セルフ・ネグレクトとは

まず【ネグレクト】とは何でしょうか?
ネグレクトは「保護者や介護者が、子どもや高齢者に対して育児や介護を放棄すること」を指します。

次に【セルフ・ネグレクト】とは何でしょうか?
直訳すると「自分自身への放棄=自己放任」となります。自分自身や他者への関心がなくなり、引きこもってしまうことが大半を占めます。

セルフ・ネグレクトの典型例

高齢になると体力・気力が低下し、思うような生活が送れなくなっていきます。
腰や膝が痛むことも多くなり、高い所の収納スペースを利用することが難しくなります。
そして時間の経過とともに部屋が物で溢れてきます。次第に友人や親類を呼ぶことが億劫になり、部屋はさらにゴミ屋敷化していきます。

ゴミを捨てなくなるので部屋は腐敗臭が充満します。郵便受もチェックしないので、郵便物が溜まり始めます。
この頃初めて近所の人や民生委員が異変に気づくパターンが多いのです。結果的に関係者立会いのもと、警察が部屋に入ることになります。

誰にも看取られることなく孤独死となったご遺体が発見されることも多く、時折ニュースで報道されることもあります。
一方、不衛生な住環境で生活を続ける住人と対面することもあります。

まともに食べていないので痩せ細り、髪や爪は伸び放題。
このまま放っておけば間違いなく孤独死してしまう状況です。孤独死の80%以上はセルフ・ネグレクトが原因だといわれています。

セルフ・ネグレクトの特徴

①体や服装が不衛生である
・前述のように髪や爪が伸び放題になっていたり、入浴しないため悪臭を放っているケースが多々あります。また、洗濯もしないので服が汚れたままだったりシワだらけの場合も要注意です。

②治療の放棄
・以前は通院し薬を服用していても、セルフ・ネグレクトに陥ると極端に外出することが減り通院しなくなります。治療を放棄してしまうので薬が飲めなくなり、不衛生な環境のもとで更に病気を悪化させてしまいます。

③お金の管理
・部屋がゴミ屋敷化してしまうと、印鑑や通帳もその中に埋もれている可能性があります。本人もそのことは自覚していても探そうとはしないのです。
結果的に預貯金の出し入れができなくなるケースがあります。家賃や公共料金が引き落とされず、大家さんが不審に思い訪問してみると孤独死の現場に遭遇することが多いのです。

④不衛生な環境
・部屋を占領したゴミは、やがて外にまで溢れるようになってきます。
ネズミやゴキブリ、ダニなどの害虫は近隣住民にも害を及ぼします。生ゴミや残飯、汚物を捨てないままなので、完全に撤去しない限り解決しない問題です。

⑤排泄物の放置
・特に認知症が進んでいる高齢者に多い特徴です。
排泄したこと自体を忘れてしまうことが原因の一つです。また、うまく排泄できなかった失敗を恥ずかしく思い、介護用オムツや下着をどこかに隠してしまうケースもあります。どこに隠したか忘れてしまうので悪臭を放つことになります。
認知症でなくても、身体機能が低下するとトイレが億劫になってきます。身近にある洗面器やペットボトル、バケツ等に排泄することもあります。

⑥周囲からの孤立
・他者との関わりを拒絶してしまうと周囲から孤立します。
周囲の人たちも気にはしますが声を掛けづらく思っているものです。その間も部屋はゴミで溢れかえり悪臭を放ちます。
いずれ周囲の人たちとトラブルになり、ますます孤立してしまうのです。

もしもゴミ屋敷化してしまったら

セルフ・ネグレクトに陥った住人は、ゴミをゴミだと認識していません。
片っ端から捨てようとすると強く抵抗します。
一度でもこのような状況になってしまうと警戒心が強くなり、今後の対応が難しくなります。時間がかかっても一つ一つ確認しながら分別することが重要です。

ゴミ屋敷を清掃する専門業者も、決して独断で処分するようなことはしません。必ず住人の気持ちを尊重するものです。その安心感が住人の心を開かせることにつながるのです。

まとめ

セルフ・ネグレクトであることを自覚してもらうことは非常に難しく、自覚したからといってゴミ屋敷問題が解決するわけではありません。
まずは大きな改善を目指すのではなく、本人の気持ちに寄り添いながら小さな改善を積み重ねるイメージを持つことが大切です。

相続放棄について

故人の財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。
相続の際、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続することになります。特にマイナスの財産には注意する必要があります。

マイナスの財産とは

  • 借金
  • クレジットカードの利用代金
  • 住宅ローン
  • 税金

これらが主なマイナスの財産です。もちろん借金は個人間のものも含まれます。

借金は隠されている

故人に借金があり長期入院していた場合などは、返済ができず滞納することになります。よって家族が借金の存在に気づくことができます。
しかし不慮の事故などで急死した場合は、借金が表面化するのが遅れることがあります。
また、プラスの財産はエンディングノート等に記入する人が多いですが、マイナスの財産については記入を躊躇するものです。

故人の借金を把握する方法

故人にマイナスの財産があると仮定するなら、正確に借金等の存在を把握する必要があります。
銀行やクレジットカード会社、消費者金融会社は債務者である故人のデータを信用情報機関に登録します。相続人はこのデータを【開示請求】して確認することが必要です。もちろん個人情報ですので、通常は本人のみ開示請求できます。しかし本人が亡くなった場合は、自分が相続人であることを証明してから開示請求することになります。
証明は信用情報機関に戸籍謄本を提出することになります。開示できたら

  • 負債額
  • 担保の内容
  • 連帯保証人の有無

を早急に確認しましょう。

相続放棄

故人にマイナスの財産があった場合、何もしなければマイナスの財産も引き継ぐことになり、返済の義務が生じます。
マイナスの財産を相続したくないのなら、相続を放棄するしか解決方法はありません。これが【相続放棄】です。
家庭裁判所に書類を提出することでマイナスの財産を相続せずに済むのです。まずは相続放棄のメリットとデメリットを知っておく必要があります。

