かは、分かり兼ねますが、経験不足による物と捉える方が自然かと思います。常識の範囲を超える「見積り金額」は、この遺品整理・特殊清掃業界のイメージを損ねる行為だとも思っています。

 グレーな業界イメージ

実際、この業界には多種多様な業種から参入が有ります。その中にはコンプライアンスを順守する業者や、そうで無い業者と二局化してきています。施工水準も二局化している事も事実です。良い業者は高い水準を求め「どうすればクライアント」に更なるサービス・クオリティーの向上や提供が出来るか?自問自答を繰り返しながら努力を重ねアイデアを模索しています。
逆にグレーな業界と言われても仕方ない業者が存在するのも残念な事実です。
「追加料金」「押し買い」「高額請求の強要」「廃棄物の不法廃棄」「貴重品や現金の遺失物横領」民事事件から刑事事件まで引き起こす様々な業者もいます。また、遺品整理や特殊清掃業者間でも被害を受ける事が有ります。昨年のこの頃の寒い時期だったと記憶していますが、クライアントから「見積り依頼をしたのに何で連絡を貰えないのか!?」のクレームが数件、有りました。私には心当たりも無く、只ひたすら「お詫びをしていた事」を今でも、はっきりと覚えています。

後から分かった事ですが、原因は広島市西方面に事業所を置く同業他社でした。具体的には弊社や関東地方の業者等、複数の業者名を使い自社でポータルサイトを立ち上げアップを行う事に起因している物でした。当然、弊社も掲載同意をしていませんが、驚く事に、その内容は各社ホームページをコピーし問い合わせ電話番号を自社のフリーダイヤルに「改ざん」した物でした。意図は不明ですが悪質な「営業妨害」を受けた事は紛れもない事実です。

後日、関東地方の被害に遭った会社のM社長が偶然、会合で合ったそうです
が、その時に初めて「謝罪」があったとの事でした。弊社には未だ謝罪は頂いていませんが、同業者やクライアントを混乱さす行為が「会社として行われていた」と言う事実は、会社としての「姿勢」「組織だって、の行為」には、恐怖と驚きしか有りません。また、各々の地方において掲載同意の無いランキングサイト等、自社を一番に見せる為のHPを掲載されていた事も有りました。弊社もしかるべき対応により掲載を拒否し削除されましたが、何を持ってランキングを決めるのか根拠も不明でした。弊社が掲載同意しっているのは「遺品整理士認定協会のみんなの遺品整理」のみ、です。今は「昭和」では無く「令和」です。コンプライアンスや会社としての「姿勢」「社会貢献」が求められているのが現代です。
そう言った意味ではグレーな業界でも有りますが、労働基準法やコンプライアンスを順守し体質改善を行っている業者も沢山います。業界全体では一部の業者を除き「体質改善」に向けて一歩ずつ「健全化」に歩み始めたのが、今の遺品整理・特殊清掃業界ではないかと思っています。

遺品整理の事業について

まず、遺品整理、生前整理を行う業者はコロナ渦から急増しています。以前は不用品回収業者やリサイクル販売業者、解体業者が副業として参入してきていましたが、「コロナ」がこの業界にも大きな影響を与えてきました。成りゆかなくなった飲食業者や生活が困難となった家族を救うつもりで司法書士が家族に遺品整理を行わせ集客しているケース、繁華街の華やかなホストも起業していました。以上の様に、多種多様の業種から参入してきています。

