エンディングノートとは

エンディングノートとは主に生前整理で利用され、残されるご家族へ伝えるべき情報や思い出を綴るものです。

遺言書とは異なる

エンディングノートと遺言書は似ていますが、明らかに異なるものです。

書き方 費用 法的な効力
エンディングノート 自由 数百円~ なし
遺言書 フォーマットあり 数万円~ あり

このようにエンディングノートには法的な効力がありません。同じ記載内容であれば、法的な効力がある遺言書が優先されることになります。
記載内容も遺言書は主に財産分与について記載することになります。一方、エンディングノートな思いのままに記載することができるのです。

何を書いたらいいの?

エンディングノートはあくまで本人の希望を伝えるためのノートです。
残されたご家族が困らないように情報を整理して書いておくことが大切です。

・資産に関すること

通帳や印鑑、キャッシュカードの保管場所
口座の暗証番号
クレジットカードや貸借金の存在
不動産、保険関係(権利書、保険証券)
※資産に関する情報は必ず記載しましょう。相続時に必要になってからご家族が探し回るケースが多いからです。

他にもご家族が処分(遺品整理)の判断に迷うと思われる情報にも触れる必要があります。

・飼っているペット
かかりつけの動物病院
与えている薬
新しい飼い主が見つからない場合の処置

・葬儀・供養について
希望する葬儀や供養については具体的に記載するのがベスト

・貴金属や写真、手紙
何を残して何を手放すのか
誰に託すのか
※代々引き継がれている骨董品等は、管理を託す人を記載しておくとよいでしょう。

・パソコンやスマートフォンのパスワード
常に最新のものを記載しましょう

エンディングノートを書くメリット

メリットはご自身やご家族の「気持ちの整理がつく」ことです。

まだ未記入のエンディングノートをめくっているうちに、
「こんなにも伝えることがあるのか。」と思われるでしょう。
正確な情報を記載するにあたり、多方面に連絡したり確認したりすることになるでしょう。しかしそうするうちに、気持ちの整理がついてくるのです。

場合によっては普段はあまり連絡しない、離れて暮らす子どもと生前整理や遺品整理について話す機会にもなります。その際はエンディングノートの存在、保管場所についての情報を共有してください。
せっかく情報を整理し気持ちをこめて書いたにもかかわらず、ご家族がエンディングノートの存在や保管場所を知らされていなければ意味がありません。

わざわざ隠す必要はありませんが、貴重品と一緒に保管しておけばご家族の目にとまります。
状況が許すなら、ご家族と確認しあいながら記載することをオススメします。

エンディングノートを書いてもらうには

ご自身で積極的に書くのではなく、ご家族が書くことを促すケースも最近では増えてきました。

エンディングノートの性質を考えれば、素直に書いてもらうための工夫が必要になるでしょう。
「死ぬ準備をしろと言うのか!」
と怒らせてしまっては本末転倒。

まずはエンディングノートをご家族が購入しましょう。
書店や大型の文房具店、インターネットでも購入可能です。葬儀社が準備していることもあります。
「こんなのあるんだけど見てみない?」
と声をかけてみましょう。

間違っても
「エンディングノート準備したから書いて!」
などと言ってはいけません。そもそも【エンディングノート】と言う必要もありません。

「わかるところだけでも一緒に書いてみようよ」
と促すことがコツです。単に渡しただけでは抵抗されたり、放置したままになる可能性が高くなるからです。

まとめ

エンディングノートには法的な効力がないからこそ、希望を自由に書くことができます。
エンディングノートの多くは、本人の気持ちや思い出等を記載するページが用意されています。自分の人生を振り返って思い出を整理するところから始めてみましょう。

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