遺品整理で出るものの中で、大型家具や布団など、サイズが大きなものは処分に困る代表格です。
そのなかでも、かなり困るのがピアノやエレクトーンなどの楽器ではないでしょうか?
特にエレクトーンや電子ピアノなどは、型が古いと処分するしかありません。
そこで、ピアノなど鍵盤楽器の処分についてみていきます。
ピアノの処分
ピアノ(電気を使わない、いわゆるアコースティックピアノ)には、グランドピアノとアップライトピアノがあります。
本来、「ピアノ」とはグランドピアノのことを指します。
弦が横に伸び、大型で、重量は250~400kgにもなります。
一方、アップライトピアノは、フレームや弦、響版が上下に伸びるように作られています。
コンパクトなので、グランドピアノに比べて場所を取りません。重量は200~250kgほどです。
ピアノは、グランド、アップライトにかかわらず、ほとんどの自治体で引き取ってもらえません。
そこで、粗大ごみとして出す以外の処分方法をご紹介します。
- 不用品回収業者に依頼する
- 無料引取業者に依頼する
- 宅配業者のピアノサービスを利用する
- ピアノ専門の買取業者に依頼する
不用品回収業者に依頼する
インターネットなどで、ピアノを引き取ってくれる回収業者を探しましょう。
業者によって処分費用は違いますが、グランドピアノで4万円~5万円くらい、アップライトピアノで2万円~3万円ほどが相場のようです。
不用品回収業者に依頼した場合、自宅までピアノを回収しに来てくれるので、自分でピアノを運び出す必要はありません。
自治体で適切な業者を紹介してくれることもありますので、尋ねてみてもよいでしょう。
無料引取業者に依頼する
グランドピアノやアップライトピアノを無料で回収してくれる業者があります。
引き取ったピアノを修復し、インドネシアやフィリピンなど新しいピアノの購入が難しい途上国や、福祉施設などへリサイクルピアノとして届けるケースもあります。
運搬やトラックの費用、処分費用がかからず、しかも整備されてピアノを必要としている人々の役に立つことになります。
宅配業者のピアノサービスを利用する
「ヤマトホームコンビニエンス」では、使わなくなったピアノの買い取りや処分をしてもらえます。
ピアノは購入後35年くらいまでのものが目安で、買い取りできるか処分となるかは、品物の状態により違ってきます。
電話かインターネットで、引き取ってもらえるか問い合わせてみましょう。
ピアノ専門の買取業者に依頼する
ピアノを専門に買い取ってくれる業者に依頼する方法もあります。
ヤマハピアノサービス
日本最大のピアノメーカー・ヤマハが運営するピアノ買い取りサービスです。
もし処分したいピアノがヤマハ製であれば、問い合わせてみましょう。
ここでも、引き取ったピアノを整備し、ピアノを必要とする次の人へと渡しています。
河合楽器 ピアノ買取センター
こちらでは、カワイ製以外のピアノも査定・買い取りをしてもらえます。また、電子ピアノの買い取りもしています。
インターネットで査定・相場を確認することもできます。
タケモトピアノ
テレビCMでおなじみの業者です。CMだけではわかりませんが、タケモトピアノでは「世界中の子どもたちに笑顔と音楽、平和」をモットーに、買い取ったピアノを修理し、海外50カ国へ出荷されています。
電話またはインターネットで査定することができます。
電子ピアノの処分
電子ピアノは、音源部に電子回路を用いた楽器です。
意外に耐久力があり、一般的な家電の耐用年数が7年~10年なのに対し、電子ピアノは15~20年も使えるものがあります。
とはいえ、電子ピアノは次々と新機種が発売されるため、あまりに古いものは機能的に時代遅れとなり、壊れていなくても演奏の場では使えないということがあります。
また、製造から7年ほど経つと部品がなくなり、修理できなくなる可能性が高いでしょう。
- 自治体で処分してもらう
- 売る
自治体で処分してもらう
電子ピアノは、自治体に粗大ごみとして出すことができます。
自治体で回収してもらう場合は、電話やインターネットで回収の予約をします。
料金を確認し、コンビニなどで料金相当分の「ごみ処理券」を購入しましょう。
処理券はシール式になっているので、出したい電子ピアノに貼り付け、指定の収集場所や玄関の外に出します。
家から運び出してもらうことはできないので、自分で移動させておかなくてはなりません。
指定場所へ自分で持ち込む場合は、インターネットで排出品目や申込者情報など必要な情報を記入し、収集日を確認して申し込みます。
申し込みは電話でもOKです。
申し込みが完了したら、指定日に粗大ごみの受付センターなど指定場所へ運びます。
ただし、キーボード型かアップライト型かなど、大きさによっては自治体で処分できないとこともあるので、事前に問い合わせましょう。
売る
リサイクルショップ
電子ピアノは、一般的に買取金額が低いようです。また、型が古ければ古いほど、買取金額は低くなります。
逆に、ものすごく古くて希少価値の高い名機ならば、高く買い取ってもらえる場合もあります。
オークションで売る
ネットオークションなどでは、リサイクルショップよりは高く売れる場合があるかもしれません。
オークションでも、希少価値のある機種などなら高額落札してもらえることもあります。
しかし、送る段になって、ピアノ専門配送業者に配送を依頼した場合、料金が高額になる場合があります。
出品する前に、配送料について調べておきましょう。
キーボードタイプなら宅配便でも送ることができますが、投げられたり、扱いが雑で壊れたりするケースもゼロではありません。
トラブルにならないよう梱包をしっかりし、「精密機械」と指定しておきましょう。
エレクトーンの処分
大きくて重たいエレクトーン。エレクトーンは大型家電の1つと言えます。
家電リサイクル法のような法律もないので、自治体の粗大ごみに出すことができるでしょうか?
