久しぶりに実家に帰省した際、以前来た時よりも部屋が物で溢れている印象を持ったことはありませんか?
親が片付けられないケースは昨今増えており、そこには「片付けないことの4つのリスク」が潜んでいるのです。
リスク1:ケガ
部屋が物で溢れることの最大のリスクは、転倒によるケガです。
高齢者の場合、転倒によるケガで寝たきりになるケースが非常に多いのです。部屋がバリアフリーになっていても物が溢れていたら本末転倒。
高く積まれた本が地震で崩れてくるかもしれません。
寝たきりになってしまうと買い物に行きづらくなるほか、部屋の物を移動させることも難しくなってしまいます。それに加えゴミ出しも容易なことではなくなり、ますます部屋が物やゴミで溢れることになるのです。
リスク2:ゴミの処分費用
ゴミが部屋を占領してしまうと、健康に害を及ぼします。
ゴミを捨てないため生ゴミは腐敗し異臭を放つようになります。このような不衛生な住環境で高齢者が生活するのは大きなリスクを伴います。
本人一人で片付けられないので、多くの場合はハウスクリーニング業者に依頼してゴミを撤去してもらうことになるでしょう。ゴミを搬出・撤去し、床や水周りの清掃もあわせて依頼できますが、それなりの費用が必要になります。
何より部屋がきれいに片付いた清潔な住環境は、高齢者の健康管理にとても有益であることを本人に理解してもらうことが大切でしょう。
リスク3:紛失
物やゴミで部屋が占領されてしまうと物を紛失しやすくなります。
紛失したら簡単には発見できないことは本人も理解しているものです。そのため探すことをしなくなってしまうのです。
生活に直結する印鑑や通帳、保険証などを紛失してしまうと大変です。事実、ハウスクリーニングを業者に依頼すると物やゴミの下から貴重品が発見されることが非常に多いのです。
このことは本人ですら紛失したことを忘れていることが多く、物やゴミを片付けることがいかに重要であるかを物語っています。
リスク4:孤立
物やゴミで溢れた不衛生な状態では、当然親せきや近所の人は寄り付かなくなってしまいます。
本人も人を家に呼びづらくなるため、ますます孤立してしまいます。周囲からの孤立は孤独死の原因にもなります。
引きこもりがちになり孤立化が進むと、異臭や害虫の発生などのトラブルが発生していることも考えられます。ご近所トラブルは高齢者の孤立化をいっそう加速させてしまうでしょう。
離れて暮らす親が、どのような環境で生活しているのかを定期的にチェックするのが理想です。
4つのリスクを回避するには
まずは面倒でも実家を頻繁に訪ねることです。
急に物やゴミで部屋が占領されるわけではありません。こまめに実家を訪問することで、ちょっとした変化に気づくことができます。
ゴミ屋敷の主のように親が物やゴミに固執し始める前に、一緒に整理整頓していくことが有効です。問題を先送りしてしまうと、親は徐々に物やゴミを捨てられなってしまいます。
高齢者の多くは物に囲まれて暮らすことに安心感を覚える傾向が強く、あからさまに「捨てる」ことを提案すると強固に拒まれることになります。
そうなる前に「終活」を話題に出しながら一緒に整理整頓するのが自然な方法です。清潔な住環境をキープすることがカギとなります。
まとめ
部屋の整理整頓は「終活のはじめの一歩」と言えるかもしれません。
いる物といらない物を分別し整理することは、まさに生前整理そのもだからです。
散らかった部屋を見られることを恥ずかしがることもあります。そんな時は第三者であるハウスクリーニング業者に依頼してみましょう。見積り作成のための下見の段階で、本人と業者が懇意になるケースもあります。