引越し作業では大量のゴミが出る
引越し作業では大量のゴミが出ますが、まずはどんなゴミが出るのかを把握しておきましょう。
大型ゴミから細々とした不用品まで
大型ゴミであれば、タンスや食器棚、ソファーや机などがあります。ドライヤーや加湿器などの小型家電、お椀やガラス、金属類などの不燃ゴミに加え、エアコンやテレビ、冷蔵庫や洗濯機といった家電、資源ゴミもあるでしょう。
引越し先のスペースに置けない場合や、この際に新調するなどの理由で、引越しでは色々なタイプのゴミが出ます。これらのゴミは自治体によって処分の方法が異なりますので、余裕を持って処分をしなければなりません。
引越し後、荷解き中に出るゴミ
荷物の梱包に使った段ボールやビニール紐もそうですが、新たに購入した家電や棚などの包装に使われた緩衝材や包装など、引越し後にも大量のゴミが出ます。
自治体ごとにゴミの捨て方は違うため、引越し後に住む自治体ではゴミをどう処分するのかをあらかじめ確認しておきましょう。ゴミの処分に、その自治体に売られている特殊なゴミ袋を利用するケースもあります。
ゴミの回収日までは捨てられないので、どこにゴミを置いておくかの保管スペースも考えなければなりません。引越し後の回収日を確認してから、引越し日を決めることも考えた方が良さそうです。
ゴミの処分も引越しタスクに加えよう
引越しは新居探しや荷造りをはじめ、市役所や職場、登録サービスへの住所変更の手続きなど、様々な作業をしなければなりません。そんな中で「ゴミの処理は荷造りが終わった後にまとめてやればいい」と思っている人も多いようですが、それは間違いです。
最悪の場合、新居先に旧居からのゴミを一緒に持って行くような状況になりかねません。どうしてそのようなことになってしまうのか、その理由を解説します。
すぐに捨てられるわけではない
ゴミは袋に入れてゴミステーションに出せば良いというわけではありません。回収日が決められていますし、大量のゴミや粗大ゴミは事前に捨てるための手続きが必要です。
引越し当日に大量のゴミをゴミステーションに残していくといったことはできません。防犯面と衛生面で問題があるため前の住まいの近隣住民に迷惑がかかるだけでなく、ゴミによっては管理人や大家から処分費用を請求されることもあります。
引越し当日に大家や不動産会社から注意され、新居に持って行くことにもなりかねません。新しい新居をリフレッシュした気持ちで迎えるためにも、ゴミの処分は早めに済ませたいものです。
多額の費用がかかる場合も
ゴミの処分を遅らせていると多額の費用がかかるケースもあります。ゴミをまとめてみたものの引越し日までに回収がもう来ない場合、他の方法でゴミを処分しなければなりません。
回収業者に依頼して別口で回収してもらう場合は、業者に払う費用が発生します。粗大ゴミや家電の回収を業者経由で行うと、さらに高額の費用がかかるケースもあるようです。
また先述したように、前の住所に残していく場合は、粗大ゴミの回収を産業廃棄物として行うことになるので、普通に捨てるよりも高額な費用を請求されます。場合によっては連帯保証人に費用請求が行くこともあり、トラブルの原因にもなってしまうでしょう。
ゴミの処理方法の確認が重要
ゴミ処理の関係でトラブルにならないためにも、ゴミの処理方法を前もってきちんと確認しておきましょう。ゴミ出しのルールは自治体ごとによって異なりますので、住んでいる自治体のホームページや、転入届を出した時にもらえるパンフレットを確認する必要があります。
ゴミの分類
ゴミの分類は自治体によって異なりますが、おおよそは以下のようになります。
- 可燃ゴミ…(生ゴミ、紙、衣類、枝葉、プラマークのないプラスチック類など)
- 不燃ゴミ…(固いプラスチック、金属類、ガラス、瀬戸物類、小型の家電など)
- 資源ゴミ…(ペットボトル、新聞紙、段ボールなど)
- 粗大ゴミ…(ふとん、倚子、机、大型家具など)
- 有害ゴミ…(蛍光灯、電球、電池、体温計など)
- 家電…(パソコン、冷蔵庫、洗濯機など)
自治体によってはさらに細かく分類されていることがあります。自治体ごとに定められているゴミの分類が守られず、1つのゴミ袋に一緒くたにされていたり、ゴミの出し方が違うとゴミステーションから回収されず残ることになり、迷惑がかかります。
特に引っ越しの際には色々なゴミが出て、分類が不十分でゴミステーションから回収されないといったケースが多発します。ゴミの分類には十分気を配りましょう。
ゴミ出し日
自治体ごとに、ゴミの種類によってゴミを回収する日は決まっています。
家庭で出るゴミは可燃ゴミが最も多いので、週に2回ほど回収する自治体が多いようです。その次に不燃ゴミや有害ゴミで週に1回ほどになります。資源ゴミに関しては同じか、2週間に1回ほどの自治体もあります。ゴミ回収の頻度については自治体の人口やルールによっても異なるようです。
