相続が変わる! 配偶者の老後を安定させる法律改正の内容とは

2018年7月6日、相続法制を約40年ぶりに大幅に見直す改正民法が参院本会議で可決、成立しました。

相続分野の見直しは40年ぶりのこと。
前回、1980年には配偶者の法定相続分が3分の1から2分の1に引き上げられましたが、それ以来の相続制度の抜本改正となります。

この改正の主な目的は、「残された配偶者の老後の生活の安定化」だと言います。

高齢化が加速している現在、残された配偶者は長い年月を生きていかなくてはなりません。
また、これに合わせて「法務局における遺言書の保管等に関する法律」も成立しました。

この法律は、2022年春にも施行される予定です。円満な相続を迎えるために、ぜひ知っておきましょう。

配偶者居住権の創設

「配偶者居住権」とは、現在住んでいる家に、配偶者がそのまま住み続けることができるという権利です。

現状の制度では、被相続人が亡くなったあと、その配偶者が自宅(遺産分割の対象の建物)に住み続けるには、自宅の所有権を相続しなくてはなりませんでした。
すると、遺産分割で得られる他の財産(現金など)は、自宅の分、少なくなってしまいます。

そこで、この改正では、住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割しました。
残された配偶者は、この「居住権」を取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に移ったとしても、そのまま自宅に住み続けることができるのです。

また、この「配偶者居住権」を利用すれば、自宅に住み続けられるだけでなく、生活資金も確保できます。

たとえば、被相続人の財産が1500万円の自宅と預貯金2500万円だとします。
この場合、現行の制度で配偶者が自宅の所有権を相続すると、預貯金は500万円しか得られないことになりますね。

しかし、配偶者居住権を行使すれば、所有権より低い割合で自宅に住み続けることができ、浮いた分は預貯金を相続できるのです。

また、配偶者が遺産分割の対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする「配偶者短期居住権」も新設されました。
配偶者短期居住権は、配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合に認められます。

これにより、配偶者は当面の居住権を確保することができます。
ただし、相続開始の時において、この居住建物に関して配偶者居住権を取得したときは,この限りではありません。

配偶者間における住居の贈与

配偶者が生前贈与や遺言などで譲り受けた住居は「遺産とみなさない」という意思表示があったとして、遺産分割の計算対象から除外します。
住居が特別受益と評価されないため、配偶者がその他の財産を受け取れないという事態が生じないのです。

この制度により、配偶者は住居を離れる必要がないだけではなく、他の財産の配分が増えるため、老後の生活を安定させることができます。
ただし、結婚期間が20年以上の夫婦に限定されるので注意が必要です。

金融機関の仮払い制度を創設

現行の制度では、被相続人の遺産は、亡くなった時点で相続人全員によって共有している状態となるため、銀行など金融機関は、遺産分割協議が成立するまで、原則として口座を凍結し、被相続人の預貯金の払戻や名義変更に応じません。

結果、被相続人が急逝した場合など、葬儀代や、残された配偶者の生活費など、必要なお金が引き出せず、困る人が多かったのです。
そのために、いざという時に備えて、被相続人の生前から家族信託などを取り決めることが必要でした。

そこで、今回の民法改正では、遺産分割協議が終わる前でも生活費や葬儀費用の支払いなどのために被相続人の預貯金を金融機関から引き出しやすくする「仮払制度」を創設しました。
これにより、生活資金や葬儀代などを被相続人の預貯金から支払うことが可能となります。

相続の不公平感の是正

この改正では、被相続人の生前、介護や看病で貢献した親族に考慮した制度が創設されます。

たとえば息子の妻などが被相続人の介護や看病をするケースは多々あります。
また、6親等以内の親族(いとこの孫ら)以内の血族と、3親等(姪や甥)以内の配偶者が介護などに尽力するというケースもあるでしょう。

しかし、これらの人々は法定相続人ではないため、現行法では被相続人による遺言がない限り、どんなに介護や看病を一所懸命行っても遺産分割という形での報酬は一切受けることができませんでした。

新たな改正案では、法定相続人(被相続人の配偶者、子、親、兄弟姉妹)ではない親族でも、被相続人の介護や看病に貢献した場合は金銭を請求できるようになります。

ただし、親族のみが対象となるので、家政婦や近所の人、事実婚や内縁など、戸籍上の親族でない人は請求できません。
これらの人に相続させたい場合は、従来通り被相続人の遺言が必要となります。

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立①

新しく、自筆証書遺言を法務局で保管できる制度が創設されました。

これまで、被相続人が作成した自筆証書遺言は、自宅で保管するか弁護士に預かってもらうことしかできませんでした。

自筆証書遺言は、遺言書の存在が相続から何年も経過した後に発見されて遺産分割協議がやり直しになったり、相続人が勝手に破棄したり、また偽造したり、そもそも紛失してしまったりするなど、遺言の内容が執行されない危険性が高く、トラブルに発展するケースが非常に多いものでした。

そこで、このような事態を避けるため、法務局が自筆証書遺言を保管する制度を設けます。

作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことにより、紛失や偽造など、遺言書に関するリスクは少なくなると考えられます。
また、公的機関である全国の法務局で保管すれば、相続人が遺言の有無をすぐに調べられるようになります。

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立②

これまで、自筆証書遺言は家庭裁判所における「検認」(民法1004条)が必要でしたが、これについても見直しされます。

自宅で自筆証書遺言が見つかった場合、今までは法定相続人全員の立ち会いのもと、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要でした。

検認とは、遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出し、法定相続人などの立会いのもと遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。

これまでは、この手続きをしないと遺言書の内容を確認することができませんでした。
しかし、新たな改正案では検認手続きが不要となるため、速やかな遺言の執行、相続手続きの時間短縮が期待できます。

財産目録のパソコン作成が可能に

自筆証書遺言は手書きで作成しなくてはならないので、財産目録についても手書きしなくてはなりませんでした。

財産目録とは、被相続人の一覧としてまとめたものです。
預貯金や不動産などプラスの財産だけでなく、借金や住宅ローンなどのマイナスの財産も対象となります。

財産目録の作成は義務ではないため、必ずしも作成しなければならないわけではありませんが、スムーズな相続のためには必要な書類です。

とはいえ、目録を手書きするのは非常に手間がかかる場合があります。
そのため、改正案では、財産目録の部分のみは手書きでなくてもよく、パソコンなどで作成できるようになります。

改正法の施行はいつから?

改正民法は、それぞれ次の日から施行されます。

配偶者居住権

公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日

自筆証書遺言の方式緩和

公布の日から6か月を経過した日から

婚姻20年以上の夫婦の優遇策、仮払い制度など

公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日

法律は、その成立後、後議院の議長から内閣を経由して奏上された日から30日以内に公布されます。

法律の公布にあたっては、公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されます。
官報には、公布された法律について「法令のあらまし」が掲載されますので、目を通しておくとよいでしょう。
官報はインターネットで閲覧することができます。

円満な相続を迎えるために・・・

いかがでしょうか? この改正によって、相続はガラリと変わります。

内容を見ると、残された配偶者に対してかなり手厚くなっていることがわかるのではないでしょうか。
これは、少子高齢化社会が背景にあり、高齢者の老後の生活安定を見据えての改正と考えられます。
ぜひ正しく理解して、円満な相続を迎えましょう。

孤独死保険!? 高齢化社会から生まれた生前整理の必要性と保険について

誰にも看取ってもらえず、ただ一人ひっそりと最期を迎える孤独死。

平均寿命は伸び、医療は進歩し、未婚率が高くなっている現在。
当然の結果として、1人暮らしをする「独居老人」が増えています。

内閣府の調査によると、2000年に約300万人だった65歳以上の独居老人は、わずか5年で2015年には約600万人へ倍増しています。

そんな状況のなか、孤独死が社会問題になっているわけです。
そこで、保険各社が販売する「孤独死保険」が注目されています。
これは一体どんなものなのでしょうか?

「孤独死」の現状

  • 孤独死とは
  • 孤独死の現場とは

孤独死とは

孤独死の原因は、脳出血や室内での転倒、心臓発作やヒートショックなどさまざまです。
このように、突発的な傷病で誰にも看取られることなく亡くなることを「孤独死」といいます。

1人暮らしの高齢者にはご近所づきあいや友人の少ない人、社会やコミュニティから孤立している人も多いようです。
そこで発見が早ければ助かっていたケースや、亡くなったことを誰にも気付いてもらえず、日数が経過してから遺体が発見されるケースもあります。

孤独死の現場とは

孤独死に気づくのは、同じ集合住宅に住んでいる人や、近隣の住人などが多いようです。
悪臭が漂い、急に害虫やネズミなどが増える。
どうもおかしいと通報すると、住人が孤独死していたという具合です。

特に夏季は臭いなどの被害がひどく、発見が遅かった場合は部屋を開けると、嗅いだことのないような独特の臭いが鼻をつき、無数のハエの死骸とウジ、ハエの蛹が大量に転がっているといいます。

もちろん人間の遺体は警察によって運び出されていますが、故人が倒れていた後にはタールのようにどす黒い液体や、腐敗した皮膚のようなものが残されているといいます。

これらの体液などは、部屋にどんどん染み込んでいきます。
なかには、4階で亡くなった人の体液が、3階を通過して2階の天井まで染み出したケースもあるといいます。

ハエの駆除だけでも大変な手間がかかり、このような部屋を完全に綺麗にするには、部屋全体をリフォームするしかなくなってしまうのです。

孤独死の後始末

  • 事故物件
  • 心理的瑕疵
  • 事故物件の後始末は誰がするの?

事故物件

専門のサイトなどから「事故物件」という言葉が知られるようになっていますね。
不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどで、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいいます。

事故物件として扱われるのは、次のようなケースが挙げられます。

  • 殺人、傷害致死、火災(放火ないし失火)などの刑事事件に該当する事柄で死者の出た物件
  • 事件性のない事故、自殺、災害(地震による崩壊など)、孤独死などで居住者が死亡した物件

これらは、いわゆる「心理的瑕疵」に該当します。
つまり、事件・事故の影響で精神的・心理的に、その部屋の住みにくい状況です。

心理的瑕疵

一度事故物件になると、次の入居者への告知義務が生じます。
そのため、なかなか次の入居者が見つけられず、家賃を下げたり、応募が途絶えたり、大家さんにとっては非常に困った状態になります。

告知義務には期限がなく、「事故」が起きてからどれくらいの期間告知を続けるのかはケースバイケースだそうです。
一度、だれかが借りれば、次の人には告知しない大家さんや、ずっと伝え続ける大家さんなど、いろいろな人がいるようです。

事故物件の後始末は誰がするの?

