遺品の正しい処分の仕方

 故人のお葬式が終わると、次に遺品整理を行わなければなりません。遺品整理の作業の中には、処分で困るものや片付け方を迷ってしまうものがたくさんあります全員が遺品整理の専門業者に遺品整理を依頼するわけではありません。どうすればよいか分からない方もたくさんいらっしゃることでしょう。
今回はそういった疑問を解決するべく、正しい処分の仕方をたくさん紹介していこうと思います。

 1、楽器

ギターやピアノ、ヴァイオリンなどの楽器を趣味としている方はたくさんいらっしゃると思います。楽器は高価なものが多いので、生涯大切に保存される方が多くいます。しかし、ピアノなどは場所をとってしまいます。止むを得ず処分しなければならないという状況もあり得ます。そんな楽器の処分の仕方について紹介していきます。
まずは、粗大ゴミとして捨てる方法です。大型ゴミ受付センターへ連絡をし、予約をします。その後、納付券(シール)をコンビニエンスストアやスーパーなどで購入し、処分する楽器に貼り付けます。そして、予約時に申し合わせた場所へ排出しておけば後は業者が回収しに来てくれます。電話での予約は必須ですので注意するようにしてください。また、予約時に申し合わせた場所に排出されていない場合や、納付券(シール)が貼られていない場合も回収してもらえません。
次は、楽器店などで楽器を買い取ってもらう方法です。やはり楽器というものは高価なものが多いです。そのまま処分してしまうのはもったいないですよね。そういった方におすすめなのが楽器買い取りです。最近ではインターネットの普及により、インターネット上で買い取りをしてくれる業者も増えてきています以前のように楽器店まで重たい楽器を運んで買い取ってもらうということも無くなってきているので、より買い取りをしてもらう人が増えてきています。
他にも、近くの施設や学校などに寄付をするという方法もあります。楽器というものには深い思い入れのある人がたくさんいらっしゃると思います。そういったものはなかなか捨てづらいですよね。そんな時におすすめなのが寄付です。自分が大切にしてきたものをこれからも大切に使ってもらえるというのは嬉しいはずです。大切なものは処分するだけでなく、そういった選択肢もあるということを覚えておきましょう。

 2、フライパンや鍋

意外と処分に困るのがフライパンや鍋です。フライパンや鍋はサイズも大きく、処分方法に悩む方も多いようです。さらに、持ち手部分が木製で本体部分は金属というものもあり、分別を悩む方が多いです。フライパンや鍋自体の大きさが30センチ以内であれば不燃ゴミとして捨てることができますが、30センチを超えるものは粗大ゴミとして捨てなければならないので注意が必要です。

 3、写真やアルバムなどの思い出のもの

遺品整理の際に処分に困るという声を最も多く聞くのが写真やアルバムなどの思い出のものです。子供や孫の大切な写真を大事に残していた方も多くいらっしゃると思います。そんな写真やアルバムを処分してしまうのは心苦しいはずです。どうすればよいのかと頭わ悩ます人がほとんどでしょう。そんな時に最もよい方法が遺品供養です。その遺品供養の方法の一つとしてお焚き上げが適しているのではないでしょうか。お焚き上げとは、捨てるのをためらうものを感謝の気持ちを込めて天に返すための儀式です。写真やアルバムも感謝の気持ちを持って炎で浄化し、天へと返すのが1番です。

 4、仏壇

仏壇はとても重たく、場所も取ります。さらにどのように処分していいのか分からないという方も多いと思います。仏壇にはいくつかの処分方法がありますので、それらを紹介していきます。
1つ目は、仏壇店や業者に引き取ってもらうという方法です。仏壇店では、仏壇や仏具の販売だけでなく引き取りのサービスを行っているところもあります。最寄りのお店で引き取りのサービスを行っているのかどうかを確認してから引き取ってもらうようにしましょう。その仏壇店で閉眼供養(魂抜き)も行ってもらえます。
2つ目は、お寺に引き取ってもらう方法です。菩提寺で僧侶に閉眼供養を行ってもらい、その後仏壇を引き取ってもらいましょう。たまに、菩提寺ではなくても仏壇を引き取ってくれるとこもあります。事前に確認をしてから引き取ってもらうようにしましょう。
3つ目は、閉眼供養を行った後に自分で廃棄する方法です。閉眼供養を行えば、仏壇は家具などと同じように粗大ゴミとして捨てることができます。各自治体のルールを確認し、それに従い処分するようにしましょう。

 5、人形やぬいぐるみ、プラモデル

趣味で集めている人が多いのが人形やぬいぐるみ、プラモデルです。人形など人の形をしたものは昔から魂が入っていると言われています。そういったものはなかなか捨てられないですよね。そんな人形などの処分の仕方をいくつか紹介していこうと思います
1つ目は、人形供養やぬいぐるみ供養などをやっているお寺に供養をしてもらってから処分してもらう方法です。近年ではこういったサービスをしているお寺も増えてきているので、人形供養という単語を耳にしたことのある人もいるはずです。人形やぬいぐるみ、プラモデルなどを大切に集めていた人にとってはこの方法が1番おすすめです。
2つ目は、施設などに寄付をするという方法です。個人が大切にしてきたものをこれからも大切に使っていってほしいと願う人にはこの方法がおすすめです。
3つ目は、フリーマーケットやフリマアプリ、オークションで売るという方法です。捨てるにはもったいないから誰かに譲りたい。さらに、それがお金になれば言うことないですよね。そんな人におすすめなのがフリーマーケットなどで売るという方法です。最近ではフリマアプリやネットオークションが大流行し、以前よりも簡単にフリーマーケットで販売できるようになりました。そういった背景もあり、最近はこのやり方をする人が増えています。ただ、すぐに売れない可能性があるという点には注意が必要です。

6、食品や調味料

遺品整理の際に、遺族が最も引き取りにくいのが食品や調味料でしょう。食品や調味料は消費期限の切れているものや、生ものなどは悪臭の原因となってくるので基本的に全て廃棄するようにしましょう。遺品整理を始めるときは、まずは冷蔵庫をチェックし生ものからどんどん廃棄していくようにしましょう。調味料は処分方法に注意しなければなりません。液体の調味料は新聞紙やウエスなどに吸い込ませて可燃ゴミとして処分するようにしましょう。油も凝固剤などで固めて可燃ゴミとして処分しましょう。決して排水溝に流して捨ててはいけません。

 7、現金や商品券

遺品整理の際にトラブルになりやすいのが現金の振り分けです。故人がタンスなどにしまっておいた現金や商品券が出てくるというのはよくあることです。給与もほとんど銀行振込になったり、スマートフォンやパソコンの普及により電子マネー化が進んでいる現代ですが、高齢者には今でも現金を手元に残している方も多くいらっしゃいます。なので遺族の間でもしっかりと話し合い振り分けるようにしましょう。話し合いを怠るとトラブルの原因となります。また、お中元やお歳暮などでもらったビール券などの商品券が出てくるとこもあります。そういったものもしっかいと話し合いましょう。

今回は、遺品の正しい処分の仕方についていろいろと紹介させていただきました。
少しでもこのブログを参考にしてもらえると幸いです。

 

遺品整理について

 

少子高齢化社会となった今、遺品の整理や遺産相続などが問題となってきています。手続きなど面倒なことが多く、何から手をつければいいのか分からない人もたくさんいると思います。そんな時に、そういった負担を軽減してくれるサービスがあればうれしいですよね?今回はその中でも遺品整理について深く紹介していきたいと思います。


遺品整理とは

まず、遺品とは故人が所有していた動産物のことです。そして、遺品整理とは故人が残した物を整理したり処分したりすることです故人が残した物をすべてゴミとして処分し片付けることではありません。
遺族が形見分け(故人の遺言などで故人が愛用していた遺品などを親族に分配すること)を終えた後、不用品を処分するのがしきたりとなっています。しかし、高齢化に伴い一人暮らしをする高齢者の方が増えてきているため、遺品を受け取る人がいなかったり、見つからないというようなパターンもでてきています。なので、専門業者に依頼するケースが増えてきているようです。


遺品整理を始めるには

遺品整理には、いつから始めていつまでに終わらせるという決まりがありません。なので、遺品整理をいつから始めようかと悩む人が増えてきています。そこで、遺品整理の始め方や、始める時期の目安などについて紹介していこうと思います。遺品整理を始めるタイミングは一般的に以下のようになっています。、

1、四十九日

仏教の考え方には、故人の魂は死後四十九日まで現世をさまようというものがあります。なので、魂が次の世へと行く四十九日を迎えてから遺品整理を行う方が多くいらっしゃいます。また、親戚などの遺族が多く集まる時期ですので形見分けを行いやすいというのも理由の一つです。

2、葬儀後すぐに

遺族の方が最も多く集まるのが葬儀なので、葬儀後すぐに遺品整理を行う方も多いです。遺族の多くが遠方に住んでいる場合や、故人が賃貸物件に住んでいて契約の問題が発生する場合の方は葬儀後すぐに遺品整理を行うことをおすすめします。

3、諸手続きを終えてから

死亡届に始まり、年金や保険金、ガスなど手続きはたくさんあります。それらと並行して遺品整理を行うのはかなり手間がかかるので、手続きを終えてから行う方が多くいらっしゃいます。故人が持ち家に住んでいる場合や、遺族の方が近くに住んでいる場合などは時間的にも余裕がありますので諸手続きを終えてから遺品整理を行うことをおすすめします。


遺品整理をする際の注意点

遺品整理をする際には、残念ながらトラブルが起こってしまうこともあります。トラブルというものはできるだけ避けたいものですよね。そういったトラブルを避けるためにも是非とも注意していただきたいポイントを紹介していきます。

1、遺品整理をする前に必ず遺言書やエンディングノートを確認する

すぐさま遺品整理にとりかかるのではなく、遺言書やエンディングノートを必ず確認するようにしましょう。遺言書やエンディングノートには、故人の意思や遺品に対しての希望が記されている可能性があります。故人の意思を尊重し、遺品に対しての希望をできるだけ汲んであげることが大切です。

2、電気と水道は使えるようにしておく

遺品整理を終えた後、ほとんどの方が清掃を行います。そんな時に困るのが電気と水道が止まっていることです。諸手続きを終えてから遺品整理をする場合でも電気と水道は使えるようにしておきましょう。業者に遺品整理を依頼する場合は、あらかじめ業者に確認しておきましょう。

3、遺品整理を始める前に近所や近隣への配慮をする

作業を始める前に、可能であれば近隣住民への挨拶回りをするようにしましょう。遺品整理を始めると不用品の搬出などによって騒音が発生します。また、マンションなどの場合はエレベーターをたくさん使う可能性もあります。あらかじめ挨拶回りをしておけば近隣の方からの苦情も抑えることができるでしょう。

4、遺族間で事前に話し合う

遺品整理において最も多いトラブルは、親族間でのトラブルです。親族間での話し合いをせずに遺品整理を開始した場合は、後になってから意見が食い違いトラブルが発生しやすくなります。故人の意思を尊重して何を残して何を処分するのかや、形見分けについて、遺品整理の日程などは必ず話し合っておきましょう。


遺品整理を専門業者に依頼するメリット

ここまで遺品整理についていろいろと紹介してきました。遺品整理について疑問に思っていたことも少しずつ分かってきたのではないでしょうか。また、いつから遺品整理を始めようかとな、遺品整理をする前に何をすべきなのかということも理解できてきたと思います。しかし、少子高齢化社会となった今、遺品整理を業者に依頼する方も増えてきています。そこで、業者に遺品整理を依頼するメリットをいくつか紹介していきます。