粗大ゴミと家電については、定期的に回収されることはありません。家電は『家電リサイクル法』という法律によって、家電量販店や回収メーカーに直接連絡して回収してもらう必要があります。
粗大ゴミの処分方法
粗大ゴミを自治体で回収する手順は次のように行います。
まずは、自治体ごとに設置している『粗大ゴミ受付センター』に連絡し、粗大ゴミを回収して欲しいことを伝えてください。この時、回収品目を伝えると、受付センター側から回収の日程と『粗大ゴミ回収券』の枚数を伝えられます。
粗大ゴミ回収券は、回収費用を支払ったという発行書のようなものです。粗大ゴミの大きさや種類によって必要な枚数は違うので注意してください。コンビニやホームセンターに売っているので、指定された枚数分を購入して、回収してもらいたい粗大ゴミに貼り付けます。
後は回収日の朝にゴミステーションに出せば完了です。回収日は短くて10日ほど先になる場合が多く、春などの引越シーズンは粗大ゴミ処分の予約が殺到し、処分が3週間以上先になることもあるため、十分な時間的余裕を持って処分を行いましょう。
家庭ゴミでも大量に捨てるときは注意
ゴミの分類や回収日を守っていてもトラブルに発展するケースがあります。それは、引越しやゴミ屋敷の掃除などで1度に大量のゴミが出る場合です。分類ができていてもゴミの量が多すぎる場合、回収してくれない可能性があります。
その場合は、ゴミ出しの前に手続きが必要です。ゴミが大量になるとあらかじめわかっている場合は、余裕を持って処分しましょう。
住んでいる自治体に相談が必要
回収業者はゴミステーションを回るルートが時間ごとに決まっていて、ゴミが多いからと言って2回に分けて運ぶようなことはありません。ゴミがあまりに大量にある場合は回収車に入りきらず、回収が見送られる可能性もあります。
引越しなどで明らかに大量のゴミを捨てる場合は、自治体に相談しましょう。許容内かどうかがわかりますし、自治体側であらかじめゴミが多いことがわかれば対策を取ってもらえることもあります。
燃えるゴミでも有料処分の可能性がある
大量にゴミが出る場合は回収方法が通常とは異なるので、処分が有料になる可能性があり注意が必要です。ゴミの重さによって料金を計算され、別途の業者による回収となります。
ゴミを大量に出す場合の注意点については各自治体のホームページに書いてあることも多いですが、実際の費用についてはゴミの量や種類によって違うため、連絡して見積もりを取ってもらうしかありません。期間に余裕があるのなら、ゴミステーションから何度かに小分けした方がお金はかからないのでお得です。
また、連絡をする場合は10日から2週間以上余裕をもって連絡するようにしましょう。
自治体とゴミ回収業者、どちらを選ぶべき?
主に粗大ゴミを回収する方法は、自治体に回収してもらう以外にも直接ゴミの回収業者に依頼するという方法もあります。
それぞれに特徴がありますので、両者について比較してみましょう。
自治体
地方自治体が回収する場合は上述したように『自治体の受付窓口に電話→粗大ゴミ回収券を買う』という流れになります。業者回収と比較したメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
メリット
自治体回収を利用するメリットは以下の通りです。
- 料金が安い
- 料金が決まっている
- 回収元が保証されている
詳しく説明していきます。
ゴミ回収の費用の一部を自治体が負担してくれるケースが多く、料金設定はかなり安くすみます。
料金が安定している、回収元を自治体が保証してくれるのも大きなメリットと言えるでしょう。ゴミの回収業者に頼った場合、中には法外な費用を提示してきたり、不法投棄をする様な業者があるからです。自治体の回収業者であればそのようなことはありません。
デメリット
一方、デメリットは以下のようになります。
- 回収に時間がかかる(回収日を指定出来ない)
- 指定の場所まで持って行かなければならない
- 回収できないものがある
先述しましたが、自治体で粗大ゴミを回収してもらう場合は回収日を予約する必要があり、余裕を持って10日から3週間以上は見ておきたいところです。混雑期には日にちも融通が利かない場合が多く、引越し日までにゴミを確実に処分したいなら1ヶ月以上は手続きに猶予を持っておかなければなりません。
また、どんなに重たいものであっても、回収指定の場所にまで持って行かなければなりません。高齢者や一人暮らしの女性には重労働です。
