遺品整理の際の処分品について

今回は、遺品整理を行う際に処分してはいけない物などについてお話させていただきます。

依頼をいただくお客様の多くは、家の中にある物すべてを処分してほしいと仰ります。家具など比較的大きい遺品は目につきやすいですが、中にはこれは?と疑問をもつ遺品も発見されることが多いです。すべての遺品の処分を依頼されても、国家公務員や地方公務員の制服や備品など中には管理が必要な物が含まれる場合もあるため、その際には改めてお客様へ確認をする必要があります。

遺品整理を行う業者は、ただ家の中にあるものを整理して処分するだけでなく、故人様やご遺族様の財産(無形・有形)を保護することも重要な役目だと思います。

その他にも処分してはいけない遺品があるので、理由とともにお話させていただきます。

 

・遺言書

遺言書には故人様の遺志が書かれており、法的な拘束力がある遺言書の場合は、相続の際に必要となるので絶対に捨ててはいけません。万が一、捨ててしまうと親族同士でトラブルになってしまう可能性があり、遺品整理が進まなくなる恐れがあります。

自宅で遺言書が見つからない場合は、故人様と生前交流があった友人や知人、親族と連絡をとって探してみましょう。

 

・現金

現金を意図的に捨ててしまう方は少ないかもしれませんが、そもそも現金は法律で捨ててはいけないことになっています。また、相続の対象となるので、遺品整理の際に現金が出てきた場合はすべて残しておかなければいけません。中には、へそくりとして現金が隠されているケースもあるので、家中くまなく探す必要があります。タンスや金庫、本やファイル、ポケットの中や机の裏側などありとあらゆる場所を探してみましょう。出てきた現金はすべてまとめて整理して保管しておきましょう。

 

・通帳やカード

通帳やカードは遺品整理の際に故人様の現金を引き出す時に必要となります。通帳やカードを処分したり紛失してしまうと、たとえ親族であっても現金の引き出しが難しくなってきます。また、お金の流れを把握する場合に必要となるので履歴のチェックも行っておいたり、加入保険や株式、ローンなどは相続の際に関係するので調べておくことをおすすめします。万が一、止めておくべき取引を見つけたら、速やかに対応するようにしましょう。

 

・年金手帳

故人様が年金受給者だった場合は、死後10~14日以内に届け出を出さなければいけません。最寄りの年金事務所に受給権者死亡届の提出する必要があるのですが、もし届け出が遅れてしまったら、返金の対象となる可能性があります。届け出の期限があるので、遺品整理を行う際には年金手帳がどこにあるのか優先的に探した方が良いでしょう。

 

・身分証明書

身分証明書は、故人様が生前サブスクリプションなどのサービスを利用していた場合、解約の際に必要となります。月額料が発生することが多いので、契約を解除しない限り請求が続く可能性が高いです。

捨ててはいけない身分証明書としては、運転免許証・保険証・パスポート・マイナンバーカードなどがあります。身分証明書は特に財布からでてくることが多いので、遺品の中から財布を見つけた場合は中身をよく確認しましょう。

 

・土地などに関する書類

登記簿など土地などに関する書類は、相続の際に必要となります。見つけた場合は、必ず

保管するようにしましょう。

 

・仕事関係の資料

仕事に関係する資料は、仕事の引継ぎの際に必要です。勝手に処分してしまうと上手く引継ぎができず、会社側は業務をスムーズに進めることができなくなる可能性があります。紙媒体をはじめ、電子ファイルやデータなども保存しておきましょう。不要かどうかの判断は自分でするのではなく、会社側に連絡して判断してもらいましょう。

 

・レンタル品

レンタル品は、誤って処分してしまうと場合によって損害賠償の対象となることがあります。レンタル品としては、Wi-Fiルーター・DVD・CD・ウォーターサーバー・ケーブルテレビの受信機・車などが挙げられます。レンタル品かどうか把握するには、生前から故人様に確認しておくと良いでしょう。レンタル品はそのままにしておくと料金が常に発生しているので、故人様が亡くなった後は、延滞金がかからないようにすぐに返却するようにしましょう。

 

・デジタル遺品

デジタル遺品としては、スマートフォンや携帯電話、パソコン、デジカメなどの中に入っているデータが該当します。実際にある物とは違って探しにくいため、最近では特に問題視されています。

有価証券や暗号資産などは個人の資産となり、相続の対象になるので情報を十分に確認してスマートフォンやパソコン、デジカメなどの中に入っているデータはそのまま保管するようにしましょう。

 

・鍵

鍵は金庫やロッカーなどの鍵を開ける際に必要となるので、遺品の中から見つけた場合は

必ず保管しましょう。誤って処分してしまうと、鍵が開けられないために中身を確認することができず、遺品整理がスムーズに進められません。鍵は小さいので、衣服やカバンのポケットの中に入っていても気づかないことがあるので、遺品整理の際には細かい場所まで入念に確認しましょう。