1、故人が賃貸物件に住まれていた場合

故人が賃貸物件に住まれていた場合、遺品整理を終わらせ賃貸物件の契約を解約しなければ家賃が発生します。家賃というものは決して安いものではありませんよね。速やかに解約するためにも、遺品整理をスムーズに行わなければなりません。そういった事を解決するためにも、業者に依頼することをおすすめします。遺品整理の専門業者は作業に慣れていますので、一般の方よりもスムーズに済ませることができます。

2、遺族の方が遺品整理する現場の遠方に住まれている場合

遺族の方が遺品整理する現場の遠方に住まれている場合、なかなか現場に向かうことができず作業が進まないことが多いですさらに他の遺族の方と連携が上手く取れずトラブルが起きてしまうこともあります。そんな時専門業者に依頼するとそういったトラブルや悩みも全て解決してくれるでしょう。一人暮らしをしている高齢者の方もどんどん増えてきているのが現状です。成人してから地元を離れ、都会で就職する方が増えてきているのが最大の要因の一つだと考えられます。遺族の方が遺品整理する現場の遠方に住まれている場合は専門業者に依頼することをおすすめします。

3、遺品整理にかかる負担を減らすことができる

遺品整理というものはかなり体力的に負担のかかる作業です。引っ越しの作業の経験のある方は分かると思いますが、かなり体力的に負担がかかりますよね。遺品整理もそれと同等、もしくはそれ以上の負担がかかることがあります。ベットやタンス、家電なども遺品整理していかなければならない可能性もあります。それらを解決してくれるのがやはり専門業者に依頼することでしょう。

4、特殊清掃、遺品買取、遺品供養などの遺品整理以外のことをやってくれる可能性がある

自分で遺品整理を行った場合、たくさんの問題が発生します。
まず第一に、仕分けです。価値があり捨てるにはもったいないものもたくさんあります。物の価値というものは、一般の人ではすぐに判断できない場合があります。誤って価値のある物を捨ててしまうということも多々あるのではないでしょうか。遺品買取はそういった問題を解決してくれます。プロにしっかりと見極めてもらえば安心ですよね。
次に、遺品整理後の清掃の問題です。血痕や汚物によるシミは一般の方では取るのが難しい場合があります。そういった場合も遺品整理の専門業者に特殊清掃を依頼すればすぐに解決してくれるでしょう。
他にも、愛着のある物をなかなか捨てられないという問題もあります。故人の愛用していた物や、故人との思い出の物などはゴミとして捨てるのは心苦しく感じる方もいるのではないでしょうか。そういった問題を解決してくれるのが遺品供養です。これによって故人を弔うこともできます。

メリットについてたくさん紹介させていただきました。
専門業者に依頼するということは、様々な遺品整理の問題を解決してくれることになると思います。
遺品整理で迷っていることがある方は、このブログを少しでも参考にしていただけると幸いです。

遺品整理士って何する仕事??悪質業者に捕まらないために知っておくべきこと!

遺品整理の作業に関する内容と、それに伴って必要となる資格については、遺品整理の内容と資格 にまとめていますので、ぜひご参照ください。
今回は遺品整理において最も知っておいてほしい、「遺品整理士」という資格についてご紹介します。

ひとくちに「遺品整理」と言っても、その作業内容は多岐に渡ります。
故人の自宅(部屋)の清掃、遺品の分別、ごみの処分、価値の高い物は買い取りを依頼し、リサイクルできるものは業者に回収してもらう。さらに遺品の供養など宗教にまつわることや、相続など法的な範囲まで把握しておかなくてはいけません。

しかしこの膨大な作業を遺族のみで行うには、各業者への依頼だけでも時間もかかりますし、それぞれ個別の業者にお願いすると、費用も余計に高くなってしまうことがあります。
何より専門知識がなければ、ご遺族の気持ちにつけこむ悪徳業者に騙されてしまうこともあるのです。

そんなご遺族をサポートする存在が、遺品整理士です。
遺品整理士の主な業務は、「分別・清掃・査定・搬出・処分」だと言われます。
なかには国家あるいは民間の資格を必要とする業務もあり、もし遺品整理士自身がその資格を取得していなければ、一部を専門業者に委託することになります。
遺品整理士とは遺族の依頼を受け、その内容に因って自分の業務と委託すべき業務を判断し、プランを作成し業務を遂行する、遺品整理におけるコーディネーターの役割を果たします。
清掃業者、ごみ処理業者、リサイクル業者、弁護士、税理士、修理業者など必要に応じて、依頼主ーーご遺族と各業者を結びつける役割です。
現在は「一般社団法人遺品整理士認定協会」(以下、認定協会)が、遺品整理士の養成と資格認定を行っています。

遺品整理士について詳しく知ろう

まず遺品整理士という資格について知るために、認定協会の公式サイトから「遺品整理士養成理念」を引用します。

「『遺品整理』とはご遺族の間で兼ねてより行われていましたが、業務を事業として代行するにあたっては、より法規制に遵守した形で行っていくことが重要です。遺品整理の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を、正しく身に付けられます」

「遺品整理不正防止情報センター」には、遺品整理士についてさらに詳しい定義が掲載されています。

「遺品整理をご遺族に代わり行う、専門的な知識と故人への畏敬・感謝の気持ち、ご遺族への配慮の気持ちを持ち合わせた、遺品整理の専門家のことです。  業務を事業として代行するにあたっては、より法規制に遵守した形で行っていくことが重要です。遺品整理の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を、正しく身に付けられます。また、認識の違いから”遺品整理”を”遺品の処理”と捉える傾向にありますが、生前使用され、故人の想いのこもった品々を”供養”という観点から、取り扱い方法について学ぶことができます。すでに遺品整理業に関わられておられる方々におかれましても、資格取得をきっかけとして、法規制に基づいた法令遵守への認識を高めて頂くとともに、実務だけではなく、”命の尊さ”について、もう一度考える機会になることを、心より願う次第です」

ここにあるとおり、遺品整理という作業そのものは以前から行われていたものの、トラブルも絶えませんでした。
ごみの不法投棄、悪質な不用品回収や買い取り、それら業者による遺族への心無い言動ーー法的な範囲から精神的な部分まで、トラブルや苦情も様々です。
そんな現状を変えるべく、2011年9月、北海道で認定協会が立ち上がりました。

認定協会の公式サイトに掲載されている、「遺品整理士の活動」を見てみましょう。

「遺品整理士の活動」

1.残された想いを、ご遺族へ

高齢者の孤立死などの問題により、高まる需要に対応していく”遺品整理業”を十分に理解し、さらに”供養” に対する認識を持ち、想いのこもる品々を取り扱える専門家としての活動を行っていきます。

2.正しい知識・正しい対応

廃棄物やリサイクル品の取り扱いに関する各法規制を学び、遺品整理業特有の事項に対して正しい知識を持ち、それにともなった正しい処理を行うことを目的とします。

 

3.実務の流れ

実際に行われた業務の事例より、実務に向けた心構えや留意点を理解することで、より円滑に作業を行うことが可能となります。

4.遺品整理業界の健全化

「遺品整理士」の資格認定により、遺品整理業に一定のガイドラインを定め、その中で各種関連法令を遵守する必要性の指導に努めることで、遺品整理業界の健全化をはかります。

5.行政の働きかけ

これから、「遺品整理士」の資格を持っている人に、行政が優先的に仕事を発注するように、全国で働きかけがはじまっております。全国で問題になっている高額請求や不法投棄などの撲滅のため、「遺品整理士」の活動がはじまっております。

以上が遺品整理士資格取得者の活動になります。
認定協会設立の目的は、遺族の立場に立って業務を行える遺品整理士を育成すること。
そのために「遺品整理士養成講座」を開講し、資格の認定を行っています。
次は「遺品整理士養成講座」と、資格取得までの流れを見ていきましょう。

遺品整理士の資格取得までの流れ

認定協会による「遺品整理士養成講座」は通信制。資格取得までの流れは次のとおりです。

1.申し込み

認定協会への電話もしくは公式サイトから申し込みます。すると認定協会から講座の教材が届きます。

2.教材到着、受講開始
教材の内容は、a)教本、b)資料集、c)DVD、d)問題集、です。

教本の内容は遺品整理に関する基礎知識、実務を行ううえでの留意点、関連する法規制について解説されています。
DVDでは孤独死問題、遺品整理に関する法令、遺品の供養といった法律や社会学の専門家の話や、実務の参考となる映像が収録されています。
講座は通信制ですので、教材が届けば受講開始。a)からc)の教材を使い学習を進めたうえで、d)問題集の全設問に回答します。

3.レポート提出

問題集に沿って課題レポートを作成し、Web上もしくは郵送にて認定協会に提出します。

4.合格通知

提出された内容が全て基準に達していた場合、遺品整理士の資格認定となります。
レポート提出から合否通知が届くまでは約2カ月かかります。
合格通知が届けば、認定手続きを行います。

5.認定書の発行

認定手続きが終了後、認定証と認定カードが発行され、今後の遺品整理士としての業務に役立つ資料とともに届きます。
遺品整理士資格のポスターもあるので、事務所の人目につきやすい場所に貼り付けておくとお客さんにとってわかりやすいでしょう。

受講資格は特にありません。どなたでも受講できます。ただし、反社会的勢力(暴力団員、同・準構成員、暴力団ではなくなって5年が経過していない者など)に該当する方は、受講できないので、ご注意ください。
申し込みの際は反社会的勢力に該当しないことを確約し、受講後に確約内容に違反していることが発覚すれば、取得した資格は取り消されます。

入会金を含む受講費用は25,000円、認定手続きを含む会費は5,000円で、これは2年間有効となります。
受講期間は2カ月ですが、無料で期間延長を受け付けています。

認定協会は設立から5年で、1万人以上の遺品整理士を世に送り出してきました。
新規に遺品整理業を開業する人以外にも、運送業、リサイクル業、便利屋、リフォーム業などを営んでいた人たちも遺品整理士の資格を取得し、本業に役立てている人もいます。

とある「資格取得サイト」によると、遺品整理士資格の合格率は65%だそうです。
つまり3人受けたら1人は落ちるという計算になります。なかには3回連続で受からないという人もいたようです。
それだけ認定協会は、レポートを慎重に評価し、提出者が遺品整理士にふさわしいかどうかを検討しています。

とはいえ一度資格を取得したとしても、永久に持ち続けられるとは限りません。
認定協会で掲げられている、遺品整理士の大原則を見てみましょう。

「遺品整理士 魂の四原則」

一、遺品整理士は、ご遺族の方に真の思いやりと心からの親切を第一とする。

一、遺品整理士は、身だしなみや清潔感を第一とする。(服装、頭髪、頭髪の色など)

一、遺品整理士は、個人に敬意を持って、作業する。
  ・お仏壇がある場合は、必ず手を合わせる。
  ・個人に感謝されるよう、仕事を行う。

一、遺品整理士は、個人の遺品を自身の家族のもののように扱い、
  ご遺族や地域社会への奉仕の心を忘れない。

 