もしも、孤独死によって遺体が死後何日も経過していた場合、遺体の腐敗によって物件が汚損してしまいます。
部屋を元の状態へ回復するためには特殊な技術が必要となります。

繰り返しになりますが、高齢者に多い「汚部屋」「ごみ屋敷」問題もあります。

年齢を重ねるごとに体力・気力が衰え、自炊しなくなり、コンビニ弁当の空きパックや、ペットボトルをまとめて捨てることもできなくなり、しなくなる。
ゴミが散乱する部屋は、高齢者に多いようです。

 

この大量のゴミを、いったい誰が始末するのでしょうか?
孤独死の場合、保証人と連絡が取れないケースが多いようです。

また、亡くなった人が天涯孤独だった場合、部屋の現状回復から遺品処理、ゴミ処理に至るまで、結局、すべてを大家さんが背負うことになり、大家さんは大きな負担を強いられることになるのです。

「孤独死対策保険」――大家さんのための保険

1人暮らしの高齢者の増大、孤独死の増加……。
このような社会状況のため、高齢者の入居に拒否感や不安感がある大家さんは6割を超えているそうです(国土交通省調べ)。

でも、今後ますます老人大国となっていく日本。
高齢者であるという理由で部屋を借りられなかったら困りますよね。

そこで、2011年ごろから、家主が貸借人の孤独死で被るリスクをカバーする保険が登場し始めました。
これらは「孤独死保険」「孤独死対策保険」と呼ばれています。

  • 大家さんが支払う保険
  • 入居者が支払う保険

大家さんが支払う保険

大家さんが自分で掛け金を支払い、事故があったときに保障を受けるタイプの保険です。

2015年10月、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、大家さんを対象にした火災保険の特約・付帯サービスとして「家主費用・利益保険」の共同販売を始めました。
孤独死が発生した際の補償内容の一例を挙げると、

  • 遺品整理など・・・「事故対応費用」として最大10万円
  • 敷金を超える清掃・修復など・・・「原状回復費用」として最大100万円
  • 事故後に借り手がつかず空室となった場合の減収分・・・賃料の80%を最大12か月間

といった保障金が大家さんに支払われます。

東京海上日動火災保険も「孤独死対策プラン」を販売しています。

「孤独死対策プラン」は、「家主費用・利益保険」と「企業総合保険(家賃補償特約)」をセットにした商品で、このうち「家主費用・利益保険」部分で孤独死や自殺、犯罪死の発生に伴う家賃損失、費用などを補償します。

原状回復・事故対応費用は、事故発見日から180日以内に被保険者が支出した費用が対象となっており、原状回復費用と事故対応費用などを合計して1回の事故につき、100万円を限度として補償します(契約内容により限度額は変更OK)。

こちらは事故対応費用として「お祓い」や「供養」の費用まで認められている点が特徴です。

入居者が支払う保険

「孤独死保険」が発売され始めた頃は、こういった保険は大家さんが掛け、支払う保険がほとんどでした。
しかし最近では、入居者が掛け、事故があった場合に大家さんに保険金が支払われる保険が出てきています。

ジック少額短期保険が、2014年に家財保険のオプションとして販売を始めた「孤立死原状回復費用特約」は、3年ほどで契約件数が1万5000件を超えているそうです。
保険料は2年間2000円で、万一の補償は最大50万円だそうです。

こちらの保険は、高齢で身寄りのない方が賃貸物件に入居を希望する際、大家さんが保険の加入を条件にするケースが多いとのこと。
入居者からすれば、「あなたは孤独死しそうな人です」とレッテルを貼られたようなものです。
でも、大家さんからすれば切実です。加入しなければ入居はしてもらえない……それほど「孤独死」の問題は大きな問題なのです。

入居者側が支払う保険としては、少額の火災保険に「孤立死原状回復費用特約」を付加できるものもあります。
この特約を付けることで、入居者に万一の事態が起こった時、大家さんが原状回復費用を補償してもらえるわけです。

少額短期保険会社と共同で保険商品を開発したNPO法人もあります。
この保険では、入居者が加入時の年齢によって異なる金額の保険料を払います。

この保険は、本人が亡くなったあとの遺品整理や修繕だけでなく、葬儀や納骨までカバーしています。
また、身寄りがない人のため、この法人など第三者を保険金の受取人とすることができます。

このように、入居者が保険料を負担することで孤独死のリスクを軽減できれば、大家さんが高齢者の入居を敬遠する理由が減ることになります。
また、今は若くても、そのまま住み続けていれば、いつかは高齢の単身者になります。

こうした個人向けの孤独死対策保険は、大家さん向けの商品も、入居者自身が備える商品も、今後さらに増えていくでしょう。

生前整理をしましょう

社会問題となっている孤独死。
でも、孤独死は今後ますます増えていくと考えられています。

厚生労働省が発表した平成28年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳。
これは過去最高の数字で、世界では香港に次いで2位という結果でした。

また、生涯未婚率も年々高くなり、1人暮らしの高齢者は増えることはあっても減ることはなさそうです。

こんな現代だからこそ、生前整理をしておきたいもの。
孤独死なんて誰もしたくないし、事件にだって遭いたくないに決まっています。
でも、この世の中、いつ何が起こるかわかりません。

だからこそ、生前整理をしておきたいもの。
暗く考えるのではなく、これまでの自分を振り返り、整理すると考えてみてはいかがでしょうか?
少しでも、この先の人生を明るく身軽に生きていくために。
その時に、ぜひ孤独死保険についても考えてみてくださいね。

遺品整理で処分に困るものについて

遺品整理作業のなかで、遺族としては意外なものや処分しにくいものが出てくることは、多々あります。
突然死を迎えた故人の部屋ですと、生前に片付けが行われていない状態で遺品整理が始まるのですから、致し方ないことしょう。
もしかしたら遺族も知らなかった故人の生活が見えてくるかもしれません。
今回はそんな遺品整理で出てくる意外なものや処分しにくいものが出てきた場合の対処法をご紹介します。

意外と多い現金や商品券

デジタル化が進み、電子マネーが普及した現代は、給与もほぼ銀行振込です。
多くのお店でクレジットカードが使えますし、PASMOやSuicaなど交通系ICカードで買い物ができるようになりました。スマートフォンの普及も、そんな状況に拍車をかけています。
いまや昔のような「給料袋」を見たことがないという人のほうが多いでしょう。結果、手元に高額の現金を残しておくことは、ほとんどありません。
それでも遺品整理の際に、故人がしまっておいた現金が見つかることはあります。特に故人がキャッシュカード、ATMを使う機会の少ない世代であったらなおさらです。
当然、現金を人目につく場所に放置していることはなく、タンスの奥や引き出しなどに「隠している」ようなケースが多い。しかも高額です。作業中に、タンスの奥から十数万の現金が出てきたこともあります。
また十数万円ぶんの商品券や、ビール券が何十枚も見つかった現場もありました。きっと故人は多くの人からお中元やお歳暮などが贈られる、交友関係の広い方だったのでしょう。
そういった故人の人柄が偲ばれる品々ではありますが、遺族にとっては対応に困るものだとも言えます。

 

まず現金は、高額であれば相続の対象となる場合もありますが、十数万円であれば遺族の間でしっかり分けるようにすると、後々のトラブルを防ぐことにも繋がります。
商品券やビール券も同様ですが、こちらは金券ショップに持ち込むこともできます。
例を挙げると、全国百貨店共通商品券は大手の金券ショップであれば98%前後で買い取ってくれます。有名百貨店の商品券も最低でも96~97%で取り引きされています。
ビール券はほとんど額面と変わらない価格で買い取ってくれる店もあるほどの人気商品。
ただし、券が折れ曲がっていたり、汚れていたりすると買い取り価格は下がります。
片付ける時に誤って商品券をグシャっとまとめたりすることのないように。
遺品整理においては、何でも一つひとつ丁寧に片付けていくことが重要です。

食品・調味料は基本的に全て廃棄!

遺族が引き取りにくいものの代表例が、食品や調味料、油といったものです。
食品は生のものや賞味期限切れのものなど悪臭のもととなり、ご近所の方たちに迷惑をかける要因ともなります。
これらは基本的に「全て廃棄」と考えて良いものでしょう。

まずは冷蔵庫・冷凍庫の中身をチェック。生鮮食品の賞味期限を確認し、期限切れのものからどんどん処分していきます。
特に大きなものから捨てていくと冷蔵庫・冷凍庫の中がスッキリし、作業効率もさらに高まります。
続いて調味料ですが、「長持ちするものだから取っておこう」という考えは禁物です。
ほとんどの調味料はどの家庭にも置かれているものなので、引き取っても結局使わず、ごみになることが少なくありません。
であれば、遺品整理の時点で処分しておくほうが、後々の面倒な手間も省けます。

注意しなければならないのは、その処分方法です。
液体の調味料は新聞紙やボロ布に吸い込ませて、それを可燃ごみとして処分できます。必ずペットボトルをはじめとする入れ物とは別にしましょう。
油も市販の凝固剤で固めてしまえば可燃ごみになります。
排水溝に流して捨てるのは厳禁です。油が排水溝に付着して火事の原因となることもあります。
もちろんそのまま流れても環境破壊のにも繋がります。油を使う飲食店や工場などの業者であれば、廃棄方法は「廃棄物処理法」で規定されており、違反するともちろん罰則が与えられるほどなのです。

油といえば、昔の家屋にはたいてい備え置かれていた灯油は、「特別管理廃棄物」にあたります。環境省のサイトでは、次のように規定されています。

「廃棄物処理法では、『爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物』を特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物(以下、「特別管理廃棄物」という。)として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています」

特別管理廃棄物の多くは、一般家庭ではなく工場や飲食店、あるいは病院に置かれているような特殊な薬品、爆発のおそれのある油などです。処分にも専門の資格が必要です。
しかし灯油のように一般家庭でも使われているものも特別管理廃棄物として指定されてる場合もあるので、処分は必ず専門業者にお願いしましょう。

医薬品は必ず専門家に相談を!

医薬品は市販のものであれ、病院で医師に処方されたものであれ、これも基本的には「全て廃棄」が望ましいでしょう。
処方薬はもちろん、市販の薬でも人によって合うもの・合わないものがあります。未開封ならまだしも、開封後の医薬品は食品と同じリスクがあるので廃棄します。
病院から処方された薬であれば、どう処分すれば良いのかその病院に問い合わせてみてください。
自分で廃棄して良いものもあれば、病院や薬局に戻したほうが良い薬もあります。
薬の投与のため、自宅に注射器を置いている方もいます。
病院であれば法律により「感染性廃棄物」として廃棄物処理法に基づき専門業者が処分しなければなりませんが、一般家庭では「在宅医療廃棄物」となり、一般ごみとして廃棄することができます。
いずれにしても遺品整理は何事も全て自分で判断することなく、専門家に相談することも大切です。

 

消火器はリサイクルに!