メリット

  • マイナスの財産を引き継がなくてよい

これが最大のメリットです。
負債額の大小にかかわらず一切マイナスの財産に関与することはなくなります。

  • 相続トラブルに巻き込まれない

遺産相続のトラブルは家族関係を悪化させるので大きなストレスになります。
トラブルは長期化することも珍しくなく、心身ともに疲弊してしまいます。
しかし相続放棄をしてしまえば相続人でなくなりますから、こういったトラブルとは無縁になります。

デメリット

  • プラスの財産も放棄

相続放棄するとプラスの財産も放棄することになります。
プラスの財産がある場合は、相殺してもなおマイナスの財産が残るようなら相続を放棄する方が良いでしょう。
マイナスの財産額が確認できたからといって、プラスの財産に目を向けないことがないように注意しましょう。

  • 相続人が変更になる

相続を放棄するということは新たに相続人が決まることを意味します。
きちんと相続放棄することを伝えないと家族関係が悪化するでしょう。突然、相続人になりマイナスの財産を引き継ぐリスクを負うことになるからです。親や兄弟には相続放棄することを必ず伝えましょう。

  • 撤回できない

家庭裁判所が相続放棄を認めたら、撤回することはできません。
相続の放棄は、相続人になってから3ヶ月以内に申請する必要があります。放棄したものの、後から巨額のプラスの遺産が見つかったとしても都合よく相続はできません。
くれぐれも全財産の調査は慎重に行うようにしてください。

まとめ

相続放棄の手続きは思ったほど難しいものではありません。
「相続放棄申述書」を記入し、戸籍謄本などの必要書類と一緒に家庭裁判所へ提出するだけの手続きです。もちろん時間や手間を省きたい場合は、弁護士等に依頼するのが有効な方法です。

自筆証書遺言:法改正について

遺言書を作成するにあたり、自筆で作成することはポピュラーな方法として知られており、【自筆証書遺言】と言われています。

2018年7月に相続法が大幅に改正されました。それに伴い遺言に関する改正も段階的に施行されていくことになります。
自筆証書遺言に関する主な改正点は、

  • 財産目録をパソコンで作成できるようになった。
  • 遺言書は法務局で保管できるようになった。

この2点です。

財産目録の作成

遺言書には財産目録を添付しなければなりません。
これまではこの財産目録と遺言書本体は、全て手書きでなくてはなりませんでした。一字一句ミスが許されず、せっかく時間を費やして作成しても無効となるケースが多かったのが問題でした。

2019年1月13日からは「財産目録に限り」、パソコン等で作成することが可能となります。その際、財産目録の全ページには遺言者の署名押印が必要です。また、通帳のコピーや登記簿謄本のコピーを添付することも可能となり、かなり手間が省ける印象です。

法務局による遺言書の保管

自宅に保管することが多かった自筆証書遺言。誤って廃棄してしまったり誰かに改ざんされる可能性がありました。
少し先になりますが、2020年7月10日からは法務局が遺言書を保管してくれるようになります。
紛失や改ざんといったリスクとは無縁になるのです。
遺言書は書き方のルールが難しく、途中で挫折してしまう方も。しかし2020年7月10日以降は、法務局が記入内容をチェックしてくれるようになります。
法務局というプロが事前にチェックするのでミスを修正するチャンスが得られるのです。
自筆証書遺言の保管は原本だけではなく、画像データ化したものも保管してくれます。よって、全国どの法務局からでも遺言書の謄本データを確認できるようになるのです。

検認不要

これまで自筆証書遺言は、封がされている場合は家庭裁判所に持ち込む必要がありました。家庭裁判所で相続人立会いのもとで開封することで、遺言書の改ざんや破棄を防止していました。
しかし、法務局が保管する場合はそういったリスクは一切生じません。つまりこれまでの検認は不要となるのです。

【注意点】

注意点は、「本体は手書きに限る」という点です。これは、これまでと変更ありません。
パソコンでの作成が可能になるのはあくまで「財産目録のみ」です。本体は必ず手書きで書く必要がある以上、
「親父の字と違う!」
といったトラブルに発展する可能性は0ではありません。

今回の大幅な改正で新たに「保管」の制度が加わったにすぎません。遺言書本体への法改正ではありません。遺族間のトラブルを回避するためにも、自筆証書遺言を作成したなら法務局での保管をおすすめします。

これからの自筆証書遺言

遺言書本体とは異なり財産目録は自筆でなくてもOKになるので、弁護士や行政書士等の専門家に作成してもらうのも方法の一つです。
もちろん弁護士等に依頼するのであれば、自筆証書遺言を保管してもらうことが可能です。(ただし、法務局保管ではないので検認は必要です)

煩雑な財産目録をパソコンで作成できるので、修正が容易になります。終活の中でも敷居が高い遺言書作成が、少しは身近なものになるかもしれません。

まとめ

実際に遺言書を作成する人は、多くないと言われています。
これまでは全文手書きでしたから、度重なる修正等で疲れてしまい途中で挫折してしまう方が多かったのです。
今回の相続法改正により、記載内容のミスや紛失、改ざんのリスクが大幅に減るでしょう。
昨今の「終活ブーム」で自筆証書遺言に興味を持ったものの躊躇していた方も、この改正を機に遺言書を残すようになるでしょう。
費用も安く抑えられ格段に利用しやすくなった自筆証書遺言に、あなたも取り組んでみてはいかがでしょうか。

実家の片付けないことの4つのリスク

久しぶりに実家に帰省した際、以前来た時よりも部屋が物で溢れている印象を持ったことはありませんか?
親が片付けられないケースは昨今増えており、そこには「片付けないことの4つのリスク」が潜んでいるのです。

リスク1:ケガ

部屋が物で溢れることの最大のリスクは、転倒によるケガです。
高齢者の場合、転倒によるケガで寝たきりになるケースが非常に多いのです。部屋がバリアフリーになっていても物が溢れていたら本末転倒。
高く積まれた本が地震で崩れてくるかもしれません。
寝たきりになってしまうと買い物に行きづらくなるほか、部屋の物を移動させることも難しくなってしまいます。それに加えゴミ出しも容易なことではなくなり、ますます部屋が物やゴミで溢れることになるのです。