1 遺品整理・生前整理での事業継続率

遺品整理や生前整理業は、これだけ情報過多の時代においては、ある程度の準備や知識を持つ事は可能です。また、私自身もそうでしたが初期投資が必要無いとも誤解をしてしまいがちです。開業をされる多くの皆さんは「知り合い」や「親戚」を頼りに「たら・れば」で起業される方を多く耳にします。飲食店で有れば「馴染みの客」を当てにするなど、理想の「こうなったら」「こうしてくれば」と、事業として成功すると短絡的な発想が多いと、感じています。「たら・れば」は他力本願的な発想です。リスクヘッジをされていない方が多いと思っています。「たら・れば」を使う思考で有れば「リスク」に対してです。本当に助けになってくれる知人や友人が何人いますか?2022年に亡くなられた方の人数を御存知でしょうか?約157万人です。日本の総人口は総務省の統計によると1億2497万7千人です。亡くなっているのは、総人口の1.25%です。仮定において広島県で言えば約35000人が亡くなっていると言う理論計算の場合、全ての死に対し遺品整理が必要かと言えば、そうでは在りません。遺品整理士は全国で約40000人となっています。広島県では、約900名の遺品整理士が存在しています。そこに一般廃棄物収集業者数、約450社やリサイクル業者、解体業者、不用品回収業者(業者数は推定不能)が存在します。その競争の激しい業界の中で、どのくらいの業者が恒久的な継続事業をされていると思われますか?このプランが上手く「いかなかったら」や手法を具体的に「換えれば」のプランに対するリスクヘッジが必要と思います。5年以上の事業継続をされている業者は僅かです。私の勝手な認識ですが半年で10社(者)が開業し半年後に継続できているのは1社のみとなっています。その繰り返しが現在の遺品整理業界です。5年以上の事業継続を行っている業者は既存客(賃貸物件管理会社や葬儀社)が有る事で事業継続を行えています。ただ、社会や経済の変化に対応できていない業者は、元々あった企業体力も徐々に削ぎ取られて「風前の灯」となっている会社も多く見受けられます。それが顕著になっているのが「特殊清掃」です。

10年前の施工方法と現代の施工方法では極端に申し上げれば、まったく異質の方法に変化しています。変化に順応できない業者や技術進歩を取り要られない業者は衰退してゆき固定客も離れてゆく一方とも考えています。私自身1年間での休日は5日~7日です。他は現場や見積り、空いた時間は学ぶ事に時間を費やしています。

皆さん安易な発想で遺品整理や特殊清掃と言う重責を担う仕事を行おうと考えているので有れば、今一度、皆様それぞれの「覚悟」の御確認を頂ければと思います。

2 正しい倫理観・何の為(事業目的)に遺品整理事業を行うのか?

まず、最初に出て来る言葉は「生活の為」「稼いで次の事業の資本金」「事業主をやってみたかった」等が多くの方の声として耳にします。最初に私が行う皆さんへの質問の回答です。私は今まで行っていた仕事でも取り組み方によっては成功したのでは無いかと思っています。「どうしようもなく継続できなかった理由」を述べる方が殆どです。他責を述べる方が多すぎる様に感じています。事業も商品も先に展開した方に優位性が高いと言われているのが「事業」や「商売」です。会社員においてもそうだと思っています。社歴が長ければ、それだけ各々の企業文化やノウハウが有る事を学んでいけます。物事に対しての価値観も企業毎に異なります。そこに対して「他責」は「振り返り」が無い事により課題を明確に具現化出来なかった事が一因と感じています。これに対して順応できていない事が安易に遺品整理業界での起業を目指す方々の特徴とも思えます。遺品整理や特殊清掃等ではクライアントの立ち合いが無い「無人状態」での施工も多くあります。当然、多くの現金や貴金属などが発見されます。正し倫理観が求められるのが遺品整理や特殊清掃です。

3 遺品整理を始めるに当たり、どのくらいの費用が必要でしょうか?

まず、最低限必要なのがトラックです。トラックも平ボディーと箱車(パネルバン)が有りますが箱車(故人様のプライバシー保護の為)をお勧めさせて頂きます。念の為、トラックは一般廃棄物を運ぶ目的では無く一般廃棄物業者の収集用コンテナが設置できない場合に仮置きする為に必要となります。次に必要なのが集客の為のホームページです。これも金額はボリュームによって異なりますが40万円~100万円は必要です。ただ、あくまでホームページは昔に例えれば「看板」みたいな物です。これを世の中に周知して貰う為の宣伝も必要となります。いわゆる「SEO対策」ホームページで上位にアップさせる為の外注作業です。実は、これが結構な金額となります。SEO対策を行っている企業によって価格は様々ですが、スタッフ一人分の費用が発生すると考えていた方が良いかと思います。余談ではございますが、基本的にどこのSEO対策会社でも「保証」は有りません。また、長期契約を結びたがる会社も多く有り効果が出ない会社も多く存在しています。ちなみに弊社では外部委託による「SEO」対策は行っておりません。別の集客の方法としてもチラシも有りますが、集客率は0.02%有れば良い方です。また、遺品整理士認定協会に加盟し、年会費を払えば案件の紹介はしてくれると思います。ただ、加盟業者も多い事から、それだけで事業運営を行う事は困難です。

