ゴミ屋敷(多量物品整理)について

皆さん、いきなりですが、どんな状態がゴミ屋敷と想像されますか?実際には、個人差が大変に大きく「ゴミ屋敷」の見積りの際「えっと?」と感じる事も有ります。

「ゴミ屋敷」の基準はクライアントの感覚によって異なる為です。「少量の処分品が有れば」それが、「ゴミ屋敷」と捉えているクライアントも居れば「少し散らかっている」と見積りに伺えば「ゴミ屋敷」と弊社で判断する場合もございます。また、多くの場合は、ゴミ屋敷では無く「物屋敷」、購入された物が未封状態で放置される方も多くいらっしゃいます。この場合は買い取り対応を実施させて頂ける事も多くございます。

1 弊社における「ゴミ屋敷」の基準

まず、室内に異臭が有る事が一つ目です。これはコンビニエンスストアやスーパーで購入された弁当空や食品・空き瓶・空き缶・ペットボトル・紙・衣類が堆積している状態で尚且つ必然的に発生する「異臭」が有る事を基準にしています。堆積は足首以上を基準としています。足首の高さ以下で有れば、ゴミの放置期間も短く「異臭」もそれほど強烈なものではありません。

2 現実のゴミ屋敷

実際にゴミ屋敷の中には数十年に渡り堆積したゴミが有ります。その量は高さを基準に、お伝えすれば身長176センチの私よりも高くなり、堆積場所によれば天井までに及ぶ家屋もございます。見積りを行おうにも、堆積したゴミの下まで目視できません。以前、施工した家屋では、目視できないリサイクル家電が2部屋で8台出てきました。また、この様な状態の場合は家電も何台もでてきます。以前にもお話させて頂いた事も有りましたが堆積したゴミは、「地層」状態です。住人は堆積したゴミの上で生活される為、ゴミ自体がプレス状態に有り、「上から、上からゴミを剥ぎ取る」作業を分別しながら行う、気の遠くなる作業が延々と続きます。その中から扇風機やテレビ、ファンヒーター、それを接続する延長コードや衣類がゴミと絡み合い撤去出来ない状況の連続です。また、飲みかけのペットボトルや瓶や小銭(ほとんどのゴミ屋敷の場合は小銭と言える金額では無い場合も多くあります。)等を含めた現金の選別が必要となってきます。中には冷蔵庫が埋もれた状態で、出てくる事もございます。冷蔵庫は通電中で、製造年月日から逆算すると約20年以上前の物で中には食品も入っていました。次に通電されていない状態の冷蔵庫の弊害を過去事例として御案内させて頂きます。堆積したゴミの下から出てきた通電されていない冷蔵庫の場合、「通電されていない」と言う事はある意味、安全性を考えれば正しい選択と思います。これはトラッキング現象(火事)を防止すると言う安全面では正しい選択です。ただ、冷蔵庫内に野菜・お肉・魚、惣菜等の食品が入ったままで電源を切り放置された場合は、当然ながら食品は腐敗してゆきます。腐敗すると孤独死と同様に液状化します。液状化した食材は冷蔵庫の扉から床へ「したたり落ちてゆきます。」冷蔵庫を使用しなくなる事情としてはゴミによる冷蔵庫の開閉が行えなくなる事が一因と想像しています。「したたり落ち液状化した食品」は堆積したゴミにより揮発する事を妨げられフローリング等の床に浸潤してゆきます。

参考までに皆様に質問です。冷蔵庫で20年間放置(通電状態)された「生卵」はどうなると思いますか?生卵も長期間、冷蔵庫に入れておくと生卵は「殻」だけになります。中身は揮発してなくなります。トイレや浴槽においてはゴミにより使用できない状態になっている家屋を多く見かける事もございます。そんな状態のトイレの場合は室内のあちらこちらにペットボトル(2L)に尿を溜めた何十本~200本以上も散乱していたり埋もれているお宅もございました。

3 ゴミ屋敷の弊害

前項で「ゴミが堆積」する事をお伝えしましたが、その状態の場合の多くは「堆積したゴミの圧により」建具が湾曲したり破損したりする事が現象として多くございます。また、ゴミの堆積により通気性が悪くなり、ほとんどの現場でカビが発生しています。それに伴い異臭が発生します。特に梅雨時期から夏までの間です。これは孤独死などでも一緒ですが雑菌やカビは気温20℃~30℃の環境が一番繁殖しやすい環境に有る為です。冬季に入る、と臭いは薄くなります。これも孤独死同様に乾燥と気温の低下が大きな要因です。それを毎年、繰り返す事になります。体や服には「体臭」では無くゴミ屋敷「独特の臭いが付着」し、共同住宅の場合で有ればエレベーター等で密室状態になる事も有り当然、近隣住民や賃貸であれば大家さん・不動産管理会社から苦情が来る事となります。その方達との人間関係も崩壊してゆきます。結果的に体調の異変も近隣の方に気が付いて貰う機会も少なくなり、御本人も敢えて近隣住民との接触を避けられる事などの複数要因の一つとして、「孤独死を招く」「発見が遅れる」の最悪の結果を招いていた例も有りました。。

4 「あぐり」の施工方法

以前、クライアントから他業者の施工は「ゴミの撤去と簡易清掃だけ」と聞いた事があります。弊社ではゴミの撤去後からが持ち味を発揮できる施工と自信を持っています。前項で御説明させて頂いた様に冷蔵庫から腐敗した食品による液状化した物によりフローリングは腐って朽ちています。そのフローリングの下の防水シートやモルタルまで浸潤している事が多くあります。また、クッションカーペットにおいても継ぎ目からクッションカーペットに貼り付けられている接着剤に浸潤しています。「生ごみ臭」はゴミの撤去により感覚的に「薄くなった」ように感じる方も多くいらっしゃいますが、現実的には臭いの「除去」は出来ていません。弊社では特殊清掃のノウハウや独自の洗浄方法により「臭い」の除去まで行う事ができます。ただ、これは床下まで「異臭原因」浸潤している特別な「重症現場」の場合です。そうでない「中傷・軽傷」現場のケースを御紹介させて頂きます。重症化する前の状態(ゴミ屋敷状態・短期間)で有れば、通常施工(清掃)で対応できます。先般も、あるクライアントから大家さんより、室内の管理状況が悪い事を指摘され「退去通告」を受けている、との事で施工を行いました。結果「とりあえず3カ月間」の経過観察の後、「ジャッジ」されるとの事でした。大家さんも「ゴミ屋敷」は「現象」と考えられているようで、原因対策の様子で判断されるとの事でした。また、「私の名刺をもらいたい」との申し入れも頂く事が出来、最高の形で施工を終えた1日でした。

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