リスク2:ゴミの処分費用

ゴミが部屋を占領してしまうと、健康に害を及ぼします。
ゴミを捨てないため生ゴミは腐敗し異臭を放つようになります。このような不衛生な住環境で高齢者が生活するのは大きなリスクを伴います。

本人一人で片付けられないので、多くの場合はハウスクリーニング業者に依頼してゴミを撤去してもらうことになるでしょう。ゴミを搬出・撤去し、床や水周りの清掃もあわせて依頼できますが、それなりの費用が必要になります。
何より部屋がきれいに片付いた清潔な住環境は、高齢者の健康管理にとても有益であることを本人に理解してもらうことが大切でしょう。

リスク3:紛失

物やゴミで部屋が占領されてしまうと物を紛失しやすくなります。
紛失したら簡単には発見できないことは本人も理解しているものです。そのため探すことをしなくなってしまうのです。

生活に直結する印鑑や通帳、保険証などを紛失してしまうと大変です。事実、ハウスクリーニングを業者に依頼すると物やゴミの下から貴重品が発見されることが非常に多いのです。
このことは本人ですら紛失したことを忘れていることが多く、物やゴミを片付けることがいかに重要であるかを物語っています。

リスク4:孤立

物やゴミで溢れた不衛生な状態では、当然親せきや近所の人は寄り付かなくなってしまいます。
本人も人を家に呼びづらくなるため、ますます孤立してしまいます。周囲からの孤立は孤独死の原因にもなります。
引きこもりがちになり孤立化が進むと、異臭や害虫の発生などのトラブルが発生していることも考えられます。ご近所トラブルは高齢者の孤立化をいっそう加速させてしまうでしょう。
離れて暮らす親が、どのような環境で生活しているのかを定期的にチェックするのが理想です。

4つのリスクを回避するには

まずは面倒でも実家を頻繁に訪ねることです。
急に物やゴミで部屋が占領されるわけではありません。こまめに実家を訪問することで、ちょっとした変化に気づくことができます。

ゴミ屋敷の主のように親が物やゴミに固執し始める前に、一緒に整理整頓していくことが有効です。問題を先送りしてしまうと、親は徐々に物やゴミを捨てられなってしまいます。
高齢者の多くは物に囲まれて暮らすことに安心感を覚える傾向が強く、あからさまに「捨てる」ことを提案すると強固に拒まれることになります。

そうなる前に「終活」を話題に出しながら一緒に整理整頓するのが自然な方法です。清潔な住環境をキープすることがカギとなります。

まとめ

部屋の整理整頓は「終活のはじめの一歩」と言えるかもしれません。
いる物といらない物を分別し整理することは、まさに生前整理そのもだからです。
散らかった部屋を見られることを恥ずかしがることもあります。そんな時は第三者であるハウスクリーニング業者に依頼してみましょう。見積り作成のための下見の段階で、本人と業者が懇意になるケースもあります。

孤独死に直面したら…

誰にも看取られることなく亡くなる孤独死。
老衰、病死、自殺など死因は様々です。共通して、発見が遅れてしまうと部屋に臭いが充満することになります。同時にハエなどの害虫が発生し、次第に体液が部屋を汚していきます。

近隣住民がこの異臭に気づいたとしても、勝手に部屋へ入ることはもちろんできません。管理会社や大家さんが保証人に連絡を取り、警察立会いのもとで部屋へ入ることになります。
こういった孤独死に直面した場合、【後処理】が非常に重要になります。

謝罪

臭いや害虫の発生といった状況は、部屋を完全に清掃する必要があります。
既に近隣住民には臭いや害虫で迷惑をかけているでしょうから、謝罪に回らなくてはなりません。
遺族は大切な人を亡くした悲しみが消えないうちから、周囲に非難されることも多く、罪悪感でいっぱいになるといいます。

大家さん側の問題

亡くなられた現場が賃貸物件だった場合は、深刻なトラブルを招くリスクが高まります。特に大家さんは大変です。

腐敗臭の除去など後処理が完璧に済んだとしても、風評被害は消えないからです。特に自殺だった場合は事故物件となるため、その後の賃貸経営に多大な影響を及ぼすことになります。

近隣住民側の問題

遺体の発見が長期間遅れた場合、階下の部屋の天井や壁に体液が染み出していることがあります。他にも害虫の発生により健康被害が出ているケースもあります。

賠償問題

大家さんや近隣住民には賠償金を請求される可能性が高くなります。特に大家さんにとっては深刻な問題です。

  • 他の住人が引っ越してしまったことによる影響
  • 次に誰かが入居するまでの家賃補償
  • 特殊清掃費用

これらの賠償金請求は、大家さんからみれば当然のこと。遺族は孤独死に直面した時点で多額の賠償金を支払う覚悟をしなければならないでしょう。

特殊清掃費用

特殊清掃のメインは腐敗臭の除去です。
体液や血液の付着といった見た目のダメージは、畳やフローリング、壁紙を交換すれば良いでしょう。
しかし実際は見えない箇所の体液や血液を完全に除去しない限り、腐敗臭は消えることはありません。一時的に臭わなくなっても必ず異臭に悩まされることになります。

そのため管理会社や大家さんは、腐敗臭が完全に除去されたことが確認できるまでは納得しません。腐敗臭が僅かでも残る部屋を借りる人は皆無だからです。

いつまでも消えない腐敗臭の原因は、見えないどこかに残っている体液です。
床下や基礎部分にまで体液が侵食していることに気づかないと、腐敗臭はどんどん強くなっていきます。
この体液が侵食している箇所を特定し、完全に除去するのが特殊清掃なのです。

その費用は、体液の侵食具合によって大きく異なります。
階下にまで侵食が及んでいる場合は、階下も含めてリフォームが必要になるでしょう。
1階の床下であっても、基礎部分のコンクリートにまで侵食している場合は大規模な工事になることもあります。特殊清掃業者がなかった時代は一棟丸ごと取り壊すことが殆どっだたようです。