認定協会は、遺品整理士の資格を認定する際、「遺品整理士の名誉を傷つけること、恥ずべきことを行った場合、すぐに資格を剥奪します」と書かれた同意書を交わしています。
資格を持つ者が遺品整理業務を行っている時、もし遺族に不快な思いをさせ、そのような苦情が認定協会に寄せられると、調査のうえ本当であれば資格を剥奪することもありえます。
遺品整理士認定協会は、遺品整理業務と資格の認定に、それだけ厳正な気持ちで望んでいます。

そのほかの遺品整理士認定協会の資格

認定協会では、遺品整理士のほかに、「遺品査定士」「事件現場特殊清掃士」の資格と養成講座を設けています。
「遺品査定士」という資格について、まずは公式サイトからその定義を引用しましょう。

「遺品査定士は、遺品の買取に関わる様々なジャンルの鑑定士とも関係を結びながら、ご遺族が安心して、遺品を繋ぐことへの支援を行う、遺品の査定と買取に特化した専門家です。遺品整理の知識だけではなく、遺品査定と買取についての独特のノウハウと専門知識、法令に関する理解を兼ね揃えた専門家です」

次に、「事件現場特殊清掃士」についても、公式サイトの「養成理念」を一部引用します。

「『孤立死』や社会問題になり話題となっている『ごみ屋敷』のような、現場となるお部屋や家が悲惨であればあるほど、ご家族は『お部屋を片づけたいのに、片づけられない』、『部屋に踏み入ることもできない』など、気持ちに反して、動くことができないとも言います。また、特殊清掃は、料金体系が確立されていないため、同じような現場でもA社は100万円、B社は200万円と倍以上も違う料金が請求される場合があります。そうした中で、ご遺族・ご依頼者に代わり、適正価格で安全に作業を行うことを任されるのが『事件現場特殊清掃士』のような専門家なのです」

凄惨なな状況になっていることが多い孤独死の現場などで、遺族の代わりに特殊清掃を行います。この資格取得のための講座で、濃度の高い薬品を使った消臭・消毒技術と知識を学べます。

どちらの資格も、養成講座の申し込み、受講期間や費用は、遺品整理士と同様です。
「遺品整理士」「遺品査定士」「事件現場特殊清掃士」の3つの資格を全て取得すると、遺品整理業務を最初から最後まで任せられる業者が育成されます。

これらの資格に興味を持った方、これらの資格を取得している遺品整理業務を依頼したい方は、ぜひお近くの遺品整理士か、一般社団法人一般整理士認定協会にお問い合わせください。

お墓の整理はどうすればいいの?

お超高齢化社会が進む日本にあって、大切な家族が亡くなること、その遺品を整理しなければならない時は、突然やって来ます。

特に親御さんが高齢になれば、心の準備はもちろん、遺品整理の準備も考えておかなければなりません。
親御さんがご存命のうちに、「生前整理」に注目が集まっているのも、そんな日本の現状を象徴していると言えるでしょう。
生前整理の代表例といえば、まず実家の片付けを始めたり、相続に関する品々の権利書などを整理したり、あるいはエンディングノートを作成したりといったことが挙がることかと思います。
その生前整理のなかに、お墓に関する問題が含まれていることはご存じでしょうか。
生きている間に自分のお墓や墓地を見つけておくことはもちろん、現在話題となっているのは、その真逆、現在あるお墓や墓地を整理する「墓じまい」なのです。
今回は遺品整理における、お墓の問題について触れたいと思います。
お墓については宗教によって形式が異なりますが、今回は仏教におけるケースを説明することにします。

生前整理でお墓・納骨堂の準備をしておく

現在、親が子に金銭的負担をかけないよう、生前に自身のお墓を用意しておくケースが増えています。
まず墓石の価格相場は、墓石の種類にもよりますが、一般的に安いものであれば60万円、高額なものでは300万円ほどと言われています。
これは墓石のみの値段で、文字を彫ったり石を磨いたりといった作業の費用も必要となります。
さらにお墓には墓地代(永代使用料)、お墓の管理費などもかかります。
永代使用料は約1.2平米で、東京都23区であれば平均160万円から200万円、それ以外でも30万円から60万円という価格が相場のようです。
もちろんこの価格は墓地(霊園)が場所・管理団体によって大きく変動します。
加えて、お墓の管理費用も年間で4000円から数万円がかかります。「お墓の管理」とは、管理団体や寺院が墓石や墓地を常に綺麗にしておいてくれたりするという、お墓を維持していくためには必要なものです。
こうしたお墓に関する費用の総額は何百万単位になることもあり、家族・親族にとってもすぐ用意できる金額ではありません。
そこで親としては、そんな金銭的負担を子にかけないよう、生前に自分が墓石や墓地を購入し、また管理費などの支払いも手続きを済ませておくケースが増えているのです。

最近は、墓石や墓地を購入せず「納骨堂」に遺骨を納めるケースも増えています。
納骨堂とは室内で骨壺に入った遺骨を保管・管理しておく施設のことです。
利用するのは宗教の別も問わず、また墓地や墓石を購入するよりも費用が安くなることもあり、現在では寺院が墓地とともに管理するのではなく、納骨堂のみの施設もあるほど需要が高まっています。
形式は多種多様ですが、最も多いのはロッカー式のものです。
お参りの際にはロッカー式の扉を開き、お線香やお供え物などを入れることができるので便利です。
ただし施設によっては管理期限があり、その場合は期限終了とともに契約を更新する必要があります。
契約更新を怠ってしまうと、大事な遺骨が「無縁仏」となってしまうこともありますので、注意してください。

埋葬・納骨に期限はないが制約はある

遺骨をいつまでに埋葬・納骨しなければならない、という期限はありません。
一周忌を迎えるまでに、とよく言われますが、それもひとつの目安です。
「墓地埋葬等に関する法律」(通称、墓埋法)では、「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。」とあるのみ(もちろん例外もあります)。つまり法律上、埋葬について「いつから」は定められていても、「いつまでに」という期限は決められていないのです。
火葬後の遺骨は七七日(亡くなってから四十九日)まで自宅に安置し、四十九日法要の際にお墓へ埋葬したり、納骨堂に納めることが多いようです。
ただし、埋葬・納骨に「いつまでに」という期限はありませんが、「どこに」という制約はあります。
「墓地埋葬等に関する法律」(通称、墓埋法)によって、遺骨は各都道府県が指定した墓地に埋葬しなければならないことが定められているのです。
さすがに都道府県の認可を受けていない業者が大っぴらに宣伝し、埋葬や納骨を受け付けるケースは見られませんが、それもしっかりと法律で定められているからとも言えます。

生前整理においても、親御さんにお墓のことを確認しておくこと、あるいは家族・親族のなかでも墓石・墓地・お墓の管理について話し合っておくことは、重要なポイントです。
金額も大きいため、専門家に問い合わせてみるのも良いでしょう。
現在はインターネットで霊園や墓地・墓石を探すことができるサイトもありますし、また霊園や寺院だけでなく、葬儀会社も葬儀だけでなくお墓に関する相談を受け付けています。
特に金額などは直接、業者と会い、相談することをお勧めします。

注目を集めている「墓じまい」とは

ここまで遺品整理にも関係してくる、お墓の問題について触れてきました。
生前、あるいは亡くなった後に墓石・墓地や納骨堂の手配をすることも重要ですが、現在はその逆とも言える作業に注目が集まっています。
それは「墓じまい」です。
文字どおり、お墓を撤去、墓地を返還したりすることを言います。

ではなぜ現代で「墓じまい」を行うことが増えたのでしょうか。
やはり核家族化や高齢化社会が大きな影響を及ぼしており、大きな理由としては次の2点が挙げられます。

1. 子供に金銭的・労働的負担をかけたくない
先に述べたとおり、お墓に関する費用は、場合によっては非常に高額なものとなります。
新規に墓石や墓地を購入するケースではなく、ご先祖様より受け継いだお墓に自分が入り、子たちがそれを守っていくだけでも、当然のことながら維持費が発生します。
霊園・寺院に管理費を支払い、通常のケアを行ってもらうことはできますが、やはりお墓を維持するためには、修繕・清掃も含めて新規の費用はどうしても必要になってくるものです。
子からすれば、先祖代々のお墓を守っていくことに対する、金銭的・労働的な負担は問題ないかもしれませんが、自分の死後に子へ負担をかけたくないと思うのも当然かもしれません。

2. 子孫が絶え、無縁仏になってしまう
現代ニッポンは核家族化、高齢化社会が進み、さらには少子化も大きな問題となっています。
すでに子が親元から旅立ち、遠く離れた場所で生活を営み、そこで新たな世帯を形成することも一般的になりました。
そこでひとつの問題が発生します。実家で守られてきた、先祖代々のお墓をどう維持していくかということです。
子にとっても、日頃からお参りしたり、お墓の掃除を行いたいという希望があっても、現在の生活拠点が離れた場所にあれば、それもなかなか叶いません。
さらに少子化によって、お墓を受け継ぐ子孫がいなくなった場合(子が女性ばかりで、全員が嫁いでしまった場合も含む)、どうなるでしょうか。
結果、お墓をお参りしてくれる人がいなくなり、そのまま無縁仏となってしまうことが、少なくないのです。
自身が入っているお墓、あるいはご先祖様が眠っているお墓が無縁仏となり、放置されてしまうのは、誰にとっても悲しいものです。
ならば生前にお墓を整理しておく――「墓じまい」という選択をするのも、当然なのかもしれません。

「墓じまい」の基本的な流れ

実際に「墓じまい」――お墓を整理するには、どうすればよいのでしょうか。
ここで一般的な「墓じまい」の流れを説明しましょう。

1) 遺骨の行き先を決める
「墓じまい」とは文字どおり、お墓を整理することであり、墓地から墓石を撤去することになります。
そこでお墓に眠っている遺骨を、お墓の撤去後はどこで管理するか決めておかなくてはいけません。
遺骨の行き先としては、次のようなものが挙げられます。

・永代供養墓(合祀)
寺院や霊園が運営する共同墓地や納骨堂を、永代供養墓と言います。ここに他の人と一緒に入る(合祀)は、近年増えているパターンです。
これは墓じまいに限らず、先にご紹介したように、墓石や墓地の購入や維持の負担を子に背負わせたくない親御さんが、生前に合祀を選択することも多くなっています。
永代供養墓の場合は、恒久的に管理者(寺院・霊園など)が手入れや供養を行ってくれるため、お墓の掃除など遺族の金銭的・労働的な負担が軽減されます。
また、永代供養墓は宗教の別を問いません。したがって子の家の近くの寺院や霊園、納骨堂に合祀してもらうと、子にとってもお参りしやすいというメリットもあります。

・散骨
故人の遺体を火葬したあと、遺骨を粉末状にし、海や山に撒く葬送方法を「散骨」と言います。
まず火葬した遺骨をそのままの形で撒いてしまうと、刑法で罰せられてしまう(遺棄罪)点には注意が必要です。
散骨のためには、遺骨を2ミリ以下の粉末状にしなければいけません。さらに、散骨の場所についても、どこに撒いてもよいというわけにもいかず、海でも山でも撒く場所にとっては、その周辺に住んでいる人や、仕事をしている人とトラブルが発生することもあります。
散骨を選択する場合でも、自身で行うのではなく、専門業者に任せたほうがトラブルを避けることができるでしょう。

・手元供養(自宅供養)
自宅で遺骨を管理することを「手元供養(自宅供養)」と言います。
この方法だと永代供養墓や散骨よりも比較的費用を抑えられ、また常に故人と一緒にいることができるという、心理的なメリットもあります。

