遺品整理の際に新たに金品が見つかったら誰が相続するの?

遺品整理は遺品整理業者に全て任せるという方や遺品整理業者と一緒にご遺族で行うといったケースも少なくありません。

遺産分割や相続税の納付なども済ませた段階で、生活品の片付けやお部屋のお掃除を兼ねて行うという方もいれば、遺産分割の対象になるものがないかや遺言書などが紛れていないかの発見もかねて、お亡くなりに合った後、比較的早い段階で行われる方もいることでしょう。

相続税の納付は相続を知った日の翌日から10ヶ月内という期限がありますが、遺品整理には期限もなく、いつ行うかは自由です。

中には大切なご家族が亡くなったショックや思い出が詰まった部屋をそのままにしておきたいと、10年も30年も経過してから行う方もいます。

では、タイミングはいつにせよ、遺品整理の作業中に遺族が念頭に置いていなかった現金や高級時計、預金通帳などの金品類が見つかったら、それは誰のものになるのでしょうか。

この点、遺品整理業者が見つけたとしても、発見者の手柄にはなりません。

遺品整理業者はあくまでもご遺族のために行っており、遺品は全てご遺族が相続した相続品だからです。

遺産分割協議をして個々の財産に分けない限りは、相続人全員の共有物となります。

つまり、新たに見つかった金品類は相続人の共有となるのです。

道端に落ちていた拾得物の発見のように、見つけた金品の一部をお礼した方がいいとか、誰のものか分からずに半年経過したら、発見した人のものになるといったことはないので安心しましょう。

あるはずがないと思っていた大切な金品類を発見してくれたと、チップをはずみたくなるのは自由ですが、遺品の発見はそれこそ遺品整理業者の仕事として至極当然なことです。

事前に見積もりで提示された遺品整理の料金で賄われており、後に発見料を追加徴収されるものでもありません。

発見してくれたスタッフに対しては、ありがとうのお礼の気持ちだけで十分なのです。

発見したのが相続人でもその人は独占できません

では、発見したのが相続人であったらどうでしょうか。

この点、相続人であっても、自分が単独でもらってしまうことはできません。

なぜなら、先にも挙げたように相続人共有の財産となるからです。

自分だけのものにしたいと、こっそりと隠して持ち帰ってしまうと、後で発覚したときに相続間でトラブルになったりします。

また、遺産分割協議がまだの場合、他の相続人に秘して財産を得たとして、不利な立場に立たされることもあるので注意が必要です。

発見した状況なども踏まえて納得の遺産分割を

発見されたのが遺産分割協議前や相続税の納付前の段階であれば、比較的、流れはスムーズです。

新たに発見された金品の相続税評価を行うとともに、相続人全員で遺産分割協議を開いて、誰が相続するかを決めればいいからです。

発見した人が相続人であっても、その人のものにする必要もありません。

一方、発見したのだからと、その人に上乗せでそれを分割する合意もできます。

民法には法定相続分が定められていますが、相続人全員が合意するのであれば、いかようにも分割が可能です。

他の人が忙しいとか、面倒と遺品整理をしなかったのに、時間を割いて手間をかけて遺品整理をした結果、金品類を発見した相続人に、本来の法定相続分プラスαをしてもいいのです。

これに対して、遺産分割協議前や相続税の納付が済んでおり、そのままでは相続人間でトラブルになりそうな金品が見つかったり、相続税の金額などにも影響を及ぼすような金額の金品が見つかったりした場合は少し厄介です。

基本的には新たに発見された金品を加え直して、遺産分割協議や相続税の計算のやり直しになります。

遺産分割協議にあたっては全員の話し合いと合意が必要なうえに、遺産分割協議書を作成して、全員が実印を押し、印鑑証明書なども添付しなくてはなりません。

印鑑証明書をはじめ、相続人の本人確認などのために必要な住民表や戸籍謄本などの書類には提出する場所によって有効期限も定められています。

多くが3ヶ月以内となっているので、前回の遺産分割協議から時間が経過していると、前回取得したものが残っていても使いまわしができずに、再度の取得し直しとなります。

役所まで取りに行くのが面倒、時間がないという方は、地域のサービスを使ってマイナンバーカードなどを利用してコンビニで取得を検討したり、全員の分を代行取得できる行政書士などに頼んだりするのも1つの方法です。

また、相続税については新たに発見した金品をプラスすることで、通常は納税額が増えることになるでしょう。

その場合は修正申告が必要となります。

あえて隠していた遺産を納税するのではないので、過少申告加算税や延滞税、罰金などのペナルティー税は通常かかりません。

相続税の計算のし直しや修正申告について不安がある方は、税務署に相談するか税理士にお任せするといいでしょう。

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