最近は高い技術力を誇る信頼できる専門業者が増えてきました。
そのため一棟丸ごと取り壊すケースは減ってきています。しかし技術力が高いからこそ費用が高額になってしまいます。

その他の影響

通常、遺品整理時に不用品があった場合は業者が買い取ってくれます。本や着物、家電、家具が代表的な物です。もちろん貴金属や骨董品も買い取ってくれるでしょう。
しかし、これらの物に腐敗臭が付着していると買い取ってもらえる可能性はかなり低くなります。
そもそも遺品整理をする前の段階で、これらは既に腐敗臭が付着しています。よって遺品整理前に処分しないと腐敗臭が消えず、遺品整理にとりかかることが難しくなります。形見として残したい物、エンディングノート等で故人が残すことを希望した物も処分しなくてはならないかもしれません。

まとめ

人はいつ、どこで、どのように亡くなるかわかりません。
病院や自宅で看取られて亡くなるばかりではありません。
つまり孤独死するのは高齢者ばかりではないということです。孤独死=独居老人のイメージは捨て去ることも大切です。
誰もが直面する可能性がある以上、孤独死に直面した場合について考えておく必要があるでしょう。

不用品回収のトラブルについて

遺品整理や生前整理を専門業者に依頼し、不用品がある場合は買い取ってもらうことができます。その代金は作業代金から差し引かれますので、単に廃棄処分してしまうのではなく積極的に査定してもらうとお得です。
しかしこの不用品の買取りについて注意すべき点があります。

古物商許可

まず業者が古物商の許可を得ているかがポイントです。
中古品をリサイクルや転売目的で買取りを行う業者や個人は、この古物商許可が必要です。業者のホームページに古物商許可の番号が掲載されているかチェックしてください。番号が掲載されていてもデタラメな番号や他社の番号を掲載しているケースもありますので注意してください。

査定額の根拠が不明瞭

高額な査定額であろうとなかろうと、その根拠を示すことができない業者は信用に値しません。
前述の古物商許可は書類を提出すれば取得できるものとなっています。決して目利きを裏付けるものではありません。
なぜその査定額なのか説明しない場合は悪徳業者の可能性があります。専門外で「説明できない」ことはあるでしょう。しかし、「説明しない」業者は危険です。

まとめた査定額の提示

きちんと古物商の許可を得ているならば、ひとつひとつの遺品に対して査定額を出すことになります。
しかし悪徳業者は、
「全部まとめて5万円」
といった具合で査定額を提示することがあります。
買い取る物にもよりますが、古物商の許可を得ている者は帳簿に買取金額を品物ごとに記載する義務があります。まとめた査定額を提示するような業者はこのような義務を無視する悪徳業者であると言えます。
また、遺品の中に高額な物が含まれている場合は注意してください。査定額の根拠を必ず求めるようにしてください。

クーリング・オフは適用外

クーリング・オフは訪問買取りについて適用されるため、遺品整理等と一緒に依頼した場合は適用されません。
後になって不正に買い取られたことに気づいても、遺品は返ってこないでしょう。売却してから後悔しても遅いのです。遺品は故人が遺した大切な品です。買い取ってもらう際は慎重になりすぎるくらいが丁度いいのです。

不正買取の対策

事前に遺品の価値を把握しておくことが必要でしょう。骨董品は難しいかもしれませんが、インターネットで調べるだけでも価値が判明することは案外多いのです。
また、見積り内の下取り額を比較することも大切です。業者によって査定額が異なるのは当然ですから、比較検討するためにも相見積りを取りましょう。

不用品回収業者とのトラブル

遺品整理や生前整理を専門業者や遺品整理士に依頼せず、遺族だけで行う場合もあるでしょう。
処分に困った遺品をどうするべきか悩んだ時、ポスティングされていた不用品回収業者のチラシを見て依頼することになるかもしれません。

チラシの多くは「無料」とか「0円」と謳っているものがほとんどです。
近年、こういった業者とのトラブルが多数報告されています。

  • 無料と書いてあったのに査定料・見積り料を請求されたケース
  • 処分料金を請求されたケース
  • 搬出などの作業料金の請求されたケース

これらが主なトラブルの内容です。
不用品回収業者は商売として不用品を回収しています。ボランティアではありません。商売である以上、処分費用は必ず発生し、それは依頼者が負担することになります。にもかかわらず「無料」や「0円」といった紛らわしい文言で宣伝するのです。
中にはあまりにも高額な料金を請求されたのでキャンセルを申し出たら【キャンセル料】を請求された事例もあるので注意が必要です。

不用品回収業者への対策

やたら「無料」、「0円」などとPRしている業者を利用しないことです。
あの手この手で料金を請求するのが悪徳業者の手口です。甘い謳い文句に惑わされないようにしてください。

ご遺族様の負担を減らすには!

終活に取り組む方の中には、遺品整理費用について悩んでいる方もいるでしょう。残された遺族のためを思うなら、遺品整理費用を節約することは立派な【思いやり】です。
少しでも遺族の金銭的な負担を減らすための方法をご紹介します。

相場はない

遺品整理を専門業者に依頼する場合、「相場は存在しない」と考えておいた方が賢明です。
物の量や部屋の広さ、時間的な制約によって料金は大きく異なるため、明確な相場は存在しないからです。

相見積りで比較する

相場が存在しないとはいえ、やはり見積りは必要です。
ただし終活の一部として、事前に予算をイメージするための見積りとなります。見積りを取ったからといって依頼しなければならないことはありません。複数の遺品整理業者から同じ条件で見積もりを請求しましょう。多くの見積りを比較検討することで、遺品整理の【相場観】がわかるようになってきます。

「見積り無料」としている業者が多いですので、遠慮せずに請求してみましょう。
できれば近郊の業者が良いでしょう。遠方の業者でも構いませんが、交通費等が高額になりますので比較検討はできません。