2) 権利関係の確認、寺院・霊園との交渉
お墓(遺骨)の管理には、相続問題も関わってきます。また法事を行ううえでも、祭祀継承権など家族・親戚と話し合っておくことも必要となります。
この権利関係を整理したうえで、現在お墓を管理している寺院や霊園に、墓じまい(お墓の撤去)する旨を伝えます。
さらに遺骨の行き先が永代供養墓である場合は、市区町村へ行き「改葬許可申請」の手続きを行います。これは遺骨を今のお墓から別のお墓へ移すために必要な申請で、散骨や手元供養の場合は手続きの必要はありません。

3) 墓石の撤去、墓地の返納
墓石の撤去は墓石屋さんにお願いすることになります。撤去後、更地にした墓地は、管理していた寺院や霊園に永代使用権を返納して、「墓じまい」は完了です。

上記のとおり、お墓や埋葬、墓じまいには様々な手続きが必要となり、そのため多くの業者が関わってきます。
特に最近、墓じまいは多くの代行業者が存在していますが、依頼者と業者の間でトラブルが起こることも少なくありません。
なかには、ありもしない寺院や霊園、専門業者とのトラブルを煽り、「ウチに任せれば大丈夫」と高額の料金を請求する代行業者もいるほどです。
一方で、専門知識が必要な部分もあり、個人で行うより業者に任せたほうがよいことも多いのも事実です。

ご家族が亡くなった直後に、こうしたお墓の問題に対処するのは、遺族にとっても難しいことでしょう。
もしもの場合に慌てないよう、お墓についても事前の準備や業者選びなど、生前整理が重要となってくることは言うまでもありません。
故人と遺族、どちらにとっても大切な生前整理に、しっかり取り組んでおきましょう。

独居老人が急増中・・・高齢化社会を迎えた日本の将来と対策は?

現代の日本は、世界でもトップレベルの高齢化社会です。
厚生労働省が発表した平成28年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳。これは過去最高の数字で、世界では香港に次いで2位という結果でした。

長寿はおめでたいことです。
でも、高齢者が増えるにつれ、孤独死や独居老人といった問題も増えています。

また、日本では、少子化の問題も叫ばれて久しいですね。
総務省の統計によれば、第二次世界大戦終戦時に7199万人だった日本の人口は爆発的に増え、終戦55年後の2000年には1億2,693万人を記録。
2004年に1億2,784万人まで増えましたが、これをピークに減少しています。
総務省は、この人口減少化を「千年単位でみても類をみない、極めて急激な減少」としています。

高齢化率も、2004年時点で19.6%だったのに対し、2050年には人口が9,515万人、高齢化率は39.6%と予想。日本は高齢者ばかりの国になっていくわけです。
今後の日本がどうなっていくのでしょうか?

独居老人とは?

  • 独居老人はどのくらいいるの?
  • 高齢者が一人暮らしをするのはなぜ?

独居老人はどのくらいいるの?

総務省統計局の国勢調査資料によれば、一人暮らしをしている「単独世帯」は平成27年で1,841万8000世帯。
そのうち65歳以上の単独世帯は592万8000世帯となっています。平成22年と比べると、
単独世帯は9.7%増、さらに65歳以上の単独世帯は23.7%と増えています。一般世帯のうち、単独世帯の占める割合も、32.4%から34.6%に上昇しています。

独居老人は今後も増加すると見込まれており、2035年には高齢者のうち男性の16.3パーセント、女性の23.4パーセントが一人暮らしをすることになると推計されています。

高齢者が一人暮らしをするのはなぜ?

では、高齢者が一人暮らしをする理由を内閣府のデータからみてみましょう。

経済状況

生活をしていくには、当たり前ですがお金が必要ですね。一人暮らしの高齢者の経済状況はどうなっているのでしょうか?

内閣府の「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版)」では、高齢者の暮らし向きについてアンケートをしています。

その結果「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と答えた人が49.6%と、約5割を占めています。
さらに「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と答えた人15.0%を合わせると、日々の生活を心配なく暮らしている人の割合は64.6%となります。

そのうちで、単身世帯は男性で50.6%、女性では58.7%を占めており、高齢者の多くは経済的な点で現在の暮らしに満足していることがわかります。
単身世帯では男女ともに貯蓄のない人の割合が高いようですが、贅沢をしなければ生活を維持していけるという状況が見えてきます。

住居の環境

内閣府の「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版)」によると、単身世帯の男性で58.2%、女性で75.1%が一戸建てやマンションなど持ち家で生活しています。
賃貸に住んでいる人の割合が意外と低いですね。
また、厚生労働省の政策レポートによると、同居や隣居を志向する高齢者は減ってきています。
その結果、今後、高齢者の単身世帯や高齢者夫婦のみの世帯が増加すると予測されています。

幸福度・満足度

高齢者は、果たして毎日をどのように感じて生きているのでしょうか?
内閣府の「平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査結果(全体版)」をみてみましょう。

このデータでは、65歳以上の人々に対し、「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点として、現在の「幸福度」を尋ねています。
最も高いのは、真ん中あたりの5点で28.3%。平均点は6.59点という結果に。
年齢別では75歳以上で6.79点、さらに80歳以上では平均点が6.97と最も高くなっています。

また「自分の生活に満足しているか」という質問では「はい」と答えた人がなんと全体の78.7%という高い割合を示しています。

つまり、高齢者の多くは心配なく毎日の生活を送り、幸せを感じているという状況が見えてきました。
単身世帯の高齢者が、このまま一人で気楽に生きていければいいと思うのも、うなづける結果ではないでしょうか。

独居老人増加による問題は?

現在は、まあまあ幸せであるという結果が出ている高齢者の一人暮らしですが、その反面、様々な問題も起こっています。

  • 認知症の問題
  • 高齢者の孤立
  • 高齢者の孤独死

認知症の問題

高齢になるとともに心配になるのが認知症ですね。
厚生労働省老健局の「都市部の高齢化対策の現状(平成25年)」によると、要介護認定データによる認知症高齢者数は、平成22年9月末で280万人。このうちの半数、140万人が一人暮らしをしています。

一人暮らしの高齢者が認知症にかかると、近隣でトラブルを起こしてしまうことがあります。
症状が悪化するにつれ、大声で騒いだり、徘徊したり、ごみ出しのルールを守れなくなったりして近所から苦情が発生するのです。

住居が賃貸の場合、部屋からの退居を余儀なくされたり、また、本人にはわからないまま犯罪に発展したりすることもあるので、認知症にかかった高齢者の一人暮らしはリスクが高いと言えます。

高齢者の孤立

少子化や未婚率の上昇など様々な事情から家族と世帯を共にしない高齢者が増えているなか、多くの高齢者が直面しているのが、社会からの孤立と孤独死の問題です。

50歳時の未婚割合を「生涯未婚率」といいます。
平成27年の国勢調査によると、生涯未婚率は前回(平成22年)の調査に比べて急上昇。男性では23.37%、女性で14.06%と、過去最高の割合となりました。

1990年には男性5.57%、女性4.33%だった生涯未婚率が、25年ほどで4倍前後にも増えているのです。
結婚する人が少なくなれば、子供の数も少なくなります。
もちろん少子化の原因は未婚率だけにあるわけではありませんが、大きな理由の一つと考えられるでしょう。

では、一人暮らしの高齢者は、いざという時に頼れる人はいるのでしょうか。
内閣府の「平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査結果(全体版)」では、一人暮らしの高齢者に対して、いくつかの事例を挙げ「このような時に頼りたい相手はいますか」という質問をしています。

たとえば、「日常のちょっとしたことを頼みたい相手」は「頼りたいとは思わない」、「当てはまる人はいない」の合計が47.1%。

また「心配事や悩み事を相談したい相手」という質問では、「頼りたいとは思わない」、「当てはまる人はいない」割合は31.4%と、周囲に頼らない、頼れない高齢者が多いことを示しています。

高齢者の日常における人との関わりを見ると、60歳以上の高齢者の会話の頻度は、全体では9割が毎日会話をしていますが、一人暮らし世帯では「2~3日に1回」以下の人が多くなっています。
男性の単身世帯で28.8%、女性の単身世帯で22.0%と、3割近い人が、人とあまり交流せずに生活していることになります。

では、ご近所付き合いはどうでしょうか?
近所づきあいの程度は、全体では「親しくつきあっている」が51.0%で最も多く、「あいさつをする程度」は43.9%、「つきあいがほとんどない」は5.1%となっています。
ただ、一人暮らしの高齢者に関しては、女性は「親しくつきあっている」が60.9%と高い割合を占めていますが、男性に関しては「つきあいがほとんどない」が17.4%と、ご近所での交流がない人が2割近くに上ります。

ご近所づきあいが少しでもあれば、何かあった時に早く気づいてもらえる確率が高くなるので、つきあいがない高齢者が多いのは心配な状況ですね。
このような資料から、地域との接点が少なく、社会から孤立する一人暮らしの高齢者の姿が浮き彫りになってきます。

高齢者の孤独死

高齢者の多くが直面しているのが、孤独死の問題です。
東京都23区内で発生したすべての不自然死について、死体の検案及び解剖を行っている東京都監察医務院の資料を見てみましょう。

この資料によると、東京23区内における65歳以上の一人暮らしの人の孤立死者数は、平成15年には1,451人だったのに対し、平成27年には3,127人と倍増しています。

また、独立行政法人都市再生機構が運営・管理する賃貸住宅約74万戸において、単身の居住者で死亡から長時間(1週間を超えて)経過してから発見された件数は、平成27年に179件、65歳以上に限ると136件となっています。

こういったことから考えると、一人暮らしの高齢者は地域との接点や他人との交流が少なく、異常が起こっても気づいてもらえず、長期間放置されるような状況が起こりやすいと言えるのではないでしょうか。

「2025年問題」を目の前にして……

高齢化のキーワードの一つとして「2025年問題」があります。
1947年~1949年の第1次ベビーブームに生まれた約800万人の人々「団塊の世代」が、2025年で75歳以上の「後期高齢者」となるのです。

  • 介護の問題
  • 「老老介護」の問題
  • 社会保障費の問題
  • 問題解決には?

介護の問題

2025年時点での後期高齢者は約2,179万人、65歳以上の前期高齢者を含めると約3,658万人に達すると推定されています。
その結果、2020年代には高齢化率は30%を上回ります。すると、少子化が進む現状では、介護の担い手が不足していきます。

現在でもすでに「介護離職」、「介護難民」、「特別養護老人ホームの待機者問題」などの問題が叫ばれていますが、2025年以降さらに加速していきます。
今後、高齢者をどう支えていくか、社会全体で考えていかなくてはなりません。

「老老介護」の問題

高齢化が進む中「老老介護」という言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。
「老老介護」とは、お年寄りがお年寄りを介護する状況のことです。

介護といえば、子供やその配偶者が親の世話をするというイメージがありますが、少子化や未婚率の増大によって状況は激変しています。

年老いた子供が、さらに年老いた親の介護をしたり、子供がおらず、配偶者の介護をするといったケースが増えていきます。
介護疲れから自殺や心中を企てるといった事件も少なくありません。

2025年には、世帯主が65歳以上である高齢者世帯が約1,840万世帯に増加し、そのうちの7割を一人暮らしのお年寄りや、高齢の夫婦のみの世帯が占めると予測されています。

社会保障費の問題

「社会保障費」とは、年金、医療、介護などにかかる費用のことです。この費用が危機的な状況になっていきます。

厚生労働省が発表した「介護給付と保険料の推移」によれば、65歳以上の人の保険料は、制度開始当初は全国平均で月額2,911円でした。
しかし、現在は4,972円に上がっています。
保険料は市町村が決めるので地域によって異なりますが、なかには5,000円を超えている地域もあるのです。

そこへきて、社会保障料を払う側にいた団塊の世代が、2025年には給付を受ける側に回るのです。その結果、社会保障財政のバランスが崩れることは十分考えられます。

いずれ、利用者の負担を増やすか、増税するか、または両方を行わなくてはならなくなります。今後、現役世代の負担がますます重くなっていくことは避けられないでしょう。

また、将来的に、現在の年金システムが崩壊している可能性もあることも大きな問題です。

問題解決には?