昔は多くの家に必ずひとつ、消火器があったのではないでしょうか。
もし遺品整理で消火器が出てきた場合も、特別な対処が必要となります。
消火器の使用期限は10年。期限内のものであれば他の人が引き取ることもできます。
期限が切れている場合は、国内メーカーの商品であればリサイクルが可能です。
まずは「消火器リサイクル推進センター」に問い合わせ、引き取り・持ち込みが可能な日時や場所を決め、費用を確認し、処分することになります。

自動車・バイク・自転車は名義や登録に注意!

これは高額な遺品全てに言えることですが、自動車やバイクについても考えなければいけないのは、相続です。
故人の自動車やバイクについては、最初に「相続」か「廃棄」かを決めます。その後、どちらを選ぶにしても法的な手続きを行わなければいけません。
自動車の場合、まずは名義変更ですが、元の所有者が亡くなった場合の名義変更は手続きがやや複雑になってしまうのでご注意ください。
通常の名義変更に加えて、故人や遺産に関する書類も必要となってくるのです。
故人の戸籍謄本、印鑑、住民票、遺品相続人全員の実印が押されている遺産分割協議書が、その必要書類にあたります。
これは「相続」でも「廃棄」でも同じ。自動車車を廃棄、廃車にする場合も、一度相続人の名義に変更し、その相続人しか廃棄処分を行えないからです。

一方、バイクは引き取るにも廃棄するにも、一度「廃車」の手続きが必要です。
バイクに付いているナンバプレートを管轄する市区町村の役所で手続きを行うと同時に、保険会社に対して自賠責保険の解約も行うことになります。

上記の自動車やバイクは、中古業者が引き取るうえで法的な手続きを行ってくれる場合もありますので、問い合わせの時に確認したほうが良いでしょう。

所有率が最も高い自転車は、リサイクルショップに売るか、粗大ごみとして廃棄することになりますが、どちらの場合も「防犯登録の抹消」が必要です。
各都道府県の警察署の生活安全課へ、防犯登録カードと登録者の身分証明書を持っていき、手続きを行います。
自転車を購入する際、そのお店で防犯登録を行ってくれているケースも多いので、購入したお店がわかれば問い合わせてみましょう。

故人の趣味①刀剣、銃

遺品のリサイクル・リユースについては、各業者に問い合わせたり、査定をお願いして買い取り・回収を行ってもらいます。
しかし、一部には大きなトラブルの要因となるものがあります。その代表例が刀剣、銃といった類いのものです。
趣味として日本刀や猟銃を持っている人は多いのですが、基本的にそれらは許可を得ているものであり、許可を得ずに所持している場合は「銃砲刀剣類所持等取締法」(いわゆる銃刀法)違反となり、罰則が課されます。
故人が許可を得て所持しているものは、まず警察に届け出て、教育委員会の審査に通れば、遺族が保管することもできます。許可証などがあれば、名義変更も行えます。
ただ、この届け出を行わないまま長期間に渡って遺族や他の人が持ったままだと、銃刀法違反となってしまう可能性もあるので気をつけてください。
もちろん法律に乗っ取り、許可証を返納し、刀剣や銃そのものも手放すことも可能です。警察に処分をお願いすることもできますので、遺品のなかに刀剣や銃があった場合は必ず速やかに警察署へ届け出ましょう。

故人の趣味②わいせつ物

もうひとつ、遺品整理で実際にあるのは、故人の遺品から「わいせつな雑誌やDVD」が見つかるケースです。
故人が趣味としてそういった物を持っていることを遺族がご存知の場合は、特に問題はありません。
ところが、たとえば「亡くなったお父さんは、そういうものに一切興味がないと思っていたのに」と、生前のイメージと異なるため遺族がショックを受ける、といった実例があるのです。
紙類は可燃ごみとして処分しますが、DVDやそのケースは専用シュレッダーなどで細かくする必要もあるでしょう。

さらに遺族が困るものとして、故人の写真やパソコン、携帯電話などのデータがあります。
何かといえば、そこに遺族が知らなかった故人の人間関係が残っているからです。
極端な例としては、知らない異性との関係が写っている写真、あるいはメールといったものです。
遺族としては知りたくなかった事実かもしれません。特に父親が亡くなった際、そうしたものが出てきても、ただでさえ気持ちが落ち込んでいる奥様には見せられないでしょう。
その場合は、見つけた人が誰にもわからないようにコッソリと捨てておくこともあります。

とはいえ、見つけた人にとっても悲しい事実かもしれません。
遺品整理とは、故人の人生に関する新たな発見を伴います。それが良いものであっても、知りたくないことであったとしても。


遺品整理士も、このような場面に遭遇することはあります。
しかしプロフェッショナルの遺品整理士は事前に故人や遺族の生活や人間関係を把握し、それを踏まえて何かを発見してもその場に応じた対応を行います。
現場で遺族に見せないほうが良いものは一度、遺品整理士のほうで保管し、後日遺族に処分をご相談させていただくこともあります。
遺品整理において最も重要なのは、故人と遺族の気持ちです。これを無視して作業を進めることはできません。時に作業だけでなく、心のケアに関するご相談も受けます。
そうした配慮もまた、プロの遺品整理士にとって重要な資質なのです。

遺品整理でお困りのことがあれば、まずは遺品整理士や専門業者に相談してみてください。

生前整理とは違う、福祉整理について

多くの人を悩ませる、ごみ屋敷や汚宅問題。メディアにも頻繁に取り上げられるようになり、広く知られるようになりました。
そこから、「終活」「生前整理」「老前整理」など様々な言葉が生まれました。そのなかで最近出て来たのが、「福祉整理」です。
比較的新しく出てきた「福祉整理」。その内容・意義と、他の整理との違いは何でしょうか。

高齢になると、片付けができなくなるの?

そもそも、年齢を重ねると、なぜ片付けができなくなってしまうのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

  • 「捨てる=悪」の道徳観
  • 「もったいない」の価値観
  • 体力・気力の衰え
  • 「思い出」を捨てられない
  • 家に人を呼ばなくなる
  • 他人に自分の領域を荒らされたくない
  • セルフネグレクト
  • ためこみ障害

「捨てる=悪」の道徳観

包装紙や紙袋、洗剤の計量スプーン、広告紙や空き箱、果ては壊れた家電まで……。おそらく使うことはないのに、「物を捨てる」ということに強い罪悪感を覚え、溜め込んでいる高齢者は少なくありません。
特に、買ったとき値段が高かったものが、使われずにそのまま残っていることがあります。

高かったから、もったいなくてなかなか下ろせない。使っていないけれど、高かったものだから捨てられない、というわけです。
また、引き出物や景品などのいただき物を捨てられずに置いてあるケースもよく見られます。

モノのなかった昔は、布ひとつでも捨てずに再利用して、最後は雑巾として使い、ボロボロになってから捨てるのが当たり前でした。
こういった道徳観は決して悪いことではありませんが、捨てるときは捨てる、というように、なかなか柔軟に対応できない高齢者が多いようです。

体力・気力の衰え

親御さんが、腰が痛い、ひざが痛いと言うのを聞いたことはないでしょうか。
年齢を重ねると足腰が弱くなって、身体を曲げ伸ばしするのが大変になってくるのです。
そのため、モノを動かすという動作が億劫になっていきます。
散らかる部屋を見て「これではいけない」と頭では解っていても、重い腰を上げられず、そのうち、散らかった状態に慣れたり諦めたりして、「汚部屋」が出来上がっていくわけです。

また、気力の衰えも出て来ます。体力低下に伴うものだけでなく、子供たちが独立して気が抜けたり、伴侶を亡くしたりという理由が多いようです。
ご主人に先立たれた奥さまが、それまできちんとしていた家事を放棄し、ごみ屋敷となるケースがよく見られます。
逆に、奥さまを亡くされたご主人の場合は、もともと家事をする男性が少ない世代でもあり、ごみ屋敷化がさらに加速してしまいます。

また、今は、ごみの分別が複雑なため、ごみを捨てる気力がなくなってしまう人もいるようです。

 

「思い出」を捨てられない

子どもが独立し、親を見送り、やっと自分だけの時間が取れるようになった世代。そんなエアポケットのような時期に思い出すのが、懐かしい昔のことです。
亡き親からもらったものや、親族の形見、若い頃気に入っていた服やアクセサリー。子供のベビー服や作品、写真など、思い出を捨ててしまうようで処分できない人が多いようです。

家に人を呼ばなくなる

家の玄関は、家の「顔」。誰かが訪ねてきたときに、まず目にする場所ですね。
親が若かったころは、毎日家のまわりのゴミを拾ったり、水を撒いたりしてきれいにしていたことでしょう。特に来客があるときは、恥ずかしくないよう念入りに掃除をしたはずです。

また、道路から見える場所にある庭にも気を遣うものです。庭木を美しく剪定したり、道に散らかった落ち葉を片付けたりと、きれいにしますね。
人を招こうという気持ちが下がってくると、玄関や庭が散らかり始めます。毎日、掃除することができない、また、する気持ちもなくなっているわけです。

他人に自分の領域を荒らされたくない

家や部屋を整理されることを嫌がる高齢者は少なくありません。
散らかっていようが、自分の部屋にあるモノは自分のモノだから、他人に「要・不要」を決定される筋合いはないというわけです。

特に、親御さん自身が片付けの必要を感じていない場合、「今要るから置いているモノ」なのに、たとえ子供であっても、人から「捨てましょう」などと言われたくない。高齢者になるほど、この傾向は強まるようです。

セルフネグレクト

最近よく聞くようになった言葉に「セルフネグレクト」という現象があります。
セルフネグレクトとは、自分自身の生活に対して「やる気」をなくしてしまい、全てを放棄してしまうことです。

 

精神的に不安定になり、生活が荒れてしまうセルフネグレクト。自分の殻に閉じこもり、心に壁を作りプライドが高くなります。
もしも第三者が勝手に掃除したり、口出ししてきたりすると激しく抵抗し、非常に攻撃的になることがあります。
そんななかで、アルコールに依存したり、酒類の空き容器や弁当ガラなどがどんどん増えていき、ついにはゴミ屋敷となることがあります。

ためこみ障害

本当はそんなにたくさんの食材はいらないはずなのに、食材を切らすといけない気がして大量に買ってしまう。その結果、使いきれずに腐らせてしまったり、傷みかけた食品を食べて健康を害してしまったりする人も少なくありません。

まだあるのに、トイレットペーパーやティッシュペーパー、石けんやシャンプー、洗剤などといった生活用品をつい買ってしまうことはないでしょうか。腐らないものほど、買いだめをする高齢者が多いようです。

あまりにもモノを捨てられない、また、モノがないと不安でたまらない人は、「ためこみ障害」という心の病気を抱えている可能性があります。
家の中が足の踏み場もない状態になるようなら、精神科(神経科)を受診し、心理療法などで解決していくことが必要かも知れません。

「福祉整理」とは?

