能登半島地震について

2024年1月1日16時過ぎに能登半島にマグニチュード7.6(暫定値)の地震が発生してしまいました。死者241名、家屋の全壊、半壊、一部破損を合わせると77933件(2024年2月26日)現在となっており元旦に起きた大惨事に対して遺品整理・空き家整理業者としての想いを伝えさせて頂ければと思います。

まず、被災者の皆さま、御家族を亡くされた皆様、お悔やみ申し上げさせて頂きます。

1 被災者の声

ニュースで拝見した感想を、まず申し上げさせて頂きます。「ゴミの様に思えるが、そうでは無いのです」と被災者の女性がコメントされていました。遺品整理業を真摯に向き合っている同業者の方で有れば私と同様な気持ちを抱いて頂いたと思っていますが、これは、ある被災者の解体映像を映されていたものです。家財を罹災証明の元、準備されていた家財を投げ入れる画像が放映されていました。
これは、膨大な解体施工の為に、やむを得ず効率的な施工を行わなくては成らない為と願いながら思っています。
ただ、「ゴミの様に思えるが、そうでは無い・・・」とクライアントの口から出る言葉自体・・・胸が痛みます。被災地は解体の順番も倒壊危険度に応じて決められているとの事でした。被災地で遺品整理、空き家整理等を行える状態では無い様子も伺えますが、せめてメディアだけでも被災者への配慮いただけない物かと思っています。遺品整理業者も増加しており合理的な考え方で対応を進めるので有れば遺品整理士認定協会等を通じボランティアを募ってみたらどうかとも思いました。私で有れば悲しい想いを少しでも無くす「お手伝い」ができたのにとも感じていました。今日もTVで自民党の裏金問題を国会で中継していたようでした。そんな問題に国費を使われていると思うと寂しい気持ちになります。
疑惑や税金対象ではと議論されていますが、その議員や政党を選んだのは国民です。
能登半島地震による復旧・復興特別予算789億円が補正予算として可決されたようですが、予算(お金)だけで済む話ではないのではとも思います。カウンセラー等のそれぞれのエキスパート・専門家が善意により活動されている事には大変に感謝しています。政治家の方々に申し上げたいのはスポットが当たった時の対応は非常に早く、忘れ去れると「予算(お金)」で解決したと過去形になっている様に思える事です。

また、東日本を始め能登でも政治的アピールに使われていると感じる事が残念な感想です。遺品整理や特殊清掃を営む弊社としては、もう少し「本気度」「誠実さ」を感じさせて頂ければ、税金も気持ちよく支払えると思っています。

2 被災者の声「ボランティアが減った」

「ボランティアが減った」と言う声を被災者の方の映像から耳にしました。残念な声を聴いてしまった様な気持ちに陥りました。私も七尾市に友人がいる事からもボランティア活動を弊社も検討していましたが、「立ち入り規制」等、すぐに動けなかった事も有り参加できませんでした。ただ、弊社においても社員や、その家族の生活を守る事が最優先事項となります。事業を行っている以上は、これが最低限、守らなければならない事です。弊社には長期間ボランティア活動を行う企業体力が、まだ有りません。
そんな中、「ボランティアが減った」との声を耳にしました。ボランティア活動を行っている方々にも、それぞれ家庭や事業を経営されながらの活動と思っています。やはり現実的には限界が有る物と思います。
今は、株価も市場最高額を記録し一見、経済の復活の兆しも見えている様にも思えますが、物価高に個人収入が追い付いていないギャップが有るとも思っています。

能登半島地震から2カ月が立ちますが未だ11000人の方々が避難所での生活を余儀無くされています。
私も西日本豪雨災害の際、被災地に偶然いた事も有り、被災者の方々の気持ちも全てでは有りませんが、少しは分かる気がします。当時は通り慣れた道に家屋が流れ道路を塞ぎ「ここは、どこ?」とパニックに成った記憶が有りました。