見積りが揃ったら

ある程度見積りが集まったら、金額を抑えることができそうな項目を探してみましょう。
親せきや知人の手を借りることができれば、大幅に人件費をカットできます。大きな家具や粗大ゴミの搬出・処分も可能になるでしょう。
ただし、その親せきや知人が高齢者や女性ばかりの場合は話が別です。できれば生前整理の段階で、誰に遺品整理を頼むのか候補者を決めておくことは重要です。

不用品の価値を調べる

不用品は遺品整理業者がその場で買取りをしてくれます。
下取り代金は遺品整理費用と相殺されるので、下取りを依頼することは節約につながります。
定価がはっきりわかる物や、高価な貴金属は事前に価値を調べることをおすすめします。調べた価値はリスト化しておくと便利です。

不用品の査定は面倒でも専門店で行ってもらうのがベスト。
例えば昔収集していた切手や古銭。これらを何でも取り扱っているリサイクルショップに持ち込んでも査定額は期待できるものではないでしょう。

換金

高価な貴金属は相続時にもめることがよくあります。
遺族間の相続トラブルを回避・軽減するためにも、高価な貴金属は事前に売却して換金するのも一つの方法です。その現金を公平に分けるのが一番後腐れのない相続です。
売却し換金した物はリスト化し、現金と一緒に保管しておきましょう。遺品整理がスムーズに進み、トラブルにも発展することは少なくなるでしょう。

遺族の負担

生前整理は、遺品整理時の遺族の負担を減らすことが目的の一つです。
誰かが亡くなった時、葬儀やお墓などの費用が必要になるのは簡単に想像できます。
しかし、その後の遺品整理に関わる費用について意識できる遺族は皆無です。もちろん【相場観】もありません。
遺族を混乱させないためにも、取り寄せた見積りは廃棄してしまうのではなく、エンディングノートや貴重品と一緒に保管しておくと良いでしょう。遺品整理を依頼したい業者が見つかったら「ここに依頼してください」と一言、見積書に書いておけば遺族の負担は少なくなるでしょう。

そうでなくても遺品整理に臨む遺族のプレッシャーは相当なものです。精神的な負担を軽くするためにも、遺品整理を意識した生前整理は重要と言えるでしょう。

まとめ

【相場観】が不透明で全体像がつかみにくいのが遺品整理です。
単に形見分けをするだけなら良いですが、多くの場合あらゆる遺品を処分しなくてはなりません。
遺品整理におけるお金の負担を少しでも減らすには、まず見積りを見比べて遺品整理の【相場観】を知ることが先決です。

福祉整理とは

【福祉整理】という言葉をご存知でしょうか?
遺品整理や生前整理と違って、あまり聞き慣れない福祉整理。まずは言葉の意味を知りましょう。

  1. 遺品整理
  2. 生前整理
  3. 福祉整理

①遺品整理

・個人が亡くなった後に、遺言書やエンディングノートをもとに遺品を整理すること。

②生前整理

・残された家族が判断に迷わないように、前もって(生きているうちに)財産や物品を整理すること。

③福祉整理

・主に高齢者やお体が不自由な方が、快適な住環境を整えることを目的とした整理のこと。【終活】の一つとも言えますが、福祉整理は「死」に備えた整理ではなく、現在の住環境を改善するための清掃・整理です。しかし高齢者やお体が不自由な方は、普段お部屋を整理整頓したくても手が行き届かないものなのです。
結果的にゴミを溜め込んでしまい、自分ではどうすることもできず途方に暮れてしまうケースに発展してしまいます。

なぜ福祉整理を行うのか?

高齢者やお体が不自由な方にとって、整理整頓や徹底した清掃は容易なことではありません。清掃できないことで次第に部屋が散らかっていきます。
最悪の場合ゴミ屋敷化することもあるのです。しかし、このような住環境は健康にも悪く、衛生上も良くありません。
これらのリスクを福祉整理によって減らす必要があるのです。

福祉整理のメリット

・清潔な住環境が整う
・部屋がきれいに片付く

ホコリやダニがなくなることで清潔な環境で、健康的な生活を送れるようになります。部屋が片付くことにより、家の中での転倒など思わぬ事故を未然に防ぐこともできるでしょう。
福祉整理は必要な物と、不要な物の選別も行うので「生前整理の第一歩」ともいえます。
福祉整理はご本人にとってもご家族にとっても、より良いライフスタイルを得るための手段となります。そのためには福祉整理を行ってくれる専門業者を探すことから始めましょう。

福祉整理を業者に依頼するメリットは?

専門業者に依頼すればスピーディーにお部屋が片付きます。

・長期間、入院することが決まった。
・施設に入居することになった。

こういった場合は、お部屋を早急に清掃・整理する必要があります。しかしゴミの分別や粗大ゴミの搬出・処分などを依頼者や住人が行う必要はありません。依頼者や住人の労力は一切不要です。
ご自身では解決できない福祉整理のお困りごとが、迅速に解決できるのがメリットです。

どのような業者に依頼するべきか?

福祉整理はお部屋の清掃・片付けがメインとなりますので、ハウスクリーニング業者が適切です。しかし生前整理の側面もあるため、できれば生前整理や遺品整理も行っている業者が最適といえます。

注意すべき業者の特徴とは?

・下見をしない。
・見積りの内訳が不明瞭。
・料金が先払いである。
・高額な追加料金の発生。

通常、下見は必ず行われます。下見を行わずに見積りを作成することはできないからです。

・部屋の広さ
・ゴミの量
・依頼者、住人に意向

こういった様々な視点で下見を行ったうえで見積り額が決まります。
しかし中には、望んでいない作業項目が含まれていたり強引に契約を結ぼうとするケースもありますので、悪徳業者には十分気をつけてください。そのためにも当サイトを活用したり、口コミを参考にするのがベストです。
追加料金が発生するのは仕方のないことですが、異常に高額な追加料金を請求する業者もいます。
追加料金については、必ず見積りを受け取った時点で確認してください。

まとめ

見積りは必ず複数の業者からもらいましょう。言われるがままに高額な料金を支払うことがないようにすることが大切です。
これからの人生を健康的に過ごすための福祉整理。まずはしっかりと福祉整理に関する知識を得ることが必要です。
電話対応は良くても、残念ながら依頼者や住人の気持ちを無視するような作業の進め方をする業者もいます。
様々な業者を比較して最適な業者を探しましょう。