遺品整理を始める上で、最も多くの費用が発生するのが人件費です。上記の必要経費を賄う為には多くの人材確保が必要です。特に室内作業に従事させるスタッフには、モラルと教育が必要となります。逆に運び出し作業はアルバイトでも構いません。今の社会で人材確保を行うには「社会保険」は入場券の様な物で「賞与」「休日」等を含めた「高待遇」を求められます。また、その社員や社員の家族を守って行く事も経営者の最大の責任です。経営する側と雇用される側の隔たりは大きくなっていく一方ですが、その隔たりを少なくし溝を埋めて行く活動も現代社会の流れとも言えます。

4 起業や独立を目指す方へ

皆さん遺品整理や特殊清掃等を安易な気持ちで始めると「取返しが付かない事」を承知して臨んで下さい。また、多角経営の事業としてのお考えの方も2~3年間の利益確保は難しい事を認識してください。

その上で、遺品整理を行いたい!と望まれる方はお気軽に御連絡ください。また、特殊清掃に付きましては難易度の高い性質の施工が求められます。まずは、水準の高い遺品整理の施工方法を身に着ける事に特化して頂ければとも思います。

遺品整理・生前整理と一般廃棄物収集業者の違い

分別

1 遺品整理・空家整理を行う専門業者と一般廃棄物収集業者では、分別をクライアントから依頼いただいた家屋内で行うのか?自社工場で行うか?の違いです。

簡単に申し上げれば遺品整理・空家整理専門業者は、箪笥の引き出し一つずつを「遺品か?否か?」を確認しながら分別を行ってゆきます。そもそも、ご依頼いただく家屋内の物全てが「遺品」です。その考え方が遺品整理を生業とする専門業者には必要です。その結果、多くの貴重品(登記簿や権利書)・現金・貴金属・想い出の品をクライアントの元にお戻しする事ができます。貴重品・現金・貴金属は勿論そうですが、想い出や拘りの有る品など依頼者によっては千差万別です。また故人様の残された御遺族に対しての「想い」をお伝えする事も大切な仕事です。逆に故人様が家族に見られたく無い様な物をクライアントには分からない様に処分するのもプロの仕事です。例えば亡くなられた故人様が父親や歳が離れた兄と仮定しクライアントが若い女性(娘もしくは妹)の場合、男性誌やアダルトビデオ等はクライアントの目に触れない様に処分する様にしています。これは、やはり故人様も「娘さんや妹さん」には見られたく無い物だと感じていますし、娘さんも目にしたく無い物と考えているからです。逆にクライアントすら記憶の無いクライントが「幼い頃に描いた絵」「作文」父の日、母の日に書いたと思われる「手紙」など「大切に、大切に」保管されている事も数多くございます。その品々は故人様が家族に対する想いの詰まった品々で有り弊社は要、不要を問わずクライアントへは目を通して頂く様にしています。故人様の想いを伝える事も遺品整理専門業者の務めとも考えているからです。ただ、全ての遺品整理業者がそれを実施しているかは不明です。