リサイクル家電については一切受け付けてもらえないのもデメリットでしょう。金庫や消化器などの特殊なゴミも、自治体では回収が不可能となります。
ゴミ回収業者
ゴミ回収業者は、業者の連絡先に電話か、もしくはインターネットの受付フォームから申し込むことになります。自治体のように事前にゴミ処理券の購入などは必要ではありません。他にどんな特徴があるのかを見ていきましょう。
メリット
回収業者を利用するメリットは以下になります
- 日時が指定できる
- 部屋の中からでもゴミを運び出してくれる
- ほぼ何でも回収してくれる
自治体でゴミを回収してもらう場合は、希望にそった日にちに回収できることはほぼないでしょう。また、必ず朝の8時頃にまで出さなければなりません。しかし回収業者であれば時間の指定はもちろん、日にちについても早ければ翌日に回収してくれることもあります。
重いものであれば部屋の中から運び出してくれる業者も多く、高齢者や女性にとっては助かります。
また、自治体では回収不可能な家電や特殊なゴミについても、、回収業者では引き受けてくれるところが多いようです。
デメリット
続いてデメリットには、次のようなものがあります。
- 料金が高い
- 個数が少なすぎると断られることもある
- 悪徳業者とのトラブルになるケースも
回収業者に頼んだ場合、料金はすべて自己負担になるため、費用は高額です。また、ゴミの個数や規模が少なく、採算が取れないと判断された場合は断られる可能性もあります。
最大の問題は、中にはきちんと廃棄を行わないような業者や、法外な費用を請求してくる悪徳業者もあるということです。インターネットだけの情報だけで依頼を決めると、トラブルになることもあります。悪徳業者に引っかからないよう、『一般廃棄物収集運搬許可』の資格を持っている業者の中から選びましょう。
相見積りを取り信頼できる業者を選ぼう
悪徳業者に依頼しないために予防策を採りましょう。まずは、相見積りを取ることです。
相見積りとは、1つの業者だけではなく、複数の業者に回収費用の見積りを依頼することです。見積りだけなら無料で行ってくれる業者も多く、費用はかかりません。
どの程度かかるかの相場がわかりますし、明らかに不当な価格の業者を弾くこともできるでしょう。
引越し当日のゴミの処分方法
次に、引越当日のゴミの処分方法について確認していきましょう。退去時の注意点や、引越後のゴミの処分方法についても解説します。
退去時にゴミは残さない
退去1週間前にはある程度の整理を終えて、3日前には大型ゴミや不要な家電の処分は済んでいることが好ましいでしょう。引越し当日には、ゴミが無い状態がベストです。
処分はするけれど電子レンジなどの小型家電は前日まで使いたいという場合は、引っ越し先に持って行ってから処分するというのも手でしょう。
また、事前に連絡しておき処理センターへ直接持ち込む、引越業者が回収サービスをやっている場合、それを利用するという方法もあります。いずれにせよ、前の住居にゴミを残すようなことはトラブルの種になりますので、やらないように注意してください。
引越しダンボールの処分方法を確認
引越し後に出る大量のダンボールの処分方法についてもあらかじめ考えておきましょう。ダンボールは資源ゴミとなりますので、引っ越し先によっては自治体の回収が1週間以上先になることもあります。
そういった場合は引越業者に回収をお願いする、もしくは古紙回収業者に頼むという方法を取ると良いでしょう。
引越しは断捨離の絶好のチャンス
引越しは、要らない物を処分する絶好のチャンスです。引越しの際に押し入れの奥や部屋の隅に眠っている不要な物を一挙に処分してしまいましょう。
新居先で、心身共に新しい生活を始めるチャンスでもあります。
なんとなく取っておいた物を処分
持って行く物とそうでない物を仕分けする時に、今まで何となくで取っておいたものを処分してしまいましょう。すでに1年以上着ていない服や靴、キッチンに並んではいるけれど使った覚えのない調理器具、食器があるでしょう。
引越の運送代は物が少ない程に安上がりです。必要かどうかわからないものを、これを機に一気に処分してしまいましょう。
現状で邪魔にはなっていなくても、無ければスッキリするものです。物が多くて部屋がなかなか片付かないという人も、引越しを利用して片付けてみてはいかがでしょうか。
心機一転リセットできる
引越は今まで止めようと思いながらも続けていた悪習を断ち切るチャンスでもあります。
古い家の物をなるべく捨てていくことで、新鮮な気持ちで暮らしを再スタートもできるでしょう。
物が少ない状態ですっきした空間で、はじめからレイアウトを決められます。自分が過ごしやすい部屋を再設計で切るので、旧居での反省を活かし、より便利に生活できるような家具などの配置を考えていきましょう。