 

超高齢社会を迎え、「おひとりさま」の高齢者が激増しています。さらに、認知症を発症したり、身体の自由が利かなくなったりする人も増えています。
自分で身の回りのことができなくなった高齢者は、次第に劣悪になる環境の中で生活していかなくてはならなくなります。
「福祉整理」とは、介護や福祉に関わり、高齢者が健全な生活を続けるために住環境を整えることをいいます。

  • 施設入居・入院に伴う家財整理・撤去
  • 認知症の人の住環境整理
  • 自宅介護のための不用品整理
  • 定期的なハウスクリーニング

施設入居・入院に伴う家財整理・撤去

介護施設に入居したり、末期がんなどで入院すると、再び自宅に帰って生活することはほぼなくなります。施設や病院には最低限のものしか置けないため、これまで暮らしていた自宅や部屋を整理する必要が出て来ます。
入所・入院が必要な状態なので、もちろん高齢者自身で部屋を片付けることはできません。そんなとき、本人に代わって家財道具を整理・撤去します。

認知症の人の住環境整理

認知症で、家の中を汚したり、徘徊してごみや不用品を集めてきたりという行動をするようになることがあります。こういった高齢者が、ごみや汚物の中で暮らしているといったケースも少なくありません。
1人暮らしが難しくなった高齢者が、清潔で健康な生活を営めるよう、ごみを捨て、片付けをします。

 

自宅介護のための不用品整理

自宅で介護生活を送る人のための住環境を整えます。あまりにモノが溢れ、また、ごみ屋敷状態になっていると、介護する人が家に入ることができないでしょう。
また、介護用ベッドを入れる必要がある場合、まずは自宅を片付けて、ベッドを置く場所を作らなくてはなりません。
介護する人・される人が、双方気持ち良く生活するために不用品やごみを片付けます。

定期的なハウスクリーニング

要介護でなくても、自分で片付けや整理が難しい高齢者は増えています。
こういった人が安心して健康な毎日を送れるようにするため、定期的に整理やハウスクリーニングを依頼します。
少し汚れたり、ごみが溜まったりしても、定期的に片付けてもらえれば安心です。

遺品整理・生前整理との違い

「遺品整理」とは、故人が亡くなった後、遺したものや愛用品を整理することです。
不用品を仕分けし、必要なものを残しますが、遺言書があればその内容に沿って行う必要があります。
近年、耳にする「生前整理」「老前整理」は、「遺品整理」を本人が生きているうちに行うことです。自分にもしものことがあった場合、家族や親族に迷惑をかけないため、生きているうちに財産やものを整理しておきます。

これに対し、「福祉整理」は、部屋の衛生や健康な生活環境を整えることです。
部屋の整理という点では同じですが、将来来るであろう「死」を意識して行うというよりは、現在の生活を整備し、より良く生きていこうと「生」を意識して行われます。社会的・福祉的側面が強い整理であるといえます。

福祉整理の効用

 

福祉整理には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 部屋の中の危険がなくなる
  • 衛生的になる
  • 短時間で片付き、処分の手間が省ける
  • 離れて暮らす家族も安心できる

部屋の中の危険がなくなる

片付いていない部屋には、危険がいっぱいです。
年を取れば取るほど、身動きが取れなくなっていきます。
高齢者は、足もとのモノが見えにくいことがあり、少し出ているコードや散らかったモノに足を引っかけたり、ちょっとした段差に対応できず、転倒・骨折するといった事故が頻繁に起きています。

また、高いところにあるモノを取ろうとして転んだり、なだれ落ちてきたモノでケガをしたりする事故も後を絶ちません。
福祉整理をして部屋が片付けば、こういった危険をグンと減らすことができます。

衛生的になる

ごみだらけで腐臭が漂い、害虫がゾロゾロと湧く中での生活……普通は、想像するだけでゾッとしますよね。
でも、体力・気力が衰えてしまった高齢者は、自分で整理整頓することができません。また、認知症などでものの判断が難しい場合があります。
そのため、決して望んでいるわけではないのに、衛生状態の悪い部屋で生活せざるを得なくなる人が増えています。

当たり前ですが、ごみだらけの部屋は衛生的によくありません。ごみやホコリは、ダニなどの害虫が好む環境です。汚部屋で暮らしていると、呼吸器系をやられ、健康を確実に損ないます。
福祉整理を利用すれば、体力が弱っている高齢の方が風邪や病気にかかるリスクを低くすることができます。

短時間で片付き、処分の手間が省ける

プロに整理を依頼すれば、短い時間で片付けてくれます。汚れの程度によっては、高齢者がデイサービスや病院に通っている間に清掃しておいてもらうこともできます。

もちろん、清掃に立ち合えますので、捨ててほしくないものがあれば立ち合って指示するとよいでしょう。
業者に依頼すれば、ごみなどはすべて処分してくれます。自分で分別する必要もないためラクです。まだ使える不用品があれば買い取ってもらうこともできるので、確認してみましょう。

離れて暮らす家族も安心できる

親御さんと離れて暮らしている家族なら、自分が帰り、親御さんと話し合いながらモノを整理するのが理想でしょう。
でも、離れて暮らす子供にとって、親の家(実家)を片付けるというのは大変な作業です。遠方に住んでいる場合は特にそうでしょう。モノの整理には、時間も費用も労力もかかります。
そんなときに、福祉整理を利用するとよいでしょう。プロの技術により短時間で清掃してくれ、不用品も処分してもらえます。

なぜ遺品整理の仕事があるのか

遺品整理の仕事をしているなかでよく頭に浮かぶのは、「人は何のために生まれてきたのか」ということです。
いろいろ考えますが、やはり行き着くのは「人は幸せになるために生まれてきたはず」ということ。現実には必ずしもそうとは限らないので、余計にそう思うのでしょうか。

でも、ご本人さまにも、遺族の方にも、少しでも幸せに、健康に生きていただくために、また、亡くなったあとにも「これでよかった」と喜んでいただくために、私たちは仕事をしています。
遺品整理、生前・老前整理、福祉整理、何でもご相談ください。

特殊清掃とは?清掃内容等を解説!

遺品整理と同様、特殊清掃も世間的に認知度が高まってきているということなのでしょう。

そんな特殊清掃についてみていきましょう。

 

特殊清掃とは?

まずは、特殊清掃というものについて、詳しくご説明します。

  • 特殊清掃って何?
  • 特殊清掃の基本的な業務内容とは?
  • 特殊清掃は自分で行える?
  • 特殊清掃を仕事にするには?

特殊清掃って何?

「特殊清掃」とは、清掃業の中のひとつの形態です。
「事件現場清掃業」とも呼ばれますが、それは、主に事件や事故、自殺、孤独死などがあった部屋を清掃するからです。

近年、急増しているのが、一人暮らしの高齢者の病死、また自殺や突然死などです。
一人暮らしの高齢者は周りとの交流がない人が多く、孤独死してしまっても周囲になかなか気づかれません。そして、そのまま長い時間が過ぎてしまうケースが増えています。

遺体は、発見が遅くなればなるほど腐敗し、室内のダメージが深くなっていきます。
遺体まわりの汚れだけでなく、部屋の隅々まで腐敗臭が染み込むなど、部屋が悲惨な状況となっていくわけです。

また、孤独死でない場合でも、いわゆる「ごみ屋敷」では、長年の汚れが染み付き、害虫なども発生し、酷い状況になっている住居が少なくありません。

部屋がこうなってしまったら、原状回復が必要になります。特に賃貸の場合は、部屋を明け渡さなくてはならず、急を要するケースが少なくありません。
しかし、このような場合、一般的な清掃作業では原状回復は望めず、素人にはとても対処ができないのです。

このようなとき活躍するのが特殊清掃です。様々な知識や技術を駆使し、管理会社や大家さんに明け渡せる状態に戻します。

特殊清掃の基本的な業務内容とは?

現場の状態によって必要な作業は異なりますが、基本的に行なわれている特殊清掃は以下のような内容です。

害虫駆除

遺体の腐乱が進むと、ウジやハエ、ゴキブリなどの害虫が大量に発生します。
これらの害虫を薬剤で駆除し、再発しないよう防止処置を施します。

室内の清掃・死臭元の撤去

まず室内を清掃し、遺体から出た血液や体液、汚物などで汚れた布団や畳などを撤去します。
死臭元は布団である場合が多いですが、畳や床板、フローリングまで死臭が染みついている場合があります。

 

感染症予防

汚れた部屋の空間には、細菌やウイルスが漂っています。血液などに誤って触れてしまうと、感染症を引き起こすことがあります。
専用酸化剤などを散布し、これらを死滅させて感染症を予防します。
また、撤去できないフローリングなどに染みついた体液をできる限り落とします。

特殊清掃用の薬品の使用

特殊清掃用に作られた消臭剤や消毒剤を使い、臭気を除去していきます。また、滅菌します。

遺品整理

故人の思い出の品や貴重品を仕分けていき、遺品を整理します。
業者によっては、不用だけれどまだ使えるものがあれば、リサイクル品として買い取りしてくれたり、自動車などの廃車手続きなどを代行してくれます。

不用品処分

故人の部屋を片付けると、大量の不用品が発生することがほとんどです。
家庭ごみから粗大ごみまで、さまざまな不用品を処分します。

リフォーム

長い間放置された遺体が発見された周辺は、消臭作業をしても原状回復に至らず、リフォームが必要となります。
特に、畳み受けの板や床材の内部まで液体が染み込んでいた場合、内装工事をするしかないケースがほとんどです。

特殊清掃は自分で行える?