政府は介護離職ゼロ、「日本一億総活躍社会」を打ち出していますが、少子高齢化の歯止めがかからない現在、実現はかなり難しいでしょう。
そんな中、「2025年問題」に立ち向かう方法は「介護予防」を行うことです。

介護が必要になる理由に多いのは、脳卒中、そして認知症です。つまり、この2つの病気を予防することが大切なことなのです。

また、自立した生活を送ることができる期間「健康寿命」を延ばすことも重要です。
健康寿命を延ばすには、まず生活習慣を見直すこと。そして、適切な運動や健康的な食事をすることによって病気を予防するわけです。

近年、地域や自治体でも、高齢者のための集まりや健康教室などを開いています。積極的に利用して、健康的な生活を送りましょう。

終活とは? 今後の人生を豊かに送るためにやっておきたい3つのこと

ここ数年で、すっかり定着した「終活」という言葉。
まだ自分には関係ないと思っている人も、なんとなく耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「終活」は2012年の流行語大賞にもノミネートされ、広く知られるようになりました。

「終」という文字を見ると、寂しくなったり、死に対して恐ろしいという気持ちが湧いたり、複雑な気持ちになる人もいるかもしれません。
死を怖がらないのは難しいことですが、少しだけ勇気を出して、自分の死について考えてみませんか?

死と向き合い、より良い人生を過ごすための活動が「終活」です。どんなことを行うのか、まとめました。

終活とは?

「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略語です。

人が人生の最期を迎えるにあたって行う様々な準備や、人生の総括のことをいいます。
どんな人にも必ず「死」は訪れます。
「死」はいつやって来るのかわかりませんが、最後まで自分らしい人生を送りたいもの。終活は、そのための準備です。

終活が広まった背景には、日本の社会状況が大きく関係しています。
特に、少子高齢化や、家族の形の変化が大きな理由です。

現代の日本は、世界でもトップレベルの高齢化社会です。また、これと同時に、少子化の問題も見過ごすことはできません。
総務省の統計によれば、日本の人口は2004年に1億2,784万人まで増えましたが、これをピークに減少し続けています。
高齢化率も、2004年時点で19.6%だったのに対し、2050年には人口が9,515万人、高齢化率は39.6%と予想。今後、日本は高齢者ばかりの国になっていくわけです。

また、昔とは家族の意識も変化しています。核家族が増え、子供と同居しない人が多くなり、一人暮らしの高齢者が増えていることから、孤独死なども問題になっています。

かつては、子どもが親の面倒を見ることが当たり前でした。兄弟も多く、子供1人にかかる負担も多くはありませんでした。
しかし現代では、子供1人にかかる負担が大きくなるため、子供に頼れない、苦労させたくないという親が増えているわけです。

こうした社会背景によって、終活というものが広まったと考えられます。

終活は何のためにするの?

さて、終活は、何のためにするのでしょうか。終活には2つの目的があります。

  • 自分の死後、残された家族の負担を軽減するため
  • 自分の人生を豊かにするため

自分の死後、残された家族の負担を軽減するため

身の回りを整理する

近年、親の家の片付けが子供の負担になっています。もしものことがあったとき、子供に負担をかけないよう身の回りのもの整理しておきましょう。

また、片付けることによって、無駄なもののない清潔な部屋で快適な生活が送れるというメリットもあります。

相続の準備をする

自分の死後、遺族の間で遺産をめぐる争いが起きることがあります。
このような事態は、資産がどのくらいあるか分からないときに起こりがちです。
遺族がお互いを疑って争いに発展してしまうのです。

このような事態を避けるため、資産を明確にしておきましょう。

預金や現金、不動産をはじめとする財産目録を作成し、ローンやクレジットについても明らかにしておきます。
相続について、相続人となる人と十分に話し合っておくことも大切です。

葬儀やお墓の準備をする

身内が急に亡くなった場合、家族が悩むのが葬儀の形やお墓の問題です。

まず、お葬式をどのような規模や形、場所で行いたいか決めておきましょう。最近では、昨年10月、アントニオ猪木さんが生前葬を行って話題になりました。

また、お墓や埋葬方法についても考えておきたいものです。
代々のお墓に入るのか、新しくお墓を建てるのか、また、埋葬でなく海などに散骨するのかなど、現代では、昔は考えられなかったような葬儀や埋葬方法があります。

具体的な希望を残しておけば、人生最後の幕を自分の思い通りに引くことができるだけでなく、もしもの時に家族が悩まずに済みます。
葬儀やお墓は生前予約もできますので、元気なうちから考えておくといいですね。

施設や介護、制度について知っておく

高齢になると、体が不自由になったり、痴呆症にかかったりすることがあります。
そんな時に備え、受けられる制度やサービス、その手続きなどをチェックしておきましょう。

大きな病気になった場合、入院するのか、在宅で医療を受けるのか、延命治療を希望するのかなども重要です。
施設や介護保険制度についても知っておきたいところですね。

また、判断力が衰えてしまった場合、後見人に法律面や生活面で保護・支援してもらう「成年後見制度」があります。
最近では、後見人を信頼できる家族の誰かに指名し、遺産の管理を任せる「家族信託」も注目されています。

自分の人生を豊かにするため

終活で行うことは、物理的なことばかりではなく、精神面を豊かにする活動も含まれています。
これまでの人生をゆっくりと振り返ってみましょう。

残される家族のことを考えたり、友人や知人、今までお世話になった人たちへ思いを致したり、やり残したことや叶わなかった夢などを振り返ってみます。

こうすることで、残された時間のなかで出来ること・出来ないことを把握できるのです。
残りの時間をより豊かに、有効に使えるよう、終活を行いましょう。

身の回りの整理いろいろ

終活のひとつとして、身の回りの整理があります。身の回りの整理のいろいろをみていきます。

  • 生前整理
  • 老前整理
  • 福祉整理

生前整理

行う人=本人
行う年代=60~70代中心だが年代は問わない

生前整理とは、自分が生きているうちに、身の回りのものを整理することです。
自分の死後、家族など残された人たちが、膨大な遺品に囲まれて処分に困ったり、相続などでトラブルを起こすことのないよう、不要なモノを捨てたり、遺産となるものを整理したりします。

生前整理は、もともとは仕事をリタイアし、本格的に先のことを考え始める年代が行うものでした。
しかし近年は、若い世代であっても、親元を離れて一人暮らししている人も多く、さらにミニマリストが流行していることもあり、若い世代にも広がっているようです。

年代によって「死」への現実感は異なっても、周りに迷惑をかけたくない、身軽に生きて生きたいという気持ちは共通しています。

老前整理

行う人=本人
行う年代:40~50代

「老前整理」は、40代、50代のまだまだ働き盛りの世代の人たちが行う身辺整理です。
この年代は、まだまだ身体が思うように動かせます。そのうちに身辺整理をしておこうというものです。

40~50代というと、親の介護が始まったり、親の家を片付けたりといった現実に直面する人が多くなります。
また、子供が独立し、夫婦二人での生活が現実になっていく時期です。
それだけに、自分たちの今後の生き方や暮らし方について、改めて考えるにふさわしい節目なのでしょう。

「老前整理」は、生きているうちに行うのは同じですが、これまでの人生をいったん整理し、身軽になって、その後の人生をよりよくするという意味があります。
40代、50代のうちにある程度の整理をしておけば、恒例になってから「片付けなければ」というストレスが溜まりません。

移動を妨げるモノをなくせば、安全に暮らすことができます。
将来、もしも車いすの生活になっても、モノが少なく、十分な移動スペースが確保されている家ならスムーズに生活できます。

福祉整理

行う人=本人以外の人
行う年代=高齢者(病気にかかった人の場合は全ての年代)

「福祉整理」とは、介護や福祉に関わり、高齢者が健全な生活を続けるために住環境を整えることをいいます。
遺品整理や生前整理のように、いつか来る「死」を意識して行う身辺整理ではありません。

たとえば、介護施設に入居したり、末期がんなどで入院した場合、これまで暮らしていた自宅や部屋を整理するために行います。
外でなく自宅で介護生活を送る人の場合は、介護用ベッドを置くスペースを確保し、介護する人・される人両方が気持ち良く生活できるよう住環境を整えルために行います。

また、認知症にかかった人は、家の中を汚したり、徘徊してごみや不用品を集めてきたりという行動をとるようになることがあります。
このような人が清潔で健康な生活を営めるよう、ごみを捨て、片付けや掃除をします。

さらに、要介護でなくても、自分で片付けや整理が難しい高齢者は増えています。
こういった人が安心して健康な毎日を送れるようにするため、定期的に整理やハウスクリーニングをします。

このように、住環境を整えることで、高齢者や病気の人が健全な生活を送るために行います。

終活、これだけは必ずやっておこう!

終活には様々な内容がありますが、これだけは必ずやっておきたいポイントを挙げておきます。

  • 財産目録の作成
  • 遺言書の作成
  • エンディングノートを活用しよう

財産目録の作成

人が亡くなったあと、一番多いのが遺産相続をめぐる争いです。
これを防ぐには、財産目録を作って遺産がどのくらいあるのかを明確にしておく必要があります。

財産の内容ははっきりしないと、隠し財産があるのではないか、誰か1人だけが生前贈与を受けているのではないかなど、相続人同士の間で疑いの心が生まれる可能性があります。
昨日まで仲の良かった兄弟が今日は口も利かない、などということが現実に起こっているのです。

このほか、相続が完了したあとに借金が見つかったり、家族にわかりにくいインターネット株取引での負債がわかったりした場合、遺族が大打撃を被ることになってしまいます。

そういったトラブルを未然に防ぐため、財産の目録を必ず作っておきましょう。現金や預貯金、不動産、貴金属、骨董品など価値のある財産(プラスの財産)だけでなく、借金やローン、連帯保証人になっていないかどうか(マイナスの財産)など、お金に関する全ての情報を正確に記載します。

財産目録があれば、その内容によって、相続人は遺産を相続するのか、相続を放棄するのか、または一部のみ相続する(限定承認)のかなど、相続の方針を決めることができます。

財産はいったん相続してしまったら、後から借金が発覚しても、基本的にそのマイナス分も相続しなくてはなりません。
こういった場合、かなり面倒な問題に発展します。大切な家族を苦しめないために、財産目録は必ず作りましょう。

遺言書の作成

遺言書では、主に遺産の相続について故人の意思を表します。

  • 財産処分
  • 子どもの認知
  • 相続人の廃除、または廃除の取り消し
  • 相続分の指定
  • 遺産分割方法の指定、または遺産分割の禁止

このような項目について、遺言書で指定することができます。
遺言書を残すことによって、家族間の争いを避けられる可能性があります。また、自分が財産をあげたいと思う人にあげることもできるのです。