2 一般廃棄物収集業者の場合

まず初めに今から記事にさせて頂く事は「一般廃棄物収集業者」を否定するものでは無く、あくまで施工方法として御案内させて頂きます。

一般廃棄物収集業者は遺品整理、空家整理を「片付け」と呼ぶ業者が多いようです。一般的に「片付け」は効率性を求め合理的に行います。搬出物によってはパッカー車(行政から委託を受け生ごみ等の収集する際に使われる破砕機能付きの運搬車)を使用します。また、彼らは家財を搬出し廃棄する行為が「主業」で有り、その為、効率性を重視して搬出施工を行います。また、持ち帰った処分品は、各社それぞれの工場で分別専門スタッフが待機している為、施工現場で分別する事は有りません。そこでは他の現場からの処分品も有る為、遺品を戻そうにも「どこで出た物か?」特定できませんし、一般廃棄物業者が貴金属や現金を「お返しした」と聞いた事も有りません。また効率性を追求し過ぎるが為に、2階や3階から箪笥を投げ落とす行為も何度か見かけた事が有ります。ただ、遺品整理業者よりも圧倒的なスピードで家財を収集処分してゆく事は間違い無い事実です。

また、一般廃棄物業者の多くは生前整理を行いません。正確にお伝えすれば廃棄物の収集は行う事をする様ですが家屋内で細かい分別を行わない事が最も大きな理由です。多くの一般廃物収集業者による生前整理では、家の前に「処分する物を出しておく」処分する箪笥は「空に」とのリクエストが有るとの事です。そこが生前整理専門業者との大きな違いの一つです。

3 施工費用はどうでしょう?

正直に申し上げますと効率性重視の一般廃棄物業者の方が安価に済みます。一般廃棄物業者が半日で搬出する物量を遺品整理業者は1日必要となります。それは前項に記載させて頂いた「遺品としての分別」と「搬出の効率性」を追及した搬出方法が異なる為です。

4 追加料金やトラブルは、どうでしょうか?

一般廃棄物収集業者による不当な追加請求や不法投棄等は耳にした事は有りません。一般廃物収集運搬業者の免許(認可)は行政から発行されています。現在において一般廃棄物の免許を取得する事は、ほぼ不可能と言われています。その原因は業者の「飽和」によるものと聞いています。一度、失えば取返しが付かないのが一般廃棄物収集運搬許可です。行政からの委託を受け多くの事業者が存在しています。彼らは常に行政の指導下に有り、コンプライアンスを順守する事、せざる得ない環境下に有ります。「追加請求等」のトラブルが消費者庁のみならず管轄行政の耳にでも入れば大変な事になると言うのは彼らも十分、承知され、教育もされています。

その一方、遺品整理業者に歯止めをかける行政や仕組みも有りません。それぞれの価値観に基付き事業を展開しています。遺品整理士認定協会も常に啓蒙を鳴らしていますが、追加請求や不法投棄等のトラブルが多いのも遺品整理業者です。ただ、後ほど御案内させて頂きますが遺品整理業者と遺品整理専門業者では取り組みや施工方法は、まったく異なっています。

5 他に違いは有りますか?

弊社で申し上げれば工程の違いです。長年住まれた家屋や共同住宅の箪笥等は、いくら掃除を丁寧にされていても箪笥裏まで手は行き届きません。多くの場合は埃が堆積しています。遺品整理は故人様の引っ越しです。共同住宅で有れば共用部の養生、エレベーターが有ればプラダンを使用した養生を、水回り(キッチン・トイレ等)や床面はポリッシャーを使用した清掃を行います。また、搬出で使用した共有部や搬出の為に使用した搬出場所もオプションでも無く通常施工の工程として清掃を行っています。ただ、これは弊社の場合による勝手な価値観で行っている物で遺品整理を行う同業他社の、それぞれによる工程やクオリティーは求めている水準が異なっているとも感じています。基本的に遺品整理での清掃は特殊清掃に近い状態の家屋も稀に有ります。少し乱暴な申し上げ方に受け取られるかも分かりませんが、一般的なハウスクリーニング業者の標準的なスキルでは対応が困難な家屋も存在しています。清掃においても多くのハウスクリーニング業者では、そう言った施工現場を経験した事の無い方が多いとも感じます。また、使用している洗剤の数や、それを希釈する濃度が異なる事が一番の要因とも考えています。