特殊清掃を自分で行うことは無理です。
一番は臭気。慣れた業者でないと、腐臭に耐えられません。また、遺体はなくても、この場にいることが精神的に耐えられない遺族も多いようです。

このような大掛かりな清掃はご近所になるべく知られたくないものですが、素人では近隣にわからないよう行うことは難しいでしょう。

感染症などを防ぐためには防護服が必要となります。さらに、消毒や清掃は一度で済むわけではなく、何度も繰り返しながら行います。
その際、資格を持っていないと扱えない特殊な薬品や、一般には揃えることができないような道具が必要となることもあります。
自分の体を守りながら部屋を殺菌・清掃していく作業は、プロに任せましょう。

もし、あなたが特殊清掃の依頼人になったら……

いつ起こるかわからない孤独死。もし離れて暮らしている家族がいるなら、あなたも依頼人になる可能性があるかもしれません。
特殊清掃を依頼する側になった時の対処についてみてみましょう。

  • 遺族は原状回復の責任をどこまで負うべきか?
  • 遺族か? 連帯保証人か?
  • 清掃費用を抑えるためには?

遺族は原状回復の責任をどこまで負うべきか?

賃貸契約を結ぶ際には、ほとんどの場合、連帯保証人が必要ですよね。
保証人は血縁の人を選ぶ場合が多いのですが、もしあなたが連帯保証人を引き受けていた借主が亡くなった場合、どのような責任が生じるのでしょうか。
また、遺族に責任が及ぶことがあるのでしょうか?

遺族か? 連帯保証人か?

孤独死や自殺された事故物件は、原状回復しなければ次の人に貸せません。
原状回復が必要な場合、遺族と連帯保証人、果たしてどちらに責任があるのでしょうか?

一般的には遺族側が負担するケースがほとんどですし、連帯保証人も親族に限っていることが多いですね。
遺族は、相続放棄をすれば原状回復費用の支払い義務はなくなります。
しかし、連帯保証人は、保証人であるその責任から逃れることはできません。
遺族であってもなくても、連帯保証人となっている人は、たとえ相続放棄をしても、原状回復費用の支払い義務があります。

ただ、孤独死の場合、もし遠縁の親戚などを見つけたとしても、法的に費用負担の義務があるかどうか(相続権があるかどうか)は難しいところです。
だからこそ、賃貸の連帯保証人は近い血縁の人を選ばせることが多いわけです。

これは、日本では「身内が責任をとるべき」という考えが強く、親族を連帯保証人にすれば、責任をとってもらいやすくなるからです。

清掃費用を抑えるためには?

原状回復にかかる費用は、部屋の大きさや業者によって異なりますが、費用をできる限り抑えたいのは人情ですよね。
それには、優良業者を選ぶことが第一です。豊富な経験と知識があり、依頼者の立場に立った作業をしてくれる業者は、遺族の負担をなるべく少なくするよう、必要な作業だけを行います。

しかし、なかには本当なその必要がない状態なのにリフォームを勧めたり施工したりし、高額な請求をしてくる業者もいます。
できる限り複数の業者に問い合わせて見積もりを出してもらい、また、本当にこちらの立場に立って作業してもらえそうかどうか見分けることが大切です。

もし、あなたが大家さんだったら……

次は、逆の立場で考えてみましょう。貸している物件で孤独死や自殺が起こると、賃料や清掃費用、次の借り手が見つからないなど、さまざまな損害が出ます、
そのような場合、大家さんは遺族や保証人にどこまで補償を請求できるのでしょうか?

  • 請求できるのは?
  • いざという時のために

請求できるのは?

大家さんが請求できるのは、以下の費用です。

 

原状回復費用

原状回復のための特殊清掃費用です。状態によっては部屋のクリーニングだけでなく、備え付け設備の取り換えや内装工事費用なども請求することができます。

退去までの家賃

発見までに時間がかかることが多い孤独死や自殺。発見されるまでの間も、家賃は発生します。
家賃は遺族によって契約解除され、部屋を清掃して完全に退去するまでの家賃を請求できます。

賃料収入減少による損害賠償

貸している部屋で借主が亡くなると、事故物件となり、しばらくその部屋を貸すのが難しくなります。
さらに、噂が広まると引っ越してしまう人が出たり、次の入居者を確保しにくくなったりするため、アパートやマンションから全体で見ても賃料収入が減ってしまいます。
このような場合、借主の相続人に対し、損害賠償を請求できる可能性があります。

いざという時のために

近年、孤独死や自殺の問題はますます大きくなってきています。それに比例して、部屋の清掃や片づけの問題や責任の所在も大きくなっています。
身寄りのない住人が亡くなってしまうケースも少なくなく、全ての費用を大家さんが負担しなくてはならないかもしれません。

そんな事態に備えた新しい保険「賃貸住宅費用補償保険」が登場しています。
これは、所有する賃貸住宅戸室内での死亡事故に対して保障をしてくれる保険です。
この保険では、「家賃損害」と「原状回復費用」が保障されます。

家賃損害

次の入居者が決まるまで空き室になってしまうことによる家賃損害や、事故物件として値引きせざるを得なかった場合の家賃損害が補償されます。

原状回復費用

事故が発生した部屋を原状回復するための清掃、特殊清掃、室内の修復、遺品整理にかかる費用が補償されます。

安心で安全な賃貸経営をするために、このような保険を活用していくとよいでしょう。

核家族化、高齢化が進む日本。今後、特殊清掃の需要がますます高まって行くと予想されます。
特殊清掃に関して知っておき、いざという時に困らないよう備えておきたいものです。

遺品整理はいつから始める? コツとは⁉

遺品とは、故人が使用していた衣類や持ちもの・家具家電・趣味の品などのことです。日本では、遺品は故人を偲(しの)ぶものとして、遺族や故人の友人たちで分けることが習慣となっていました。しかし、現在は遺品整理をいつから始めたらいいのか、どうやって片付ければいいのか、と頭を悩ます人が増えています。特に、故人と遺族が別々に生活していた場合、遺品が多くなりがちです。
そこで、今回は遺品整理を始める時期の目安や、遺品整理の際に利用すると便利な業者などを紹介しましょう。

  1. 遺品整理の基礎知識
  2. 遺品整理の始め方
  3. 遺品整理の困ったを解決
  4. 遺品整理に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、遺品整理の方法や遺品整理を始める時期の目安がよく分かります。親が高齢な人や、終活に興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。

1.遺品整理の基礎知識

はじめに、遺品の定義や遺品整理の方法などを解説します。なぜ、近年は遺品整理に悩む人が増えているのでしょうか?

1-1.遺品とは何か

前述したように遺品とは、故人が使っていた衣類・家具家電・趣味の品などです。現金や有価証券・不動産など遺産以外のものすべと考えると分かりやすいでしょう。しかし、遺品の中には骨董品(こっとうひん)・美術品・ホビーなど、換金性の高い物品もあります。これらの遺品は、遺産に分類されることもありますので、勝手に処分せずに専門家に鑑定を依頼して、価値をはっきりさせましょう。

1-2.遺品整理の必要性と目的

個人の持ちものが少なかった時代、遺品は親族や友人で分ければ整理できました。しかし、現在は遺品の数も多くなり、形見分けでは遺品のすべてを片づけることは難しくなっています。また、遺品をすべて取っておくスペースがない、というご家庭も多いことでしょう。ですから、遺品を必要なものと不要なものとに分け、正しく処分する必要があります。また、遺品整理を行っておけば、形見分けもスムーズに進むでしょう。

1-3.遺品整理の悩み

現在の、70代・80代は、ものが多いほど豊かであると考える世代です。使わなくなったものでも捨てられずにずっと取ってある、ということも珍しくありません。そのため、膨大な量の遺品が残され、子や孫が片付けに追われるというケースも多いのです。また、近年は自治体のゴミ分別のルールも厳しくなり、なんでもゴミとして捨てられる時代ではありません。業者に処分を依頼すれば、お金もかかります。
また、両親が離婚し、何年も音信不通だった父親(母親)が亡くなったので遺品を片づけて欲しいといきなり連絡がきて困った、というケースも多いのです。

2.遺品整理の始め方

この項では、遺品整理を始める目安などについて解説します。いつから始めればよいのでしょうか?

2-1.遺品整理を始める時期

遺品整理は遺産相続とは異なり、いつから始めなければならないという決まりはありません。遺品の量や遺品が残されている場所によって、遺品整理を始める時期を決めましょう。持ち家で遺族が近くに住んでいるという場合は、四十九日を一つの目安にしてください。四十九日がすめば次は一周忌まで行事もなく、弔問に訪れる人も一段落します。気持ちも落ち着いてきますから、故人と対話をするような感覚で行いましょう。
遺族が遠方に住んでいて遺品整理をする時間が限られている場合は、四十九日前後に一気に行うといいですね。遺品整理は人手が多いほど早く進みます。四十九日の法要で親戚が集まっている場合は、彼らの手を借りて一気に行ってしまいましょう。不用品を処分するだけでも行っておけば、あとの整理も楽です。
故人が賃貸住宅に住んでいる場合は、可能な限り早く退去しなければなりません。家賃を払えば物件を借り続けることができるケースもありますが、時間がたつほど費用がかさみます。この場合は、葬儀が終わった後にすぐ遺品整理を行いましょう。明らかな不用品だけを処分し、必要なものをまとめてトランクルームに移しておけば、後でゆっくり整理もできます。

2-2.早めに遺品整理を行った方がよい場合

遺品の中に金銭的な価値が高いものが含まれている可能性がある場合、遺産相続に影響する可能性があります。遺産相続による所得税の申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内に行わなければなりません。遺品を売却した結果、かなりの金額になる可能性が高いという場合は、遺品を遺産扱いにして分割した方がトラブル予防になります。
逆に、借金を相続する可能性がある場合も、遺品整理を早めに行い、故人の借金額を把握しておきましょう。相続をすると借金支払いの義務が生じます。3か月以内に相続放棄をすれば、借金を受け継ぐ必要はなくなりますが、現金や土地などの遺産もすべて相続できません。
さらに、前述したように賃貸住宅に故人がすんでいた場合も、早めに遺品整理を行いましょう。

2-3.遺品整理をスムーズに行う方法

遺品整理は、人手が多いほど早く進みます。故人が持ち家に住んでいて遺族が近くに住んでいる場合や、故人が遺族と同居していた場合以外は、できるだけ人数を集めて一気に行ってください。
また、どうしても捨てられないものだけを真っ先に選別すれば、後は踏ん切りがつきやすいでしょう。フィルム写真やビデオの映像は、デジタル化してDVD-ROMなどに移せば、場所も取らずに保存できます。思い出の品などは、写真に撮影して現物は処分してもいいでしょう。

3.遺品整理の困ったを解決

この項では、遺品整理の際に発生しがちな困りごとやその解決方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.遺品整理で起こりがちな困りごと