遺産相続については法律で定められていますが、遺言書の内容は法律よりも優先され、故人の遺言を無視した相続を行うことはできません。
これだけの強い効力を持っているだけに、遺言の内容が間違いなく遺言者本人の意思であることが確認できるよう、遺言書は法律に則った方式で作らなくてはなりません。

また、最近では、さまざまな項目が遺言書よりも細かく設定できる「家族信託」が注目されています。
遺言書を作る場合も、家族信託を利用する場合も、専門家に相談するとよいでしょう。

エンディングノートを活用しよう

「終活」ブームとともに知られるようになったのが、「エンディングノート」です。

エンディングノートは、生前整理において最も重要な役割を果たすツールと言えるでしょう。
終活の内容をまとめておくことで、死後に遺族が遺品整理を行いやすくなります。

ただし、エンディングノートに法的効力はありません。
ノートの内容はあくまで“希望”なので、遺言書ほどの重みはないのです。相続問題が発生しそうな資産がある場合は、遺言書のほうが確実でしょう。

その場合、エンディングノートでは、遺言書に記されている内容が、どうしてそうなったかを説明しておくとよいでしょう。
自分の気持ちを生前にまとめておき、自らが話し合いに参加できない場で、補助的に自分の思いを伝えてくれます。

エンディングノートは書店で買えます。また、エンディングノートがダウンロードできる、遺品整理業者・葬儀業者のホームページもあります。
形式は特に決まっていないので、普通のノートでも、パソコンで書いても何でも構いません。遺言書と違い、何度でも書き直すことができます。
日記を書くような感覚で気軽にチャレンジしてみましょう。

遺品整理と宗教物の処分~神道・キリスト教の場合

遺品整理で出る“大物”と言えば、ベッドやタンスなどの大型家具などを思い浮べるかもしれません。
しかし、この他にも“大物”があるのです。それも、処分にかなり困るモノが。

それは、仏壇や神棚です。

まず、処分の仕方がわからない。しかも、その中に神さま、仏さまがいるとされている……。
日本人であれば、それがたとえ自分のものでなくても、処分するものであっても、ぞんざいに扱ってはいけないと感じる人がほとんどではないでしょうか。
最近は仏壇や神棚がないお宅も増えているので、よけいにそう感じる人が多いかもしれません。
何となく怖いな、もしも下手に処分したらバチが当たるのかな? なんて思ってしまいますよね。

大金を払ってご祈祷をしてもらわなくてはいけないのか?
ほかにも供養が必要なのか?
実際に不用品として処分する際は粗大ゴミに出せるのか?

など、わからないことだらけなのではないでしょうか。だからこそ、仏壇や神棚は“困った大物”になってしまうんですね。
今回は、そんな宗教物の処分についてみていきましょう。

仏壇など仏教の宗教物の処分

最近、住宅事情などから仏壇の面倒を見られなくなり、処分する人が増えているようです。
しかし、祖父母や両親が、毎日お水を替えたり、手を合わせたりしてきた仏壇です。仏さまやご先祖さまに失礼にならずに処分するには、どうしたらよいのでしょうか。

  • 閉眼供養
  • 閉眼供養が終わったら
  • 仏具について
  • 供養ができない場合

閉眼供養

仏壇そのものは、粗大ごみとして廃棄することができます。
ただし、その前に必ずしなければならないことがあります。それが「閉眼供養」です。
「精抜き」「魂抜き」ともいわれるもので、僧侶に読経をしてもらい、仏壇に宿っている魂を抜き取る儀式です。この供養を行うことで、仏壇は「ただのモノ」になり、安心して処分できるようになります。

処分の時だけでなく、仏壇を別の場所に移動させたり、修理やリフォームをしたりする場合にも閉眼供養は必要です。ご先祖様の魂に安らかに過ごしていただくため、必ず行いましょう。

閉眼供養は、開眼供養(仏壇に魂を入れる法要)をしてもらったお寺や、葬儀や法事でお世話になったお寺に依頼するのが一般的です。
開眼供養をしているかどうか分からない場合は、菩提寺に確認しましょう。
開眼供養については、ご先祖の魂が宿っていないため閉眼供養をする意味がないとするところと、していなくても仏壇にはご先祖様の魂が宿っているので供養するべきとするところに分かれるようです。こちらも、菩提寺に確認して行なうかどうか決めます。

閉眼供養は、通常、家族のみで行われます。喪服を着る必要はありませんが、「法要」ですので、落ち着いた色合いの地味な服装にしましょう。派手な服装やメイク、Tシャツなどラフすぎる服装は避けます。
閉眼供養の際のお布施(料金)は、お寺や宗派によって違います。こちらも、事前に菩提寺に確認してください。

閉眼供養が終わったら

法要が終われば、仏壇は「ただのモノ」になりますので、粗大ごみの収集に出すことができます。こちらは、地域の自治体にそのまま出せるのかどうか、また、料金などを確認しておきましょう。

購入した仏壇店で引き取ってもらえる場合もあります。新しく買い替えるときには無料で引き取ってもらえますが、処分の場合は有料となることが多いようです。
また、閉眼供養を依頼したお寺で引き取ってもらえる場合もあります。事前に確認しておくとよいでしょう。

仏具について

仏具とは、仏壇の中や前に置く道具全般のことです。僧侶に法要を行なってもらう際や、日々の供養のための道具で、もし破損・汚損したら取り替えることが可能なものを指します。
同じ仏壇内にあっても、仏像や掛け軸、位牌、遺影などは、取り替えが不可能なものは、開眼供養の際に魂が入れられ、ご先祖や故人が宿るので、仏壇と同等の扱いになります。
しかし、仏具は供養の対象ではありませんので、処分の際、特に供養が必要ではなく、そのまま廃棄処分してOKです。

仏具には次のようなものがあります。

  • おりん
  • 木魚
  • ろうそく立て
  • 線香立て
  • 花立て、香炉

など。木製のもの、金属製のもの、樹脂製のもの、陶器など様々ですね。

廃棄するときは、普通のごみと同じように、可燃か不燃、資源ごみなど、自治体のルールに従い分別して出します。
おりん、ろうそく立てなどは、真鍮製が多いので、リサイクルの対象になります。
数珠は、樹脂製のものと石でできたものがありますので、注意が必要です。
線香やろうそくなどの消耗品や、経本などは燃えるごみ扱いになります。
処分する際には、あらかじめ自治体に処分の仕方を確認しておくと安心です。

供養ができない場合

仏壇・仏具を自分で処分できない、したくない
近所に知られたくない
僧侶が見つからない

など、何らかの理由や事情で法要を行なえない場合や処分ができない場合は、遺品整理業者にご相談ください。
遺品整理で仏壇を引き取る際に、供養を代行したり、代行業者をご紹介したりすることができます。

神棚など神道の宗教物の処分

神棚は、もしかしたら仏壇よりも“畏れの念”を感じる人が多いかも知れませんね。子どもの頃、何かいたずらをすると「神さまに怒られるよ」と叱られた人もいるでしょう。
でも実は、宗教物の処分は神道が一番簡単かもしれません。

神道には、仏教でいう経典やキリスト教の聖書のような、共通の教えやルールが存在していません。そのため、宗教物の処分についても「こうでなくてはならない」という決まりがないわけです。
そのなかでも、代表的な処分の仕方を知っておきましょう。

  • お焚き上げをする
  • 神社で祈祷する
  • お札を返す

お焚き上げをする

神棚を、神社で「お焚き上げ」(焼却処分)してもらいます。神社でのお焚き上げは年に数回行われているので、近所の神社に確認してみましょう。

お焚き上げは、神棚の内部にある神具も一緒に行うことができます。ただし、陶器や金属類、ガラスなど燃えない素材は不可という神社もあるので注意が必要です。神棚の扉ガラスなどは、あらかじめ外しておきましょう。

近年、都心では境内でものを燃やせない地域もあります。そのような場合は、遺品整理業者にご相談ください。お焚き上げを代行したり、代行業者をご紹介したりすることが可能です。

神社で祈祷する

不用なった神棚を神社へ持参し、神職の方にご祈祷してもらいます。
社務所や祈祷受付所で、「神棚処分のための祈祷」の申し込みをします。すると、祈祷殿・祈祷所と呼ばれる別棟へ案内され、祈祷に立ち会うことができます。

神棚は祈祷後、神社で廃棄処分してもらえます。
神棚のご祈祷を受け付けているかは、神社によって違います。事前に確認しておきましょう。

お札を返す

神棚の中に入っているお札を取り出します。そして、ほとんどの神社に設置されている「お札返納所」へお札を返納します。
神棚本体は、ごみとして廃棄してOKです。中のお飾り(鏡、お狐さま、神具など)もそのまま捨てて問題ありません。ただし、地域の分別ルールに従って出してください。

神棚の処分に関して、神社によっては「何もせず、そのまま廃棄してOK」というところもあるようです。あまり難しく考えず、あなたが精神的にスッキリする方法を選べばよいのです。
心配であれば、最寄りの神社に確認して処分すると安心ですね。

ロザリオなどキリスト教の宗教物の処分

キリスト教には、ロザリオや不思議のメダイ、聖画像や聖書、また家庭用祭壇などの宗教物があり、「信心用具」といいます。
これらは、ごみとして処分してOKです。故人のものでなく、古くなったり破損したりしたものの場合でも同じです。

なぜなら、キリスト教においては、信心用具は、礼拝の対象ではなく、あくまでそれらを介して神を礼拝する「道具」に過ぎないからです。

日本では仏教が主流なので、ご先祖さまや故人の霊が宿る仏像や仏壇、位牌そのものが信仰の対象となります。
仏像や仏壇は単なる「モノ」ではありませんし、処分するときには「閉眼供養」が必要となります。

そういった文化・風土の中で生まれ育ったわけですから、たとえクリスチャンであっても、信心用具をごみとして捨てることに抵抗のある人も多いでしょう。

しかし教会には、壊れた信心用具などを集めて「供養する」というような習慣や考え方がありません。
もちろんキリスト教においても、信心用具などを祝福する(※祝別といいます)ことはあります。

しかし、その場合でも、品物に魂を入れているわけではありません。
それらを用いて祈る人や、身につける人に神様の恵みがありますようにと祈っているに過ぎず、用具そのものが聖なるものになるわけではないのです。
ですから、信心用具は、ごみとして捨てても信仰上、何の問題もありません。自治体のルールに従い、分別して廃棄すればOKです。

ただ、やはりこれまで愛用していた道具をポイと捨てることに抵抗のある人もいるかも知れませんね。
その場合は、外から見えないようにしたり、元の形があまり目立たないように分解したりして処分するとよいでしょう。
教会や教会関係の施設を建設する際に、古い信心用具を土台部分に埋めたりすることもあるようです。また、古くなった信心用具を回収してくれる教会もあるようです。
捨てることにどうしても抵抗のある人は、教会の責任者に相談してみましょう。

イスラム教の宗教物の処分

日本ではイスラム教は少数派ですが、古くから神戸、名古屋などにモスク(回教寺院)があり、一定数の信者が存在しています。
イスラム教で最も大切なのは、毎日の礼拝で、1日のうち5回、決まった時間に行います。イスラム教では偶像崇拝を禁じているので、宗教物は礼拝に関するものがほとんどのようです。

コーラン(クルアーン)

