遺品・貴重品ロス

「あぐり」への質問

しっかりと金品を確認したのですが金品等の貴重品って実際に有る物ですか?「遺品・貴重品ロス」は?

弊社で行える施工は他社より少ないものと考えています。他社の様な生産性を求めていないのが弊社の悩みのタネです。また、施工工程が多すぎるのも一因です。

ただ、その施工の殆どで現金や、貴金属等の高価な遺品が発見される事も多く有ります。1円の現金も発見できない現場は皆無です。皆さんには、その傾向をお伝えし、「貴重品ロス?」を防いで頂ければと思います。但し私の経験に基付く物で、これが性別への偏見では無く、あくまで例として申し上げさせて頂きますので、これが全てとは申し上げる事が出来ない事も頭の片隅に入れて頂ければと思います。

1 皆さんが見落としている物

皆さんが見落としている遺品として、まず「現金」です。金庫等は主に重要文書(権利書や登記簿)や手紙、古銭が多く、高額な現金が入っているケースは稀です。現金はありとあらゆる場所に忍ばせている故人様も多くいます。

たとえば床板に鋲で打ち込んでいるカーペットの下や遺影の裏、仏壇の引き出しの下です。また、現金発見時の多くの高齢者が「お金が無くなったと言っていました」と言われる事も数多く有ります。

この様に見落とされている金銭が発見される事が多いのも遺品整理の特徴です。また、痴呆を患っていた方の生前整理や遺品整理でも同様の傾向が有ります。

皆さんの御両親が痴呆に患わっていたとしても耳を傾けて一緒に探して頂ければ「無くなった貴重品」が出てくるかもしれません。

2 キッチン

現在では多くの男性、私も含めキッチンに入りますが高齢者の場合、キッチンは女性の聖域で有りました。ここには多くの小銭から高額の現金が忍ばせて有る事が散見されます。これは私や弊社のスタッフも同様に推察している事ですが、高齢男性は、あまりキッチンに入らない事が一番の要因では無いかと考えています。そこに「ヘソクリ預金」も有り得る事と想像しています。パターンとしては三段BOXや比較的に低い家具の調味料やソースや醤油等の下敷きにしている紙や敷物の下から多くが発見されます。しっかりと見て頂ければと思います。

3 箪笥

箪笥預金と言われる言葉も有りますが実際にも箪笥の服と服の間から現金が発見される事も多くあります。また透明の衣装ケースです。これは服が入った物で外から目視によるチェックが行える為とも感じています。傾向を申し上げますと高齢者の場合、戸建て住宅の場合は2階より1階、これは足が弱くなり不自由になられた方が多く尚且つ故人様の胸から下の棚や引き出しから多くの現金が発見されます。

4 寝室

寝室からの貴重品は故人男性に多く見受けられます。現金とは限りませんが、故人様が大切にしている物は男性の場合は寝室に保管されている事が多く有ります。私自身もそうですが、趣味や自分自身に取って大切な物は寝室に保管しています。全ての男性がそうとは言い切れませんが遺品整理を行う上において重要な捜索ポイントとなります。

5 ランダム型

貴重品の保管方法は人により様々ですが、その多くの方々にはパターンが有ります。上記②~④の様なパターンです。ただ、稀にランダム型の方がいらっしゃいます。洋服の間やキッチン、中には脱衣所等、あちらこちらからの現金や貴金属が発見される事が有ります。この様な現場に遭遇した場合は、極端に施工が長くなります。一部屋毎、手紙の封筒な中、祝儀袋や香典等「現金が入っていたり無かったり」と・・・遺品整理業者であれば当然の施工では有りますが、200~300の祝儀袋や香典袋など1つでも見落とす事はできません。現金が「有る」との前提で確認作業をしなくてはなりません。この様な状況が予想される家屋では予め工期に予備日を設けさせて頂く様にしています。特に遠方から立ち合いに来られる方の場合、時間や日程に制限が求められます。ある程度のアクシデントを吸収できるスケジュールを予めお伝えし御了解を頂く事を前提に契約をさせて頂いています。タイトなスケジュールでは遺品整理で行われる全ての作業が雑になる事を防ぐ事や納期の延長によりクライアントへの御迷惑を防ぐ為です。

6 ゴミ屋敷の場合

ただ、1K~3LDKで有れば予備日を設けず施工は行えます。ただ、1K~3LDKの場合でもゴミ屋敷(多量物品)・物屋敷の場合は予備日をお願いする場合もございます。

ゴミ屋敷の特徴としては押し入れ等の収納スペースは空になっている事も多く有りますが、堆積したゴミにより押し入れが変形し扉が開かない部屋など物量の把握が困難な事も多くあります。その為、正確な見積もり自体が難しいのも現実です。もう一つの特徴としては床に小銭が散乱している事や食品等の腐敗液の乾燥により小銭が「くっついている」事が多く有ります。当然、この様な場合は小銭の洗浄を行わなくてはクライアントにお渡しできません。

また、無防備に卓上の財布から高額な紙幣が発見される事も珍しく有りません。皆さん「ゴミ屋敷」だから貴金属や現金は無いと「決めつけられて」いる方もいらっしゃいますが、決してそうでは有りません。

以上のように現金を含めた貴重品が発見されない施工現場は皆無に近い事も皆様に知って頂き少しでも「遺品・貴重品ロス」を未然に防いで頂ければと思います。

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