遺品整理で起こりがちな困りごとには、以下のようなものがあります。

  • 遺品が大量にあり、いつまでたっても片付けが終わらない
  • 人手が足らず、遺品整理が進まない
  • 故人がゴミ屋敷を作ってしまい、素人では片付けられない
  • 遺品の価値が分からず、うっかり処分できない
  • 自治体のゴミ回収ルールが厳しく、遺品の処分が進まない

これらの解決策を、次の項からご紹介していきましょう。

3-2.生前整理をしよう

現在、終活の一環として生前整理を行う人が増えています。生前整理とは、持ちものを見直して本当に必要なものだけを残すやり方です。特に、戸建ての持ち家に住んでいる場合、収納スペースがものでぎっしりというケースは珍しくありません。これらの処分を子や孫に押し付けないよう、自分で処分しましょう。
また、骨董や美術史品・古書・ホビーなどをコレクションしている人は、それらの価値を分かりやすいようにまとめておくといいですね。そうすれば、余計なトラブルを防げます。また、コレクションを遺族以外に譲りたい人がいる場合は、その旨もきちんと記しておきましょう。

3-3.遺品整理業者を利用する方法

遺品が大量にあって個人では処分できないという場合や、遺品整理をする時間が十分に取れない場合は、遺品整理業者を利用してみましょう。遺品整理う業者には、それを専門に行っているところと、不用品回収業の一環として行っているところがあります。遺品整理を行う業者に依頼すれば、遺品の処分だけでなく供養も行ってくれるので大変便利です。また、近年は「遺品整理士」という民間資格もできました。遺品整理士が所属している業者ならば、遺品に敬意をもって接してくれ、相続に関する相談などもできます。
また、業者に依頼すれば自宅まで片付けに来てくれるので、人手が足りないときも便利です。さらに、ゴミ屋敷が残された場合は、プロの手を借りなければまず片付きません。積極的に利用しましょう。

3-4.注意点

遺品整理の仕事はまだ歴史が浅く、相場が定まっていません。しかし、ゴミ屋敷の片付けなどを依頼しない限り、びっくりするほど費用が高額になることはないでしょう。依頼したい場合は、まず見積もりを作成してもらい、納得したら契約してください。また、口コミサイトで業者の評判を確かめてから利用するのもおすすめです。

4.遺品整理に関するよくある質問

Q.遺品に家具や家電があった場合、売却はできますか?
A.ブランド家具や製造後5年以内の家電は値段がつくことがあるでしょう。遺品整理を請け負っている会社の中には、買い取りをしてくれるところもあるので、相談してみてください。

Q.音信不通の親がいますが、いきなり遺品整理を依頼されました。断ってもいいですか?
A.遺産を相続しなければ、それを理由に断ることはできます。

Q.遺品整理を早く行うメリットはなんですか?
A.ものは、時間がたつにつれて劣化して価値がなくなっていきます。家を取り壊す場合や賃貸に出す場合も、遺品が残っていては行えません。

Q.仏壇をはじめとする宗教の道具も処分することはできますか?
A.仏壇は、菩提寺に御霊抜き(みたまぬき)を行ってもらえば、ゴミとして処分可能です。遺品整理業者に引き取って供養してもらうこともできます。

Q.美術品や骨董品など以外に、高値で売却できるものはあるでしょうか?
A.おもちゃ類や、カードゲーム類は高値がつく可能性があります。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は遺品整理を始める目安などを解説しました。人が亡くなると、一周忌まで慌ただしい時期が続きます。遺品整理を行う気力が、なくなる可能性も十分にあるでしょう。ですから、60歳を過ぎたら自分の身辺を整理する生前整理はとても大切です。ぜひ、実践しましょう。

初めての遺品整理。どうしたらいい?

遺品は亡くなった人が人生を生き抜いた証です。なかなか捨てられない反面、いつまでもそのままにしておくわけにはいきません。残された周囲の人が遺品を整理する必要があります。精神的なショックはあると思いますが、遺品整理は心の整理にもなります。
今回は初めての遺品整理の前に、自分で遺品整理を行う手順や業者に依頼するときの注意点、遺品の保管方法などについて詳しくご紹介していきます。

なぜ遺品整理が必要

気持ちの整理

親しい方が亡くなったときのショックはとても大きく、悲しいものです。故人の形見である遺品を見ると思い出に浸ったり、辛い気持ちになったりすることも多いでしょう。ただ遺品を処分するのは勇気がいることで、すぐには手放せない場合も多いと思います。亡くなった人が大切にしていたものを、勝手な判断で捨ててしまって良いものかと、抵抗を感じる人は多いでしょう。

しかしいつまでも遺品を眺めていても、故人にとっても自分たちにとっても健やかな生活を送ることはできません。遺品整理も故人の供養の1つです。気持ちに区切りを付けるためにも、遺品整理は欠かせません。

住居の賃貸契約解除とごみ屋敷防止

賃貸マンションやアパートにお住まいの方が亡くなるとは、契約を解除する期限がのためにも一刻も早く部屋をきれいにしなければなりません。また賃貸物件の借主が亡くなった場合も、明け渡し期限を考慮しなければいけないケースもあります。持ち家の方も、そのまま放置するとごみ屋敷になって近隣の方に迷惑をかけてしまう可能性もあります。各種トラブルを防ぐためにも、なるべく早く家をきれいにしましょう。

相続手続きの必要性

ご家族が亡くなられた場合、仏事以外にもやらなければならないことが出てきます。1番大きくのしかかるのは、相続の問題です。亡くなられた方が資産を所有していた場合、法的な手続きも必要です。特に宝石などの貴金属類はコレクターの方が亡くなられた場合、届出や相続手続き、相続税に関する手続きの必要があります。中には届出期限が定められているものもあります。なるべく早めに遺品整理に取り掛からないと、損をすることもあるのでスピーディーな対応が求められます。

遺品整理の方法

遺品整理には、大きく分けて2つの方法があります。「自分で行う方法」と「業者に頼む方法」です。まず双方のメリット、デメリット、注意点などを紹介していきます。

自分で行う

遺品整理を自分で行う最大のメリットは、遺品の整理を行ううちに自分の心に整理がつくということです。必要なもの、不要なもの。一緒に過ごした家族だからこその目線で分類することができるため、故人の大切なものや資産を見つけやすいからです。心をこめて丁寧に整理することは、故人の供養にもなります。また費用を安く抑えられるのも自分たちで行うメリットです。

しかし遺品整理を自分で行う場合、気持ちの整理がつかないと辛いというデメリットがあります。遺品をひたすら整理していく作業というのは、精神的に負担がかかるものです。1つ1つ手に取っていると故人との思い出に浸り、時間もかかってしまいます。余裕がある場合は構わないのですが、賃貸契約の期限が迫っているときなどは、作業をスピーディに終わらせなければなりません。時間と手間を考えて、業者に依頼する人が多いのも事実です。

業者に頼む

故人が遠方に住んでいた場合でも、遺品整理のために現地へ出向くことなくスムーズに終えられます。また遺品整理は体力的にもかなりの負担がかかります。ベッドやタンスなどの大きなものはなかなか運び出せません。加えて遺品への思い入れが強い場合は、気持ちの強さから作業をなかなか進められないこともあるでしょう。そのような状態で無理に遺品整理をしようとすると、今度は精神的な負担も大きくなってしまいます。遺品整理業者に依頼すると、重い家財をスムーズに運んでもらえるうえ、作業も捗り、体力的・精神的な負担の軽減が可能になります。

しかし、遺品整理のための費用が発生することには気をつけなければなりません。個人で行えばゴミ袋代や粗大ゴミ所分料くらいしかかからないところ、業者に依頼すると高ければ数十万円単位で費用が発生してしまいます。また遺品が雑に扱われてしまう可能性も否めません。遺品整理業者のサイトなどでは、「真心こめて整理します」「誠実に取り組みます」といった言葉が目につきますが、実際そのように作業してくれているかどうかは、業者や作業員次第です。中には悪質な業者もあり、遺品を雑に整理したり見積もりの何倍もの料金を請求してきたり、トラブルも目立っています。業者選びは慎重に行なう必要があります。

自分で遺品整理するときに気をつけること

 

事前に準備するもの

・軍手、マスク
・ごみ袋(自治体指定のものがあればそれを使用)
・ダンボール
・ガムテープ、ひも
・ほうき、ぞうきん、バケツ
・サインペン
・カメラ(整理前と整理後を撮影)

遺品整理の流れ

自分で遺品整理を行う際のおおまかな流れは、「選別→分類→売却・処分・保管」です。
まずは故人の持ち物を把握し、貴重品や形見になるものは保管していきます。保管の方法については後述しますが、「保管するもの」「不要なもの」と分けていきます。

処分するもののうち、買い取りしてもらえるものは売却し、リサイクルできるものは分別・処分していきます。大きな家財などは運べる程度に分解し、不用品は粗大ゴミとして処分しましょう。その際、粗大ゴミ回収日の確認を忘れないようにしましょう。
作業は、2人1組で行うとスムーズに進みます。1人が収納からものを出し、もう1人が袋に詰める、という風に分担すれば効率的です。

保管・保存方法

保管するケース

親族で形見分けをして、それでも残ったものは保管する必要があります。写真や手紙など「自分が持っていて良いのかわからないけれど捨てられない」ものや、「大きな家財で今は使わないけど将来的に使いたい」といったものなどは、処分の対象外です。{保管する」という道を選びましょう。

保管の流れ

小さいサイズのものは、ダンボールに入れて保管しましょう。その際、防腐剤や防カビ剤を入れるのを忘れないようにしましょう。

家財や大きいものは、物置や納戸に片付けましょう。ホコリが付かないように、カバーをかけたりビニールでくるんだりするのを忘れないようにしましょう。ただ大きいものは場所をとる上、保管が難しいのも事実です。いつか使うかもしれない遺品だけれど今は捨てられない。そういったものを保管するのにぴったりなのが、トランクルームです。

トランクルームを使用

 

遺品整理に向いているトランクルーム

トランクルームとは、レンタルできる貸スペースのことです。個人で借りることができ、利用料を支払うことで使用できます。セキュリティレベルが高く、安心度が高いことで近年利用率が高まっています。

遺品整理に向いているトランクルートとして、屋内にあって湿気や天候・気候の影響を受けにくいと、故人の持ち物をより当時のままで保管することができます。また遺品を管理する親族全員の中間地点にあると、いざというときに便利です。公平に順番でメンテナンスをすることも可能です。

事前にやっておくこと

トランクルームに荷物を収納するにあたり、最低限メンテナンスをしておきましょう。汚れをふき取ったりホコリを取り除くことで、長くきれいに保管できます。有価証券や生もの、危険物がないことを確認したうえで、段ボールに詰めていってください。写真などの小物は袋に入れてまとめると、取り出すときに便利です。段ボールに詰め終わったら遺品の重さを量ってください。トランクルームを借りる際に、それに合った広さのものを探すことができます。

トランクルームの利用方法

トランクルームは、インターネットで検索することで見つかります。グーグルで検索をすると全国各地のトランクルームを紹介しています。条件を設定して検索すれば、立地・料金・スペースの広さなどが分かり、自分に最適なトランクルームが見つかります。そのままクリックするだけで利用できます。ただしトランクルームは、基本的に月単位・年単位での契約です。日にち単位で預けることはできないため、注意が必要です。

故人の遺品整理中に出てきたクレジットカード、こんな時どうするのか

みなさんこんにちは!
最近の記事では大きな家具の事や趣味のものなどをどのように扱うまたは処分するのかをお話しいたしましたが、今回はクレジットカードや年金手帳、免許証などの取り扱いについてお話をいたします!