ゴミ屋敷について考えてみよう

昨今、社会問題になっているゴミ屋敷。
ゴミの価値観は人それぞれです。そのため、しばしば近隣住民や自治体とトラブルになるケースが見受けられます。
以前は一軒家が多かったゴミ屋敷も、最近ではアパートやマンションの一室がゴミ屋敷になっていることも多いため、表面化しづらくなっています。ひどい場合は、自治体により【強制代執行】が行われることもあります。

ゴミ屋敷のリスク

主なリスクは3つです。

  1. 火災
  2. 害虫
  3. 悪臭

①火災

火災の原因として考えられるものはいくつかあります。ゴミ屋敷はさまざまなゴミが大量にあるので燃え広がりやすく、近隣住民の脅威となります。

・放火
・スプレー缶類による爆発
・トラッキング(コンセントにホコリがたまって発火する現象)

②害虫

ゴキブリやハエ、ダニ、ネズミなどの害虫が発生し、さらに不衛生な環境を生み出します。害虫被害は近隣住民の健康を害するリスクが高くなるため、早急な対策が求められます。

③悪臭

ゴミ屋敷は残飯や汚物、生ゴミがそのままになっているので、悪臭や腐敗臭を放ちます。窓付近までゴミが溢れていると、窓を開けられないので換気できなくなります。こういった悪臭はカーテンなどの布製品にも付着するため、ゴミを撤去しただけでは消えないことが多いです。

解決策:業者に依頼する

ゴミ屋敷を清掃してくれる専門業者や、ハウスクリーニング業者を探すことがゴミ屋敷解決の第一歩です。
そもそも一人でゴミを片付けられないからゴミ屋敷になってしまうのです。業者に依頼するのが一番早く問題を解決する方法です。

業者に依頼するメリット

・近隣住民の不安を解消できる。
・健康的な生活を送ることができる。
・ムダな買い物をしなくなる。
・失くした物が見つかることがある。

ゴミ屋敷の住人はすでに所有しているにも関わらず、同じものを購入する傾向があります。それは、ゴミの中から探し出すのが面倒だからです。

業者に清掃を依頼すると通帳や印鑑、お金が見つかることも多く、メリットの一つといえるでしょう。

清掃の代表的な工程

①ゴミの分別

必要な物なのか不要な物なのかを確認しながら分別します。捨てる物については可燃・不燃などの分別を行います。

②リサイクル可能な不用品の整理

不要であっても買い取り可能な家電や家具は、業者が買い取ってくれます。(業者による)

③回収&処分

分別したゴミを戸外へ搬出します。ゴミは適切に処分されます。

④害虫駆除&清掃

原状回復のため徹底的に清掃します。特に悪臭の元になりやすいトイレや浴室、キッチンは念入りに行われます。

悪徳業者の特徴

・見積りに不明瞭な点が多い。
・ゴミを適切に処分するための行政許可を受けていない。
・リサイクル可能品を買い取る際に必要な古物商許可を得ていない。
・ゴミを分別しない。(不法投棄の恐れあり)

見積りをとる

必ず複数の業者から見積りをもらいましょう。

料金の安さだけに注目すると、思わぬトラブルに巻き込まれます。
行政の許可を受けていない業者や、ゴミを分別しない業者は不法投棄を行う場合があり注意が必要です。不法投棄した業者だけでなく、処分を依頼した側にも罰則が与えられるからです。

見積りを見て不明瞭な点を見つけたら、必ず確認するようにしてください。
また通常のゴミ屋敷を清掃するのか、遺品整理を兼ねた清掃なのかもハッキリと伝える必要があります。

まとめ

ゴミ屋敷の清掃は時間がかかります。
特に遺品整理を兼ねている場合は、「保管するのか 廃棄するのか」の判断を依頼主に細かく求めることになるでしょう。

しかし、どれだけ時間がかかってもプロである業者に依頼すれば、必ず解決します。
住人はもちろん、近隣住民のためにも早急にゴミ屋敷問題を解決させましょう。

 

 

 

 

 

親の遺品整理の流れを知ってその時に備えよう。

遺品整理に関する知識は持っておくべき

遺品整理に関する知識は、できれば親が亡くなる前に身につけておいた方が良いでしょう。その理由についてこれから説明していきます。

親が先に亡くなる可能性が高い

年齢的な問題で、子より先に親が亡くなる可能性の方が高いというのが理由の1つです。親が亡くなった場合、遺品整理は相続人になる配偶者と実子が行わなければなりません。

遺品整理の際になんの知識もないまま取りかかると、相続人同士でトラブルになることがあります。いざという時に慌てることがないように、遺品整理の知識はあらかじめ持っておいた方が良いでしょう。

死後の手続きは非常に煩雑

身内が亡くなったら悲しみに浸る余裕もなく、やるべきことが山ほどあります。

死亡診断書の受け取りや、死体火葬許可証の受け取り、市町村への住民票抹消届や世帯主変更届の提出などの公的な処理にはじまり、ガス・水道・電気会社への解約申請、土地の名義人の変更や葬儀の手配などの名義人変更の手続きもやらなければいけません。

これらの手続きには死亡後一定期間内にやる決まりもあります。その時になって慌てないように、あらかじめ知っておきましょう。

心の準備ができる

故人の死のショックが大きく、何もできなくなってしまう人もいます。ところが役所の手続きや遺品整理には法的に期間が定められていることが多く、ようやく心が落ち着いてきたから何かしようと思っても、手遅れになっていることも多いのです。

そうならないように、あらかじめ心の準備をしておくことが大切です。

遺品整理の知識を得て、ある程度のシミュレーションを行うことで、故人に死に対する心構えを、生前のうちに持っておきましょう。

遺品整理の目的

遺品整理をただ死んだ人の物を処分することだと思っている人もいます。取っておかなければならないもの、価値ある物を他の人に無断で捨ててしまい、トラブルになるケースも少なくありません。