いいえ。エレクトーンは、電子部品やプラスチック部品、さらに木製部品など、様々な素材を組み合わせて作られています。
そのため、解体や分別に手間がかかり、自治体で処分するのは難しいところが多いようです。
また、エレクトーンは電気の通る機械なので、タンスやベッドなどのように、そのまま燃やすこともできないからです。
では、一体どのように処分すればよいのでしょうか?
- 処分業者に依頼する
- 買取専門業者に依頼する
- インターネットのオークションに出す
処分業者に依頼する
まずは、引き取りに来てくれる処分業者に依頼しましょう。
処分業者の場合、壊れていているものでも引き取ってもらえます。
インターネットで検索するか、自治体で処分可能な業者を紹介してもらうとよいでしょう。
処分費用は、おおむね1万5千円~3万円程度の業者が多いようですが、エレクトーンの設置場所によっては、別途費用が発生するケースがあります。
一戸建ての2階に置いてあったり、家がマンションの高層階だったりした場合、運搬が難しくなります。
そのため、足や鍵盤などを外し解体して運んだり、クレーンを使って下ろしたりしなくてはならないため、費用が高額になる可能性があります。
処分を業者に依頼する場合は、必ず事前に見積もりをしてもらいましょう。
買取専門業者に依頼する
まだ演奏ができるエレクトーンなら、買取専門業者に依頼するとよいでしょう。
型が新しく高機能なものほど、高く買い取ってもらえる可能性があります。
買い取りを依頼する場合は、事前にメーカー名、型番、製造年、色を調べておきましょう。
傷や汚れの有無や、わかれば週に何回・何年使用などの状況もチェックしておいてください。
するとスムーズに査定できます。
また、ヘッドホンやイスなどの付属部品や保証書はありますか? これらの付属品が揃っていると、買い取り価格が高くなる可能性があります。
傷が多かったり、劣化がひどかったりするような場合は、買い取ってもらえない場合もあります。
エレクトーンの型番別に、買取価格の相場を公開している業者もあります。
まずはサイトをチェックしてみましょう。
インターネットのオークションに出す
壊れていないエレクトーンなら、ネットオークションに出してみるのもよいでしょう。
型が古くても、そのエレクトーンが欲しい人がいれば、売れるかもしれません。
ネットオークションに出す場合は、メーカー名、型番、製造年、色などのデータをきちんと調べましょう。
また、もしわかれば週にどれぐらい、何年間使っていたかなど使用状況や、傷や汚れがあるかどうかをきちんと確認しておきます。
エレクトーンは大きくて重いので、運搬が難しくなります。
ピアノ配送が可能な業者ならば、エレクトーンにも対応してもらえるので、運搬できる業者と費用をあらかじめ調べ、オークションの落札条件として加えておきましょう。
運搬費用は一般的に1万5千円~2万円くらいです。
2階から下ろしたり設置するためにクレーンを使ったりする場合は、1万円程度プラスされます。
こちらも必ず事前に確認しておきましょう。
鍵盤ハーモニカの処分
小学校の音楽教材としても使用されている鍵盤ハーモニカ。「ピアニカ」という呼び名でおなじみですね。
近年ではプロの演奏に使われることも増えましたが、たいていの人は学校の音楽の時間で使って以来、押し入れの奥にしまったままなのではないでしょうか?
いざとなると、どう処分したらいいのか分からないものの1つですね。
- ごみとして処分する
- 寄付する
ごみとして処分する
鍵盤ハーモニカは、メーカーによってサイズが違い、数万円する高級品もあります。
こういった機種は鍵盤が多く、サイズが大きくなっています。
学校でよく使用されている機種は、長さ425×幅96×高さ49mm(ヤマハ製P-32E)くらいのサイズが多いようです。
東京都など多くの自治体では、一番長い一辺が30cm以上を粗大ごみとして規定としていますので、粗大ごみとして出すことになります。
各自治体のルールに従って出しましょう。
寄付する
学校で使ったような一般的な鍵盤ハーモニカであれば、わざわざ業者に依頼するより、寄付してはいかがでしょうか?
NPOなど、寄付を受け付けている団体はたくさんあります。
その多くは、アジア地域の貧しい子どもたちに寄付されることが多いようです。
また、海外だけでなく、国内にも寄付することができます。
地震などの災害で被災した学校や生徒たちのために、鍵盤ハーモニカなど楽器の寄付を受け付けている団体があります。
子供たちが、こうした楽器に触れることで少しでも癒されれば嬉しいですよね。
楽器は、思ったよりも長く使うことができるものです。
特にアコースティックピアノは、木材をふんだんに使い、高級なもの。
できるだけ再生して、どこかの誰かの役にたてばいいですね。