故人の遺品を整理していると、思いがけない物や、どう片付ければいいのか困るものが、たくさん出てくると思います。
全てをゴミとして処分するわけにもいかず、かつ全てを遺族で引き継ぐわけにもいかないので、それぞれ残す物・捨てる物の判別が重要になってきます。
一方で、法的に処分方法が決まっている物も多数あります。その多くは、個人情報に関するものです。
平成15年(2003年)5月に公布され、平成17年(2005年)に全面施行となった「個人情報の保護に関する法律(通称「個人情報保護法」)では、「個人情報」とは次のように定義されています。

遺品のなかから個人の運転免許証、保険証、パスポートなどが出てきた場合も同様です。
多くは、それぞれ担当の行政機関に返却する必要が出てきます。
ただし、対処の方法を知っておけば、それほど難しいものではないので、親御さんや身内の方が亡くなった際はぜひ注意しながら対応を進めてください。

クレジットカードについて

現在、日本におけるクレジットカードの普及率は80パーセントを超えています。
先進国の中ではそれほど高くない数字のようですし、また持っていても使わないという人も多いとのこと。
もちろんスマートフォンの機能による支払いが増えていることも影響を及ぼしているでしょう。それでもクレジットカードは便利なものです。
特に定年後、海外に行く機会が増える高齢者も、クレジットカードを持っている人が多いのではないでしょうか。
また、電気・水道・ガスなどの公共料金をはじめ、各種支払いをクレジットカードによる引き落としにしている人かと思います。
さらに年会費なども引き落とされるため、使用者が亡くなったあと、すぐに解約しなければ無用な請求が来ることになります。
遺品整理で故人のクレジットカードが見つかった時は、次のように対応してください。

<クレジットカードの解約>
解約期限: 亡くなった日から1カ月以内
届出先: クレジットカード会社
必要書類: 退会・解約の書類
※亡くなったことを証明する書類が必要な場合もあり

カードを解約しても、まだ残金があれば支払わなければなりません。
その際は相続人が支払うことになりますので、必ず残金もクレジットカード会社に確認してください。

健康保険証

個人情報に関するもので、最も遺品のなかから見つかる可能性が高いのは、健康保険証でしょう。
日本は「国民皆保険」といって、生活保護の受給者を除く全国民、1年以上の在留資格がある外国人は、公的医療保険に加入することが法律で定められています。
戦後に保険制度が整備され、昭和36年(1961年)にはこの「国民皆保険」が成立しました。
医療保険制度には、社会保険事務所や健康保険組合が発行する「健康保険」(社会保険/社保)と、市区町村が管轄する「国民健康保険」(国保)の2種類があります。
多くは勤務先を通じて社保に加入しており、健康保険に加入していなければ国保に加入することになります。
いずれの保険証も、亡くなった際に返却することになりますが、担当窓口が異なるので、それぞれ期日も違いますので注意してください。

<健康保険>
返却期限: 亡くなった日から14日以内
返却先: 勤務先

<国民健康保険>
返却期限: 資格喪失日の翌日から5日以内
返却先; 市区町村の窓口
※「資格喪失」とは勤務先の変更、退社、生活保護の受給開始などを指す。この場合、被保険者が亡くなった場合も含まれる。

どちらの保険も、保険証を返却するのみで、その他に提出が必要な書類はありません。
ただし保険料に未払いがある場合、被保険者が亡くなっても、相続人が支払うことになります。
相続についてはこちらをご参照ください。

ほかにも高齢者が亡くなった場合に多い、被保険者証についてもご紹介します。

<介護保険>
返却期限: 資格喪失の翌日から早めに
返却先: 市区町村の窓口
必要書類: 資格喪失届、介護保険被保険者証

<後期高齢者医療保険>
返却期限: 資格喪失の翌日から早めに
返却先: 市区町村の窓口
必要書類: 資格喪失届、後期高齢者医療被保険者証

年金受給を停止

年金には厚生年金(厚生年金保険)と国民年金の2種類があります。
厚生年金は会社(法人)に勤務している70歳の人が加入しているもので、国民年金は自営業や社員数5人以下の個人事業主などが入っている年金です。
つまり基本的には国民全員が加入しているものなので、遺品整理の際には必ず注意しておかなくてはならないものだと言えるでしょう。
加入者が亡くなった場合、年金受給の停止を届けなければいけません。それぞれ対応方法は次のとおりです。

<厚生年金>
届出期限: 亡くなった日から10日以内
届出先: 年金事務所
必要書類: 年金受給権者死亡届、故人の年金証書、亡くなったことを証明する書類(戸籍抄本、死亡診断書など)

<国民年金>
届出期限: 亡くなった日から14日以内
届出先: 年金事務所
必要書類: 年金受給権者死亡届、故人の年金証書、亡くなったことを証明する書類(戸籍抄本、死亡診断書など)

運転免許証

日本において運転免許証とパスポートは、保険証以上に個人の証明書として重要なものです。個人情報とともに写真が掲載されているからです。
どちらも原則的に返却期限はありません。どちらも更新手続きを行わないと失効になります。しかし放置していては悪用される恐れが大きい物です。
そこで故人の遺品を整理している時に、運転免許証とパスポートが出てきた場合、すぐに対処したほうがよいでしょう。印鑑証明書も同様です。
いずれも担当窓口へ返却することになります。

<運転免許証>
返却期限: 基本的にないが、できるだけ早く
返却場所: 警察署
必要書類: 運転免許証、亡くなったことを証明する書類(戸籍抄本、死亡診断書など)

<パスポート>
返却期限: 基本的に期限はないが、できるだけ早く
返却場所: 各都道府県庁の旅券課窓口(パスポートセンター)
必要書類: パスポート、亡くなったことを証明する書類(戸籍抄本、死亡診断書など)

<印鑑登録証明書>
廃止期限: 亡くなったあと早めに
提出先: 市区町村の窓口
必要書類: 印鑑登録証明書、登録している印鑑、印鑑登録廃止申請書

故人の家・部屋を片付ける場合には、シュレッダーがあると非常に便利です。
業務用シュレッダーがあれば、紙類だけでなくDVDや、クレジットカード、マイナンバーカードも細かくしてから廃棄することが可能になります。するとゴミ袋も少なくて済み、個人情報の漏えいも防ぐことができます。
とはいえ業務用シュレッダーは、高価なものです。
一般家庭用であれば数千円で購入できますが、業務用となれば価格は数万円です。
そこでシュレッダーの貸し出しを行っていたり、あるいはシュレッダー作業を請け負う業者を利用してみるのも、ひとつの方法でしょう。
清掃業者や遺品整理業者であれば、業務用シュレッダーを持っていることが多いです。

個人情報の保護は、行政だけでなく各個人も十分に注意しなければならないものです。
故人の情報はなおさらのこと、大切に扱わなければ供養もできません。
各市区町村や業者に協力を求めながら、故人の個人情報をしっかり守ってください。

大きな家具や家電は処分だけではなく買い取りも行っております!

みなさんこんにちは!
今日は遺品整理時に伴う大きな家具や家電の取り扱いについてすこしお話しようかと思います!

遺品整理というと、衣類や食器など日常生活で使用する小さなものや書類、故人の趣味のもの等を整理していくイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
もちろん、そういった物を整理することも我々遺品整理業者の重要な作業ですが、それだけではありません。当然ながら遺品のなかには、ソファーやベッドなど家具など大型の物も含まれており、遺品整理の際には処分をしなければなりません。
しかし、大型なものが多いゆえに処分に困る遺族も多くいます。
遺品として出てきた大型の家具などは、処分や買い取りも一括して行うことができます!

大きな家具について(衣類棚や食器棚等)

家族を亡くした遺族は葬儀や法要など、様々なことを行わなければならず、手続きなども多く行わなければいけません。遺族は悲しみにくれるなかでも、そういった作業追われるものです。
そんななかでも、遺品整理には大変な労力が必要です。 たとえば故人と遺族が同居していた場合ですと、自宅内にある衣類などを整理するだけで構わないかもしれません。家具などは遺族がそのまま使っていくものだからです。

しかし、今は一人暮らしの高齢者などが増えている時代。もし、故人が一人暮らしをしていたのであれば、大きな家具も全て整理しなければならないケースもあります。
これは遺品整理において、遺族を悩ませるひとつの要因ともなっています。
家具はタンスや食器棚など、大型のものが多くなります。そのために運搬も大変で、かといって家庭ごみとして処分することもできません。
では、遺品としての家具の処分方法にはどのような方法があるのでしょうか。

大型ごみを役所に頼んで処分してもらうには

一般的なごみであれば無料で回収されますが、大型のもの=粗大ごみとなれば当然、費用が発生してしまいます。
役所で処分してもらう場合は、比較的安価で処分してもらうことができますが、役所の場合は自宅内からの搬出などは請け負ってくれませんので、どんなに大型の家具でも自力で搬出しなければいけません。
また、土日に対応してもらえるところも多くはなく、土日しか休みが取れないという人には利用しにくくなります。

専門業者に依頼をして処分してもらう方法
業者に依頼した場合は、搬出も行ってもらえますし、業者によっては土日でも対応してもらえます。しかし、そのぶん料金が役所よりも高くなっています。

不用品回収を活用してみる!