3 今後の復興

この復興には行政とボランティアだけでの復興事業には限界が在ります。各行政も垣根が有るものとも想像しています。また、ボランティア活動をされている方にも生活や経済的な負担も大きく圧し掛かっている物とも思います。
必要なのは「安全」を基本とする「継続性」と考えています。
遺品整理士や、空き家整理、特殊清掃を専門で行っている業者では分かると思いますが大量の粉塵等が舞う被災地での作業で「防塵マスク」や「踏み抜き防止」のインソールや安全靴も必要と思います。これは被災者の遺品を探す為にも必要なアイテムです。まず「防塵マスク」はフイルターの交換機能が有る物をお勧め致します。粉塵を吸い込み続けると肺に蓄積されると肺の機能の低下や肺の疾病のリスクが高くなります。これは新しく遺品整理や空き家整理、特殊清掃を始められる同業者の方、被災地に出入りする方々にも携帯は必須とも考えます。一見、少しの埃でも実際には大量の埃が舞っています。私自身も一般的なマスクだけで施工を行っていた事も有りました
が、施工後は「痰」「咳」「黒い鼻水」が出る事も有り、しばらく体調が思わしく無い事も有りました。先日施工した「ゴミ屋敷」でも防塵マスクのフイルターが1日で使い物にならない程、埃を吸い込んでいました。また、同時にゴーグルも同時に携帯される事をお勧めさせて頂きます。特に被災地等は家屋の内部に有った「カビ」が倒壊や半倒壊により露出しているものではと想像しています。
遺品整理や特殊清掃での経験値で物を言わせて頂くと「カビ」が繁殖していない現場は皆無です。カビ自体の全てが人体に影響を与える物では有りません。食用に活用されている物もあります。その他の「菌」も同様です。一般的によく知られている黒カビは、それ自体に毒性は有りませんが「気管支疾患」や人の体質によってはアレルギーを引き起こす原因となります。赤カビも同様に毒性は有りません。ただ、黒カビが繁殖する上において赤カビは黒カビの繁殖を増長指すための栄養素となります。黄色カビの一部は調味料等の食品に使われている事も有りますが中には毒性の強い物が存在しています。特殊清掃現場の体液の周りで「よく見かける」カビです。また、ミカンなどに繁殖する青カビは食中毒等を招く危険な物です。被災地等では、この様な多種多様なカビが発生している可能性が高く、この様な対策が必要とも考えます。対策としては窓や扉の開閉が可能な方は換気をお勧めさせて頂きます。幸い今は気温も低くカビの活動が活発になる気温20℃を下回っていますので「出来る事」から始められたら如何でしょうか?
踏み抜き防止のインソールや安全靴西日本豪雨を経験した者の意見として安全靴の装着は必須と考えます。能登半島地震で家屋全壊、半壊をされた被災者の方の貴重品捜索や遺品捜索等、釘やガレキが積み重なっている現場では、ガレキが「雪崩」のように滑り落ちる事や釘が飛び出した家財や資材が散乱しています。皆さんヘルメットは着用されていますが遺品整理や空き家整理、特殊清掃を行っている専門業者から見た場合、ヘルメットは致命傷を防ぐ最も重要なアイテムですが、一番ケガが起きやすいのが足元です。倒壊した家屋は、ガレキや廃材となった資材が折り重なる様になっています。非常に不安定な状態での遺品捜索や貴重品捜索を行うに当たっては非常に重労働です。被災者の方々の「心」も「体」も疲弊されているものと思います。この様な状態での作業はケガのリスクは各段に高まります。「注意力」も低下し2次災害の元とも考えます。
踏み抜き防止のインソールや安全靴は、「安全確保」その為には準備頂きたいと思います。出来れば踏み抜き防止のインソールより「安全靴」これは靴底だけでは無く膝下までカバーしてくれます。足場が不安定な所では皆さん御自身の体重をかける事により積み重なったガレキや資材が転げ落ちてくる事も有り必要なアイテムです。私自身も足首や脛に「きり傷」やガレキが足に落ちて来た記憶もございます。
また、一番に気を付けないとならないのが釘です。特に錆びた釘が刺さると「破傷風」に罹ってしまう事は珍しく有りません。破傷風菌の多くは土壌などに多く存在している神経毒性の物です。この感染症に罹ると7日以内に届け出が必要となります。これは感染症法に定められている物で「第5類感染症全数把握疾患」と定められている為です。ただ、ウィルス感染とは異なり「人から人」への感染は有りませんが数多くの死亡例が有るのも現実です。

4 弊社で「出来る事」

弊社で出来る事は支援の輪への僅かな事くらいしか行えませんが、支援に当たっているボランティアの皆さんや各行政関係で現場活動をされている方々には心からリスペクトさせて頂いています。今後、弊社としても出来る限りの支援は続けさせて頂こうと考えています。弊社に対してのオファー可能な限り対応させて頂こうと考えています。

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