イスラム教の経典です。
コーランを30に分けた巻を「ジュズ」といい、コーランを覚えるのに使われています。

タスビーフ

イスラム教における数珠で、タスビ、スブハ、ミスバハなどとも呼ばれます。
イスラム教では、礼拝の際に同じ言葉を何度も繰り返し唱えるので、回数をカウントするために使います。数珠で回数が分かれば、数にとらわれることなく祈りに集中できるからです。

珠が33個のものと99個のものがあり、1人で複数のタスビーフを持つのが一般的です。しかし、タスビーフは単に祈りの回数を数えるカウンターとしての意味しかないようです。

キブラマーク

礼拝はメッカに向かって行うため、メッカの方向を示すものです。
コンパスとセットで売られていうことも。

サッジャーダ

礼拝用のマットです。1人分のスペースを確保する大きさです。
イスラム教の礼拝では額を床につけるため、マットを敷きますが、なくても構いません。

聖石

シーア派が礼拝時に使用します。シーア派では礼拝の際、自然物に額がつくようにするため、こういった石を使います。

アスマ=アル・ウスナ

アラーの良い名前のリストです。イスラムには、全部で99の神の名前があります。コーランにも書かれているので、通常はコーランの中で見ることができます。
これを覚えることは義務ではありませんが、暗唱できれば善行であると考えられています。

アヤット・クルシ・カリグラフィ

アヤット・クルシは、コーランの2章・255節が記されています。礼拝後に、アヤット・クルシを唱えると、悪い霊から家族や生活を護れると考えられています。
必ず飾らなくてはならないものではなく、装飾として使ったり、魔除けのお札として飾る家庭があるようです。

イスラム教において、これらの宗教物は単なる道具であり、そこに神が宿るといった性格のものではありません。
あるモスクによれば、不用となった宗教物は、誰か欲しい人、それを使いたい人にあげてよいそうです(たとえ壊れていても)。
どうしても欲しい人、もらってくれる人がいなければ、自治体のルールに従い、ごみとして出して問題ありません。
しかし、それでもやはり日本人は、宗教物を普通に捨てることに抵抗がある人もいますよね。捨てることにためらいがある人は、もう使わないものとしてよけ、しまっておくそうです。

宗教物の処分で一番大切なのは・・・

家族であっても、同じ宗教を信仰しているとは限りません。ましてや、離れて暮らしていた場合はなおさらです。
宗教に関するものはデリケートなので、扱いに悩んでしまいますよね。

そんなとき、一番確実なのは、やはり、その宗教を司るお寺や神社、教会や寺院などに問い合わせることです。
故人が、たとえ知らない宗教や、自分とは違う宗教を信仰していたとしても、何かを信じる心や敬虔な気持ちは同じはず。故人の心を大切にして、適切に処分したいものですね。

故人が残した趣味。大きな楽器等はどう処分していますか?

遺品整理で出るものの中で、大型家具や布団など、サイズが大きなものは処分に困る代表格です。

そのなかでも、かなり困るのがピアノやエレクトーンなどの楽器ではないでしょうか?
特にエレクトーンや電子ピアノなどは、型が古いと処分するしかありません。

そこで、ピアノなど鍵盤楽器の処分についてみていきます。

ピアノの処分

ピアノ(電気を使わない、いわゆるアコースティックピアノ)には、グランドピアノとアップライトピアノがあります。

本来、「ピアノ」とはグランドピアノのことを指します。
弦が横に伸び、大型で、重量は250~400kgにもなります。

一方、アップライトピアノは、フレームや弦、響版が上下に伸びるように作られています。
コンパクトなので、グランドピアノに比べて場所を取りません。重量は200~250kgほどです。

ピアノは、グランド、アップライトにかかわらず、ほとんどの自治体で引き取ってもらえません。
そこで、粗大ごみとして出す以外の処分方法をご紹介します。

  • 不用品回収業者に依頼する
  • 無料引取業者に依頼する
  • 宅配業者のピアノサービスを利用する
  • ピアノ専門の買取業者に依頼する

不用品回収業者に依頼する

インターネットなどで、ピアノを引き取ってくれる回収業者を探しましょう。
業者によって処分費用は違いますが、グランドピアノで4万円~5万円くらい、アップライトピアノで2万円~3万円ほどが相場のようです。

不用品回収業者に依頼した場合、自宅までピアノを回収しに来てくれるので、自分でピアノを運び出す必要はありません。
自治体で適切な業者を紹介してくれることもありますので、尋ねてみてもよいでしょう。

無料引取業者に依頼する

グランドピアノやアップライトピアノを無料で回収してくれる業者があります。
引き取ったピアノを修復し、インドネシアやフィリピンなど新しいピアノの購入が難しい途上国や、福祉施設などへリサイクルピアノとして届けるケースもあります。

運搬やトラックの費用、処分費用がかからず、しかも整備されてピアノを必要としている人々の役に立つことになります。

宅配業者のピアノサービスを利用する

「ヤマトホームコンビニエンス」では、使わなくなったピアノの買い取りや処分をしてもらえます。

ピアノは購入後35年くらいまでのものが目安で、買い取りできるか処分となるかは、品物の状態により違ってきます。
電話かインターネットで、引き取ってもらえるか問い合わせてみましょう。

ピアノ専門の買取業者に依頼する

ピアノを専門に買い取ってくれる業者に依頼する方法もあります。

ヤマハピアノサービス

日本最大のピアノメーカー・ヤマハが運営するピアノ買い取りサービスです。
もし処分したいピアノがヤマハ製であれば、問い合わせてみましょう。
ここでも、引き取ったピアノを整備し、ピアノを必要とする次の人へと渡しています。

河合楽器 ピアノ買取センター

こちらでは、カワイ製以外のピアノも査定・買い取りをしてもらえます。また、電子ピアノの買い取りもしています。
インターネットで査定・相場を確認することもできます。

タケモトピアノ

テレビCMでおなじみの業者です。CMだけではわかりませんが、タケモトピアノでは「世界中の子どもたちに笑顔と音楽、平和」をモットーに、買い取ったピアノを修理し、海外50カ国へ出荷されています。
電話またはインターネットで査定することができます。

電子ピアノの処分

電子ピアノは、音源部に電子回路を用いた楽器です。
意外に耐久力があり、一般的な家電の耐用年数が7年~10年なのに対し、電子ピアノは15~20年も使えるものがあります。

とはいえ、電子ピアノは次々と新機種が発売されるため、あまりに古いものは機能的に時代遅れとなり、壊れていなくても演奏の場では使えないということがあります。
また、製造から7年ほど経つと部品がなくなり、修理できなくなる可能性が高いでしょう。

  • 自治体で処分してもらう
  • 売る

自治体で処分してもらう

電子ピアノは、自治体に粗大ごみとして出すことができます。

自治体で回収してもらう場合は、電話やインターネットで回収の予約をします。
料金を確認し、コンビニなどで料金相当分の「ごみ処理券」を購入しましょう。
処理券はシール式になっているので、出したい電子ピアノに貼り付け、指定の収集場所や玄関の外に出します。
家から運び出してもらうことはできないので、自分で移動させておかなくてはなりません。

指定場所へ自分で持ち込む場合は、インターネットで排出品目や申込者情報など必要な情報を記入し、収集日を確認して申し込みます。
申し込みは電話でもOKです。

申し込みが完了したら、指定日に粗大ごみの受付センターなど指定場所へ運びます。
ただし、キーボード型かアップライト型かなど、大きさによっては自治体で処分できないとこともあるので、事前に問い合わせましょう。

売る

リサイクルショップ

電子ピアノは、一般的に買取金額が低いようです。また、型が古ければ古いほど、買取金額は低くなります。
逆に、ものすごく古くて希少価値の高い名機ならば、高く買い取ってもらえる場合もあります。

オークションで売る

ネットオークションなどでは、リサイクルショップよりは高く売れる場合があるかもしれません。
オークションでも、希少価値のある機種などなら高額落札してもらえることもあります。

しかし、送る段になって、ピアノ専門配送業者に配送を依頼した場合、料金が高額になる場合があります。
出品する前に、配送料について調べておきましょう。

キーボードタイプなら宅配便でも送ることができますが、投げられたり、扱いが雑で壊れたりするケースもゼロではありません。
トラブルにならないよう梱包をしっかりし、「精密機械」と指定しておきましょう。

エレクトーンの処分

大きくて重たいエレクトーン。エレクトーンは大型家電の1つと言えます。
家電リサイクル法のような法律もないので、自治体の粗大ごみに出すことができるでしょうか?

いいえ。エレクトーンは、電子部品やプラスチック部品、さらに木製部品など、様々な素材を組み合わせて作られています。
そのため、解体や分別に手間がかかり、自治体で処分するのは難しいところが多いようです。

また、エレクトーンは電気の通る機械なので、タンスやベッドなどのように、そのまま燃やすこともできないからです。
では、一体どのように処分すればよいのでしょうか?

  • 処分業者に依頼する
  • 買取専門業者に依頼する
  • インターネットのオークションに出す

処分業者に依頼する

まずは、引き取りに来てくれる処分業者に依頼しましょう。
処分業者の場合、壊れていているものでも引き取ってもらえます。
インターネットで検索するか、自治体で処分可能な業者を紹介してもらうとよいでしょう。

処分費用は、おおむね1万5千円~3万円程度の業者が多いようですが、エレクトーンの設置場所によっては、別途費用が発生するケースがあります。

一戸建ての2階に置いてあったり、家がマンションの高層階だったりした場合、運搬が難しくなります。
そのため、足や鍵盤などを外し解体して運んだり、クレーンを使って下ろしたりしなくてはならないため、費用が高額になる可能性があります。

処分を業者に依頼する場合は、必ず事前に見積もりをしてもらいましょう。

買取専門業者に依頼する

まだ演奏ができるエレクトーンなら、買取専門業者に依頼するとよいでしょう。
型が新しく高機能なものほど、高く買い取ってもらえる可能性があります。

買い取りを依頼する場合は、事前にメーカー名、型番、製造年、色を調べておきましょう。
傷や汚れの有無や、わかれば週に何回・何年使用などの状況もチェックしておいてください。
するとスムーズに査定できます。

また、ヘッドホンやイスなどの付属部品や保証書はありますか? これらの付属品が揃っていると、買い取り価格が高くなる可能性があります。
傷が多かったり、劣化がひどかったりするような場合は、買い取ってもらえない場合もあります。

エレクトーンの型番別に、買取価格の相場を公開している業者もあります。
まずはサイトをチェックしてみましょう。

インターネットのオークションに出す

壊れていないエレクトーンなら、ネットオークションに出してみるのもよいでしょう。
型が古くても、そのエレクトーンが欲しい人がいれば、売れるかもしれません。

ネットオークションに出す場合は、メーカー名、型番、製造年、色などのデータをきちんと調べましょう。
また、もしわかれば週にどれぐらい、何年間使っていたかなど使用状況や、傷や汚れがあるかどうかをきちんと確認しておきます。

エレクトーンは大きくて重いので、運搬が難しくなります。
ピアノ配送が可能な業者ならば、エレクトーンにも対応してもらえるので、運搬できる業者と費用をあらかじめ調べ、オークションの落札条件として加えておきましょう。

運搬費用は一般的に1万5千円~2万円くらいです。
2階から下ろしたり設置するためにクレーンを使ったりする場合は、1万円程度プラスされます。
こちらも必ず事前に確認しておきましょう。

鍵盤ハーモニカの処分

小学校の音楽教材としても使用されている鍵盤ハーモニカ。「ピアニカ」という呼び名でおなじみですね。

近年ではプロの演奏に使われることも増えましたが、たいていの人は学校の音楽の時間で使って以来、押し入れの奥にしまったままなのではないでしょうか?
いざとなると、どう処分したらいいのか分からないものの1つですね。

  • ごみとして処分する
  • 寄付する

ごみとして処分する

鍵盤ハーモニカは、メーカーによってサイズが違い、数万円する高級品もあります。
こういった機種は鍵盤が多く、サイズが大きくなっています。

学校でよく使用されている機種は、長さ425×幅96×高さ49mm(ヤマハ製P-32E)くらいのサイズが多いようです。

東京都など多くの自治体では、一番長い一辺が30cm以上を粗大ごみとして規定としていますので、粗大ごみとして出すことになります。
各自治体のルールに従って出しましょう。

寄付する

学校で使ったような一般的な鍵盤ハーモニカであれば、わざわざ業者に依頼するより、寄付してはいかがでしょうか?