次に大型の家具を処分する方法として挙げられるのが、不用品として回収してもらう方法です。不用品回収は粗大ごみとして処分する方法と似ています。
不用品回収はあくまでも回収してもらうものなので、業者に依頼をすることが主な方法となります。

費用は粗大ごみとして処分するよりも少し安い程度であり、それほど大きな違いはありません。
しかし、なかには宅配業者が不用品回収を行っている場合もあり、費用が一切かからないというサービスもあります。
大型の家具を処分する際に費用を抑えたいという時には、こういったサービスを行っている業者を探すとよいでしょう。

また、家具は日常的に使うものとは言え、故人が使っていた物であるため、ごみとして処分することに抵抗があるという人もいるでしょう。
そういった場合にはお寺などに依頼して、供養をしてもらった後にお焚き上げなどをしてもらうと、遺族の気持ちの負担も軽減されます。

リサイクルショップ等の買い取り業者に頼んでみる

ここまで大型の家具が遺品として出てきた場合の処分方法を見ていきましたが、もう一つ方法があります。それが買取ってもらうという方法です。

以前から自分の持ち物で不要になった物はリサイクルショップやフリーマーケットで販売する、という方法が取られていました。
最近では物を売買できるインターネットサービスが開始され、不要になった物を販売することは一般的に普及しています。

このような、“物を大切にする”気持ちは、遺品整理でも取り入れたいところです。
リサイクルショップのなかには、大型の家具でも買い取ってくれるところもあるので、そういった店を探して買い取りしてもらいましょう。
家具の搬出や運搬を遺族自身で行わなければならない場合もありますが、もちろん搬出や運搬もサービスとして行ってくれる店もあります。
また、店によっては買取りできない家具もあるので、買い取りを検討している家具が買取り対象になっているかを確認しておくことも大切です。

私たち遺品整理業者を活用する場合について

ここ数年、遺品整理業者に遺品整理を代行してもらう人が増えています。
遺族は遺品の処分方法の最終判断だけを行えばよくなるため、負担は最小限に抑えられます。
また、業者の持つプロの技や知識などを活用して作業が行われるので、遺族だけでは数日かかる作業も短時間で済ませることができます。
遺品のなかに大型の家具が含まれているケースだと、さらに遺品整理業者の力が必要になるかもしれません。

まず遺品整理業者の多くは大型の物や大量の物を運ぶために運搬車を所有しています。そのため、大型の家具であっても搬出から運搬まで行ってもらえるのです。
さらに、粗大ごみや産業廃棄物の処分方法に関する専門知識もしっかりと持っており、適切な方法で処分してもらえるというのも、遺品整理業者に依頼をするメリットでしょう。

遺品整理業者によっては家具などの遺品の買い取りまでを行ってくれる業者もあります。
つまり、遺品整理業者に依頼をすることで、大型の家具の処分方法である「粗大ごみとしての処分」や「不用品としての回収」「リサイクル品として買い取ってもらう」という3つの方法全てに対応してもらうことができるということです。

しかしながら、遺品整理業者の需要が高まっているため、多くの業者が営業を開始しており、そのなかに悪徳業者が紛れていても気づかずに依頼してしまう危険性も高くなっています。

もちろん遺品整理だけを遺品整理業者に依頼して、家具の買い取りは買い取り業者に依頼するという方法もありますが、各業者に連絡をして見積もりや査定をしてもらわなければならないため、そのぶん労力を要するというデメリットはあります。
そこで全ての作業を遺品整理業者に依頼する場合、遺族は遺品整理業者だけに依頼をすれば済みます。また、一括であれば低価格で作業をしてもらえる可能性もあります。

現代は様々なサービスが増え、利用者は非常に楽をすることができるようになりましたが、その反面、サービスの使い分けに気を遣わなければならなくなりました。
きちんとした方法を見定めて、遺族も故人も喜ぶ遺品整理を行ってください。

遺言書について

みなさんこんにちは!
今日は遺品整理で最もご質問が多い遺言書についてお話します!
整理中に出てきて親族一同急遽集まって話をするなど、故人が用意していたにも関わらず、どこにしまってあるか知らされていない場合も多いのです!

今日はその遺言書についてや書き方、最近巷で噂のエンディングノートについても少しご紹介していきます!

自分が死ぬことを考えるのは、つらいものです。
でも、それ以上につらいのは、自分の死後、大切な家族や兄弟が争うことではないでしょうか?

そんなことが起こらないよう、元気なうちに遺言書を書いておくのは大切なことです。
でも、気をつけてください。せっかく書いた遺言書が無効になってしまうケースがあります。
スムーズに相続を行うため、遺言書について知っておきましょう。

遺言書とは

残された家族や親族に伝えておきたいこと、生前の希望などを伝えてくれるのが「遺言書」です。
ここで注意しておきたいのが、「遺書」と「遺言書」の違い。この2つは、言葉は似ていますが、全く違うものなのです。

「遺言書」は、民法で定められた法的な文書です。
書式、作成方法、効力、内容に至るまで、細かくルールが決まっています。

この指定された形式に則って書かれた遺言書の内容は、守らなくてはなりません。
もちろん、遺言者以外の書き換えも厳禁です。
内容を書き換えると、遺言書が無効になるばかりか、罰則を受けることもあります。

遺書について

「遺書」とは、自分の意思を誰かに伝えるための私的文書です。書式や内容に法的な決まりはありません。
レポート用紙への走り書きでも、手紙でも、ビデオメッセージや音声テープなどでも、どんな形式でも大丈夫です。

その代わり、法的な効力も一切ありません。
遺書で伝えられる内容は、残された人たちへのメッセージだけなのです。

遺言書を書く前に注意してほしいこと

遺言書を作成する前に、自分が所有している土地建物、預貯金や有価証券といった財産がどれだけあるのかを明らかにした「財産目録」を作っておきましょう。
家族にはわかりにくい財産として、ネット上での株取引やマイナスの財産(借金)があります。こちらも明らかにしておきます。

法律の上では、財産目録を作成する義務はありません。
しかし、スムーズな相続のため、作っておくことを強くお勧めします。

遺産を相続するときは、相続人全員で「遺産分割協議」を行うのが一般的ですが、もしも故人の財産がどれだけあるか知っていた人と、知らない人が存在したらどうでしょうか?
実はまだ隠し財産があるのではないか、自分の取り分が本当に正しいのかといった疑念が生まれて、トラブルになる可能性があります。

自分の死後、相続人同士が争うのは悲しいですよね。
生前整理の一環として財産目録を作成しておき、何がどれだけあるのかをハッキリさせておきましょう。

遺言書が無効!?そんなことにならないために

自筆証書遺言の場合について

  • パソコンやワープロなどで書いてある
  • レコーダーなどで録音したもの、ビデオなど
  • 遺言者以外が書いている、また2人以上の共同で書かれている
  • 押印や日付の記載がない
  • 「○○年吉日」など日付が特定できない
  • 遺言作成の日ではない日付が記載されている
  • 署名がない、あるいは遺言者以外が署名している
  • 相続する財産の内容が不明確な遺言書

など。

自筆証書遺言は、民法968条において
「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない」
と定められています。
自筆証書遺言を残す場合は、ルールをよく理解し、文例などを参考にしながら慎重に作成しましょう。

公正証書遺言の効力が無効になる例

公正証書遺言は、公証役場で作成するため、最も確実な遺言書の作成方法です。
そのため、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けることなく、即座にその内容を執行することができるほど信頼が高い書類です。
それでも、無効となってしまうケースがあるのです。

法律上では、公正証書遺言は遺言者が記載したい内容を公証人に口頭で伝え、それを聞きながら公証人が遺言書を作成するよう定められています。これを「口授」といいます。

ですが、これでは時間がかかってしまうため、実際は事前に公証人と遺言書の記載内容について打ち合わせをして、そこでほとんどの内容を決めてしまいます。

そのため、遺言書は作成当日までにほぼ出来上がっており、作成当日はその内容を公証人が遺言者に確認し、問題ないかどうか訪ねる程度になっています。
あとは遺言者が「はい」と答えれば公正証書遺言は完成するというわけです。

ということは、もし遺言者が認知症やアルツハイマーにかかっていたとしても、「はい」と言えさえすれば、公正証書遺言が完成してしまうことがあるのです。
つまり、悪用しようとすれば、いくらでもできるわけです。

遺言書自体がいくら所定の書式に則った適切なものであっても、作成当時に遺言者に遺言能力がなかったことが証明されれば、その公正遺言書は根底から覆り無効となります。

公正証書遺言をより確実なものとするため、必ず自分自身の口から遺言内容を公証人に伝える「口授」の手続を確実に行いましょう。

証人に関する不備

公正証書遺言を作成する際には、必ず2名の証人を自分自身で手配しなければなりません。
証人には特別な資格は必要ありませんが、次に該当する人は証人になれません。

  • 未成年者
  • 推定相続人、受遺者及びその配偶者、直系血族
  • 遺言を作成する公証人の配偶者、四親等内の親族、公証役場の職員

もしも、これらの人を証人として公正証書遺言を作成してしまうと、その時は分からなくても、将来的に相続人から指摘され、遺言書が無効となってしまう可能性があります。
証人は、これらに該当する人には絶対に依頼してはいけません。

また、証人のどちらか、または両方が遺言書作成の途中で席を外した場合など、証人に不備がある公正証書遺言なども無効とされるケースがあります。

エンディングノートを書く意味について

過去にも、形式不備により自筆証書遺言としては無効であるとされたにもかかわらず、死因贈与契約が成立していたとして、遺言書の内容通りに相続が行われた裁判例があります。

ここで大切なのは、遺言者が受贈者に対して遺言の内容を伝えており、また受贈者がそれに対して承諾していることを認定することです。
もしも、贈与者が一方的に「あげるよ」と言っていただけだったり、受遺者が「私がもらえるはず」と思っていただけでは成立しません。
贈与者と受遺者との間で意思の合致と、その証明が必要です。

このような例では、エンディングノートを活用することができます。

 

繰り返しになりますが、死因贈与契約は、贈与者と受遺者との間での意思の合致が必要です。訴訟において死因贈与を主張する場合は、その成立を立証しなければなりません。
そのような場合に備え、エンディングノートを活用するのです。

もし、生前にAさんが「私が死んだら、預貯金○円をB子に与える」とエンディングノートに記載し、内容を説明の上、B子さんに渡したとします。
これは、死因贈与契約の「申し込み」に当たると考えられます。

そして、B子さんがこれを受け、わかりましたと返事をすれば、「承諾」に当たるものと考えられます。
つまり、2人の間で死因贈与契約が成立すると考えられるわけです。

もちろん、裁判においては様々な例がありますので、全てが認められるというわけではありません。
けれども、遺言書の形式上の不備だけで遺言内容の実現を諦めるのは早いと言えます。

遺言書を作成する場合は、まずは定められた形式に従って慎重に書くことが一番です。
しかし、万一の場合でも、諦めずに弁護士など専門家に相談してみましょう