 

・個人宛の手紙

手紙やハガキなどは、訃報の連絡を入れる際に使えるので保管しておくと良いでしょう。年賀状なども交友関係をたどる際に利用できるので、一緒に残しておきましょう。住所や名前を確認して、故人様と生前付き合いがあった方でお別れできていない人がいない確認して、もしお別れできていない人がいたら優先的に連絡しましょう。訃報の連絡は1人でも多くの人に入れて、できるだけ知らない人がいないように心がけると良いでしょう。

 

・契約に関する書類

賃貸契約書、スマートフォンや携帯電話の契約書、公共料金などの契約に関する書類などは、一通りの手続きが終わるまで保管しておきましょう。契約に関する書類があれば、故人様が契約していたものと内容がわかり、解約手続きなどもスムーズに済ませることができます。書類関係は量も多いので整理するのが大変ですが、故人様が亡くなって1~2年程(相続手続きが完了して問題ないとわかるまで)保管してくと安心です。

 

・支払い通知書

公共料金や税金などの請求書や支払い通知書が出てきた場合は、現金がどこから引き落としされているかがわかる情報源になるので保管しておきましょう。通知書に記載されている番号があれば、契約状況や引き落とし情報なども把握ができ、故人様が残した借金やローンに関する情報を調べる際に利用することができます。

 

・写真や手紙など

写真や手紙は故人様との思い出になるので、なるべく捨てずに保管しておくのが望ましいです。これらは世界に一つだけのもので、処分してしまうと復元することは難しいので安易に捨てないようにしましょう。しかし、写真そや手紙はそのまま保管しておくと劣化する可能性があるので、スキャンしてデータに残しておくと良いです。スキャナーを使ったりカメラ屋さんに依頼してデータ保管されると安心です。

 

・美術品や骨董品

美術品や骨董品などの中には、価値がなさそうに見える物でもコレクターの間では高額で取引されているため、骨董品専門の買取業者やリサイクルショップ、ネットオークションなどに出せば高値で買い取りしてもらえる可能性がある遺品もあります。場合によっては、相続の対象になることもあるので、勝手に処分してしまうと遺族同士のトラブルにつながりかねません。美術品や骨董品の代表的なものとして、絵画・掛け軸・焼き物・陶磁器・お酒・着物などが挙げられます。

 

・貴金属

美術品や骨董品と同様で中には高値で買い取りしてもらえる可能性が高いものもあります。こちらも勝手に処分してしまうと、遺族同士でトラブルになることがあるので保管しておくと良いです。貴金属の例として、金貨・小判・板金・指輪・ネックレスなどが挙げられます。

 

上記で挙げた遺言書や現金、登記簿、通帳、貴金属など相続の際に必要なものは当然ですが、その他にもへその緒や母子手帳、故人様からご遺族の方へ宛てた手紙などを見つけた際には、必ず依頼者様へお渡ししております。

遺品に対する想いや価値観は、同じ環境で育てられた兄弟、姉妹などの遺族同士であっても異なるので、遺品の必要・不要の判断基準も異なります。実際遺品を整理する際は、業者が判断できる遺品は少なく、ほとんどご遺族様へ確認が必要となっています。その為、弊社では「貴重品保管箱」をあらかじめ準備してこちらで判断できかねる遺品は一旦すべてこの箱へ保管した上で、ご遺族様へ確認を行い対応させていただいております。こうすることで生産性を高める事につながりますし、遺品を一つ一つ必要かそうでないか、弊社で考えるよりもご遺族に判断していただく方がリスクが少ない施工方法と考えております。

 

まとめ

 

今回は、遺品整理を行う際に処分してはいけないものなどについてお話させていただきました。

遺品整理を行っていると故人様の人生を垣間見る機会が多いです。弊社では遺品整理を行う上で、故人様の人生を感じとれる感性とそれを伝える遺品整理業のスタッフの教育が重要であると考えております。

また、ただ家の中のものを整理して処分するだけではなく、遺品整理を行うことでご遺族様が本当の意味で故人様とお別れをして一区切りをつけていただければと思います。

 

遺品整理や生前整理についてお悩みの方は、ぜひ一度あぐりへご相談ください。

お客様にきちんと向き合うため弊社では1日1件のみしか施工は行っておらず、お客様のニーズを第一に考えてあぐりに依頼して良かったと満足していただけるように日々業務に取り組んでおります。

遺品整理だけでなく生前整理なども承っております。納得される料金で受注させていただくのはもちろん、お客様に寄り添いご要望にお応えできるよう、誠心誠意対応させていただきます。

ぜひ、お気軽にお問合せください。

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