そうならないためにも、遺品整理を何の為にするのかを知っておきましょう。

故人の持ち物を整理し偲ぶ

交通事故などの突然の死だと、親しかった人にとってその人の死を実感できないことがあります。

故人の持ち物を整理することは、遺族にとって故人の死を実感すると共に、死を偲ぶために必要な作業でもあるのです。遺品を整理しながら、生前の故人に思いを馳せるのも良いでしょう。

遺品整理は、故人の死と決別するための過程の1つでもあります。遺品整理をしながら、故人に対してしっかりと別れをいっておきましょう。

相続や形見分けを行う

相続や形見分けも、遺品整理の目的の1つです。資産価値のある品物や土地などは、相続人同士で分配する必要があります。特に土地などは分譲できないケースがあるので、相続人同士でどのように相続するのかをしっかり話し合う必要があります。

勝手に処分したり持ち帰ったりするとトラブルになるので、どのような遺品であってもきちんと相続人同士で話し合いを行いましょう。

また、故人の遺品の形見分けも、遺品整理の際に行いましょう。故人と親しかった人に形見を渡します。遠方にいて直接渡せない人には郵送する方法もあるでしょう。後々のトラブルにならによう、相続や形見分けをきちんとと行っていきます。

不要物を処分する

故人の遺品をすべて取っておくことは難しいでしょう。遺品や遺産を残して、不要な物を処分する必要があります。不要品の処分は慎重に行わなければならないので、注意が必要です。

なぜなら、処分しようと思っていた物の中に価値がある物の場合や、他の人の所有物を借りているケースもあります。生前に形見分けを約束していた物があるかもしれません。そのため、不要品の処分については確認をとった方が良いでしょう。

また、同じ家に住んでいたからといって勝手に遺品を処分するケースがありますが、これはNGです。どんなに親しいからといっても、法的に相続人でなければ遺品を整理する権利はありません。まずは誰が遺品整理を行うのかを明確にして、その上で他の人の合意を得て不要品を処分していきます。

遺品整理は誰が行う?

遺品整理は誰が行うのかはご存じですか?誰が遺品整理をするかは、遺族同士のトラブルでも多い原因です。第三者が勝手に遺品を処分すると、法的に罰せられるケースもありますので、遺品整理をする権利のある人は誰なのかを、明確にしておきましょう。

通常は相続人が実施

遺品整理は故人の所有物であり、一緒に住んでいた同居人であっても、生前どんなに親しい間柄であったとしても勝手に整理することはできません。

遺品整理は、原則として相続人が行います。相続人は、配偶者と実子が最優先で、次にその孫や故人の親、最後に故人の兄弟となります。故人に実子がいる場合、親だからと言って勝手に遺品整理ができない点には注意しましょう。

稀にではありますが、相続人が把握していなかった故人の親族や子供がいる可能性もありますので、相続人の確認は慎重に行わなければなりません。

費用も相続人が負担する

不要な物の処分費用や、相続税、家の解体費用や債務の返済など、これらの相続にかかる費用はすべて、相続人の負担となります。

賃貸に住んでいる場合は、家賃の滞納があったらその支払いや、部屋の原状回復についても相続人が行わなければなりません。相続人が複数いる場合、各相続人で費用は分担して負担する形になります。

また相続財産管理法人で遺品処分をする際には、申請にかかる手数料や、相続財産管理法人を選ぶための予納金は、申立人が納めなければなりません。

遺品整理はいつ行うべき?

葬儀の前に行うのか、それともしばらくして落ち着いてから行うのか、遺品整理のタイミングで悩む人は多いようです。遺品整理を行うおすすめの時期について解説します。

気持ちの整理ができたタイミングで実施

一般的な遺品整理のタイミングとしては、四十九日や一周忌の法要に合わせると良いとされています。この時は親族が集まるため『形見分け』には最適なタイミングだからです。

ただし基本的には、気持ちの整理ができた段階での実施をおすすめします。

気持ちの整理が済んでいないのに無理に整理しようとすると、余計に気持ちが乱れてしまい手がつきません。

また、高齢者夫婦で片方に先に旅立たれてしまうようなケースでは、遺品を無理に整理した結果、残された配偶者が寂しさやストレスからうつ病を併発してしまった事例があります。

作業効率も重要ですが、前提として気持ちが整理できていることが大切です。

賃貸の退去など期限がある場合も

気持ちの整理が重要とは言っても、手続きに期限があるものは先延ばしにはできません。

例えば賃貸物件に故人が住んでいた場合、遺品整理を早めに済ませて退去しなければ、家賃がかかってしまうケースがあります。市営・県営住宅の場合は14日以内の退去が定められています。

借りていた物の返却なども延滞料が取られてしまう可能性もあります。

こういったケースがあるので、まったく着手しないというわけにはいきません。期限があるかどうかだけでも先に確認しておき、それまでに済ませるようにしていきましょう。

遺品整理の流れと注意点

遺品整理の流れと注意点について解説します。遺品整理は故人に関する作業の中でもっとも作業量が多く、そしてトラブルになりやすい作業です。くれぐれも慎重に行っていく必要があります。

価値のある物や形見を仕分け

処分に着手する前に、まずは分別を行っていきましょう。価値のある物は相続人同士で分配する必要がありますし、形見分けの品も選別しなければなりません。

この時、まずは相続人の選出を行うのが優先です。遺品の相続権は相続人にありますので、まずは誰が中心になって遺品整理を行うのかをはっきりさせておいた方が作業が早く進むでしょう。遺品の分配も相続人同士で話し合った方がスムーズに進みます。

処分から先に着手すると、捨ててはいけない物まで捨ててしまう可能性があるので注意しましょう。

不要物の処分

遺品の仕分けが終わってから不要品の処分に着手します。不要品の処分方法についても相続人同士で相談して決めましょう。

業者に頼むのか、それとも相続人同士で作業するのかも決めていきます。相続人が複数人いてスケジュールを合わせるのが難しい場合は片付け業者を利用しても良いかもしれません。その際の費用やオプションについても話し合いましょう。