また、一般廃棄物収集業者との大きな違いは金庫です。処分方法が一般廃棄物処分業者と遺品整理専門業者では異なります。一般廃棄物処分業者は、金庫も合理的に処分します。実際、金庫の多くは多額な現金や貴金属が入っている事は稀です。殆どは重要書類で有る権利書等の不動産書類や手紙が多くございます。また、金庫を開ける為に必要な番号の控えをお持ちになられて無い方、お困りの御遺族も多く拝見させて頂いています。時には金庫の存在すら御存知無い遺族もいらっしゃいます。弊社では金庫の処分が前提有れば無償で開錠いたします。正確には破壊行為になると思いますが、開錠は必ずクライアントの立ち合いの元、行うようにしています。数年前、他業者が金庫から数百万円の遺失物横領を行い逮捕されたと言うニュースを耳にした事が有ります。金庫の開錠は専門業者へ依頼をすれば2~3万円の施工費用と出張料が必要となり結果的に高額になる事も有り、「何も無いだろう!?」と言い聞かせ不安ながら未開錠のまま処分するクライアントもいますが、処分が前提で有れば、そんなに困難な物では有りません。(詳しい事は防犯上の観点から控えさせて頂きます。)弊社においては無償で対応しています。

弊社見解まとめ

合理的に短時間で廃棄施工をこなすか?遺品として時間をかけ施工するか?この違いが大きなポイントだと思っています。

一般廃棄物収集業者を御利用される際は皆さんでまず、貴重品や想い出の品を確認する作業から進められる事をお勧めいたします。

また、大切な想い出を確認したい!貴重品等の捜索物が有る!と言われる方はプロの遺品整理業者への選択をお勧めさせて頂ければと思います。

長文となりましたが遺品整理や生前整理・特殊清掃の専門業者はそう多くは存在していません。殆どの業者に主業が有り兼業で遺品整理等を行っています。これを否定するつもりは有りませんが、それぞれの経営状態や経営方針に基付くものとも考えています。ただ、両立させるのは中々、困難でも有ると考えています。

2023年の振り返りと2024年に向けて

「明けましておめでとうございます」と年初に御挨拶させて頂くのが、一般的な社会の、ご挨拶では有りますが、2023年度に施工をさせて頂いたクライアントへは申し上げられないのが「遺品整理」「特殊清掃」を生業としている業者の性です。今年も多くの方々の遺品整理や特殊清掃を施工させて頂きました。まず、その方達(故人様)ならび御遺族の方々へ改めて心より御冥福をお祈りさせて頂きます。

2023年は「特殊清掃に始まり特殊清掃に終わる」と言う様な特殊清掃が年々増加しているのが大きな傾向でした。また、コロナも終息に向かいセルフネグレクトの方々の「ゴミ屋敷」の施工も多く有りました。コロナの影響で「巣ごもり」による物が一つの要因と考えています。また、コロナの緊急事態宣言から2023年度春先までは、「巣ごもり」により遺品整理や生前整理が業界全体として極端に需要が減少したようにも感じていました。その一方で、ある一定の過疎地をターゲットにした押し買い業者も横行していた様でも有り数多くの相談を寄せられる事も多々ありました。特殊清掃と称して、遺品整理のみを行う悪質業者の手直しも数多く実施しました。

また、若い方の遺品整理や、自殺現場の施工を行いました。総括させて頂くと、やはり今年も「悲しい」「腹立たしい」1年でした。正直、天寿を全うされたと思える故人様もそうですが、孤独死による「遺品整理」・「特殊清掃」や「若い方」「自ら命を絶たれる」方々へは、特に感情が複雑に絡み合います。感情移入しては成らないのが、この仕事では必要ですが、我々も同じ人間です。やはり悲しくなります。

2024年に向けては、「特殊清掃(特殊清掃を実施されていない)」と語る業者や「遺品整理」「不用品買取り」をフックに「押し買い」など行う業者への抑止に貢献できればと思っています。具体的には某行政「社会福祉協議会」へのボールを投げた所です。

また、弊社における施工に「感動した」「涙が出た」との声を頂く事が「稀」に有りました。

2024年はそう言った施工を1件でも多く追及しつ続けて行けたらと思っています。その為にも私自身の成長や社員の成長(教育)に多くの時間を使って行ければと考えています。