特定の誰かに負担が偏らないようにするのも大切です。

遺族全員で行う

遺品の中には宝石や高級腕時計などの高価なものもあります。遺族全員で行い、故人の所有物を確認しながら作業を進めていきましょう。

そうしないと、誰かが勝手に持ち帰ったといった、あらぬ疑いがかかることがあります。今後の親戚付き合いを考えるなら、そういった不和の芽は摘んでおいた方が良いでしょう。

遺品をリスト化しておくといった工夫も、遺品整理を円滑にするのにおすすめです。

相続放棄したい場合の対応

相続する遺品が必ずしも有益なものとは限りません。

中には、借金をはじめとして相続したくない遺品も多くあるでしょう。そういった場合、相続を放棄するのが望ましいです。

ただし、相続を放棄する場合にやってはいけないことがあります。また、相続を放棄したにもかかわらず、管理責任を問われる物もありますので、ここではそういった相続放棄の注意点について触れていきましょう。

相続放棄する場合、遺品整理してはいけない

遺品に手をつけた場合、法的には相続することを『単純承認した』とみなされます。相続放棄ができなくなってしまうので、例えばアパートの管理会社から早急な遺品の処分や片付けを求められたとしても、相続放棄するつもりがあるのなら着手してはいけません。

手紙や写真などの資産価値として認められないものについては、法的には問題ありませんが、それでもトラブルを防ぐためには、相続放棄が認められるまでは遺品には手をつけないようにしましょう。また、相続放棄は原則、相続人になってから3カ月以内に手続きしなければいけないことも、覚えておいてください。

遺品整理が必要になるケースもある

相続を放棄したとしても、遺品に関しての責任が追及されるケースがあることは知っておきましょう。それは『相続を放棄した際に他に相続人がいなくなる場合』です。

民法940条には、相続を放棄したとしても、次の相続人が現れるまでは適切に遺品を管理することが義務づけられています。例えば相続するはずだった故人の家の塀が倒壊し、隣の建物に被害を及ぼしたような場合は、相続人がいなければ元々相続するはずだった人に、損害賠償が請求される可能性があるのです。

また、ゴミや腐敗臭が発生していて周辺住民から処理を求められるケースがあります。そうなった場合は、速やかに弁護士など専門家への相談をおすすめします。

こんな時は遺品整理業者の利用を検討

最近では、遺品整理の資格を持った片付け業者も増えています。次のようなケースは、業者への負担を検討しましょう。

心身の負担が大きい

生前親しかった人の遺品整理は、想像以上に精神的ストレスをもたらす場合もあります。また、遺品整理はかなりの体力・気力を要求される作業です。

そのため、遺品整理がまったく進まないというケースはよくあります。心情的に遺品整理がしづらい、また体力的に厳しい場合は業者への依頼を検討しましょう。

処分する物の量が多い

故人の家がゴミ屋敷化しているなど、処分する物の量が多い場合は業者への依頼を検討しましょう。

仕事でなかなか整理の時間が取れない、相続人同士で時間が合わないという場合も同様です。いつまでも遺品整理が終わらないと相続の問題などが片付きませんし、気持ちの整理もつかないでしょう。

遺品整理の資格を持った業者もいますので、頼めば的確に遺品と処分品を仕分けしてくれます。

費用はかかるかもしれませんが、まずは処分を優先しましょう。

個人情報を確実に処分したい

現代では個人情報管理が非常に複雑化しています。スマホやPCのデータや、ネット上で管理・登録しているサービスに残っている情報など様々な形があります。そのため、単純に持ち物を処分するだけでは個人情報を処分したことにはなりません。

個人では難しいネット上の情報も、業者に頼めば確実に処分できます。

親の生前に準備するのもおすすめ

遺品整理は大変な作業なので、親と相談して生前から準備をしておくと良いでしょう。相続についてもトラブルがないよう、あらかじめ話し合っておくことも大切です。

親と生前整理を行う

生前整理は親と共に行うことが大切です。

たしかに、子供からすれば、遺品整理は大変な作業なので、親が生きているうちにある程度やっておきたいという気持ちはあるでしょう。

しかし、親の立場からすれば自分の荷物を生きているうちに整理されていくのですから、あまり快く思わない人もいます。一方的に親の所有品を捨てていった結果、親の反発を招き、かえって片付けが進まなくなってしまったケースもあるので、あくまで現在は親の持ち物を整理するという前提でやっていく必要があるでしょう。

親の意向を確認できる

親と一緒に生前整理を行うことで、親の意向を確認できるのもメリットです。

形見分けとして誰かに残したい物をあらかじめ聞いておいたり、遺言書を作成してもらったりすれば、死後に遺族同士で遺品に関するトラブルを防ぐこともできるでしょう。

遺族としても「親の意向なら…」と納得しやすいはずです。親自身の気持ちの整理にもつながります。

実家の断捨離も実施

親が高齢化していると体力が衰えていて、実家が物でいっぱいということも考えられます。生前整理と共に、早めの断捨離も実施していきましょう。

実家にある物の中には、明らかに不要な物や、親が使っていない物もあるはずです。親と相談の元、実家を使いやすくする意味でも片付けに着手していきます。

親の物に対する思い入れが強すぎて、なかなか断捨離が進まない場合もありますが、一方的に捨てたりせずに、あくまで親の意向を汲んだ上で断捨離をすることが大切です。

まとめ

遺品整理は作業量も多く、何を残すか、遺品をどう分配するかなどで遺族でトラブルになるケースも多くあります。親戚付き合いは後々まで続くことを考えると、トラブルはできる限り回避したいものです。そのために、遺族全員で遺品整理を行い、合意の上で遺品整理を行いましょう。

また、あまりに実家に物が多い場合は、生前から着手していくことも大切です。親と相談した上で仕分けや断捨離を行いましょう。遺品整理が精神的ショックからなかなか進まない、相続人が多くて話し合いが進まないといった場合は専門家への相談も視野に入れることをおすすめします。

親の死で遺族が揉めることのないよう、遺品整理には最大限の配慮と注意が必要です。