NPOなど、寄付を受け付けている団体はたくさんあります。
その多くは、アジア地域の貧しい子どもたちに寄付されることが多いようです。

また、海外だけでなく、国内にも寄付することができます。
地震などの災害で被災した学校や生徒たちのために、鍵盤ハーモニカなど楽器の寄付を受け付けている団体があります。
子供たちが、こうした楽器に触れることで少しでも癒されれば嬉しいですよね。

楽器は、思ったよりも長く使うことができるものです。
特にアコースティックピアノは、木材をふんだんに使い、高級なもの。
できるだけ再生して、どこかの誰かの役にたてばいいですね。

相続が変わる! 配偶者の老後を安定させる法律改正の内容とは

2018年7月6日、相続法制を約40年ぶりに大幅に見直す改正民法が参院本会議で可決、成立しました。

相続分野の見直しは40年ぶりのこと。
前回、1980年には配偶者の法定相続分が3分の1から2分の1に引き上げられましたが、それ以来の相続制度の抜本改正となります。

この改正の主な目的は、「残された配偶者の老後の生活の安定化」だと言います。

高齢化が加速している現在、残された配偶者は長い年月を生きていかなくてはなりません。
また、これに合わせて「法務局における遺言書の保管等に関する法律」も成立しました。

この法律は、2022年春にも施行される予定です。円満な相続を迎えるために、ぜひ知っておきましょう。

配偶者居住権の創設

「配偶者居住権」とは、現在住んでいる家に、配偶者がそのまま住み続けることができるという権利です。

現状の制度では、被相続人が亡くなったあと、その配偶者が自宅(遺産分割の対象の建物)に住み続けるには、自宅の所有権を相続しなくてはなりませんでした。
すると、遺産分割で得られる他の財産(現金など)は、自宅の分、少なくなってしまいます。

そこで、この改正では、住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割しました。
残された配偶者は、この「居住権」を取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に移ったとしても、そのまま自宅に住み続けることができるのです。

また、この「配偶者居住権」を利用すれば、自宅に住み続けられるだけでなく、生活資金も確保できます。

たとえば、被相続人の財産が1500万円の自宅と預貯金2500万円だとします。
この場合、現行の制度で配偶者が自宅の所有権を相続すると、預貯金は500万円しか得られないことになりますね。

しかし、配偶者居住権を行使すれば、所有権より低い割合で自宅に住み続けることができ、浮いた分は預貯金を相続できるのです。

また、配偶者が遺産分割の対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする「配偶者短期居住権」も新設されました。
配偶者短期居住権は、配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合に認められます。

これにより、配偶者は当面の居住権を確保することができます。
ただし、相続開始の時において、この居住建物に関して配偶者居住権を取得したときは,この限りではありません。

配偶者間における住居の贈与

配偶者が生前贈与や遺言などで譲り受けた住居は「遺産とみなさない」という意思表示があったとして、遺産分割の計算対象から除外します。
住居が特別受益と評価されないため、配偶者がその他の財産を受け取れないという事態が生じないのです。

この制度により、配偶者は住居を離れる必要がないだけではなく、他の財産の配分が増えるため、老後の生活を安定させることができます。
ただし、結婚期間が20年以上の夫婦に限定されるので注意が必要です。

金融機関の仮払い制度を創設

現行の制度では、被相続人の遺産は、亡くなった時点で相続人全員によって共有している状態となるため、銀行など金融機関は、遺産分割協議が成立するまで、原則として口座を凍結し、被相続人の預貯金の払戻や名義変更に応じません。

結果、被相続人が急逝した場合など、葬儀代や、残された配偶者の生活費など、必要なお金が引き出せず、困る人が多かったのです。
そのために、いざという時に備えて、被相続人の生前から家族信託などを取り決めることが必要でした。

そこで、今回の民法改正では、遺産分割協議が終わる前でも生活費や葬儀費用の支払いなどのために被相続人の預貯金を金融機関から引き出しやすくする「仮払制度」を創設しました。
これにより、生活資金や葬儀代などを被相続人の預貯金から支払うことが可能となります。

相続の不公平感の是正

この改正では、被相続人の生前、介護や看病で貢献した親族に考慮した制度が創設されます。

たとえば息子の妻などが被相続人の介護や看病をするケースは多々あります。
また、6親等以内の親族(いとこの孫ら)以内の血族と、3親等(姪や甥)以内の配偶者が介護などに尽力するというケースもあるでしょう。

しかし、これらの人々は法定相続人ではないため、現行法では被相続人による遺言がない限り、どんなに介護や看病を一所懸命行っても遺産分割という形での報酬は一切受けることができませんでした。

新たな改正案では、法定相続人(被相続人の配偶者、子、親、兄弟姉妹)ではない親族でも、被相続人の介護や看病に貢献した場合は金銭を請求できるようになります。

ただし、親族のみが対象となるので、家政婦や近所の人、事実婚や内縁など、戸籍上の親族でない人は請求できません。
これらの人に相続させたい場合は、従来通り被相続人の遺言が必要となります。

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立①

新しく、自筆証書遺言を法務局で保管できる制度が創設されました。

これまで、被相続人が作成した自筆証書遺言は、自宅で保管するか弁護士に預かってもらうことしかできませんでした。

自筆証書遺言は、遺言書の存在が相続から何年も経過した後に発見されて遺産分割協議がやり直しになったり、相続人が勝手に破棄したり、また偽造したり、そもそも紛失してしまったりするなど、遺言の内容が執行されない危険性が高く、トラブルに発展するケースが非常に多いものでした。

そこで、このような事態を避けるため、法務局が自筆証書遺言を保管する制度を設けます。

作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことにより、紛失や偽造など、遺言書に関するリスクは少なくなると考えられます。
また、公的機関である全国の法務局で保管すれば、相続人が遺言の有無をすぐに調べられるようになります。

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立②

これまで、自筆証書遺言は家庭裁判所における「検認」(民法1004条)が必要でしたが、これについても見直しされます。

自宅で自筆証書遺言が見つかった場合、今までは法定相続人全員の立ち会いのもと、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要でした。

検認とは、遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出し、法定相続人などの立会いのもと遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。

これまでは、この手続きをしないと遺言書の内容を確認することができませんでした。
しかし、新たな改正案では検認手続きが不要となるため、速やかな遺言の執行、相続手続きの時間短縮が期待できます。

財産目録のパソコン作成が可能に

自筆証書遺言は手書きで作成しなくてはならないので、財産目録についても手書きしなくてはなりませんでした。

財産目録とは、被相続人の一覧としてまとめたものです。
預貯金や不動産などプラスの財産だけでなく、借金や住宅ローンなどのマイナスの財産も対象となります。

財産目録の作成は義務ではないため、必ずしも作成しなければならないわけではありませんが、スムーズな相続のためには必要な書類です。

とはいえ、目録を手書きするのは非常に手間がかかる場合があります。
そのため、改正案では、財産目録の部分のみは手書きでなくてもよく、パソコンなどで作成できるようになります。

改正法の施行はいつから?

改正民法は、それぞれ次の日から施行されます。

配偶者居住権

公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日

自筆証書遺言の方式緩和

公布の日から6か月を経過した日から

婚姻20年以上の夫婦の優遇策、仮払い制度など

公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日

法律は、その成立後、後議院の議長から内閣を経由して奏上された日から30日以内に公布されます。

法律の公布にあたっては、公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されます。
官報には、公布された法律について「法令のあらまし」が掲載されますので、目を通しておくとよいでしょう。
官報はインターネットで閲覧することができます。

円満な相続を迎えるために・・・

いかがでしょうか? この改正によって、相続はガラリと変わります。

内容を見ると、残された配偶者に対してかなり手厚くなっていることがわかるのではないでしょうか。
これは、少子高齢化社会が背景にあり、高齢者の老後の生活安定を見据えての改正と考えられます。
ぜひ正しく理解して、円満な相続を迎えましょう。

孤独死保険!? 高齢化社会から生まれた生前整理の必要性と保険について

誰にも看取ってもらえず、ただ一人ひっそりと最期を迎える孤独死。

平均寿命は伸び、医療は進歩し、未婚率が高くなっている現在。
当然の結果として、1人暮らしをする「独居老人」が増えています。

内閣府の調査によると、2000年に約300万人だった65歳以上の独居老人は、わずか5年で2015年には約600万人へ倍増しています。

そんな状況のなか、孤独死が社会問題になっているわけです。
そこで、保険各社が販売する「孤独死保険」が注目されています。
これは一体どんなものなのでしょうか?

「孤独死」の現状

  • 孤独死とは
  • 孤独死の現場とは

孤独死とは

孤独死の原因は、脳出血や室内での転倒、心臓発作やヒートショックなどさまざまです。
このように、突発的な傷病で誰にも看取られることなく亡くなることを「孤独死」といいます。

1人暮らしの高齢者にはご近所づきあいや友人の少ない人、社会やコミュニティから孤立している人も多いようです。
そこで発見が早ければ助かっていたケースや、亡くなったことを誰にも気付いてもらえず、日数が経過してから遺体が発見されるケースもあります。

孤独死の現場とは

孤独死に気づくのは、同じ集合住宅に住んでいる人や、近隣の住人などが多いようです。
悪臭が漂い、急に害虫やネズミなどが増える。
どうもおかしいと通報すると、住人が孤独死していたという具合です。

特に夏季は臭いなどの被害がひどく、発見が遅かった場合は部屋を開けると、嗅いだことのないような独特の臭いが鼻をつき、無数のハエの死骸とウジ、ハエの蛹が大量に転がっているといいます。

もちろん人間の遺体は警察によって運び出されていますが、故人が倒れていた後にはタールのようにどす黒い液体や、腐敗した皮膚のようなものが残されているといいます。

これらの体液などは、部屋にどんどん染み込んでいきます。
なかには、4階で亡くなった人の体液が、3階を通過して2階の天井まで染み出したケースもあるといいます。

ハエの駆除だけでも大変な手間がかかり、このような部屋を完全に綺麗にするには、部屋全体をリフォームするしかなくなってしまうのです。

孤独死の後始末

  • 事故物件
  • 心理的瑕疵
  • 事故物件の後始末は誰がするの?

事故物件

専門のサイトなどから「事故物件」という言葉が知られるようになっていますね。
不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどで、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいいます。

事故物件として扱われるのは、次のようなケースが挙げられます。

  • 殺人、傷害致死、火災(放火ないし失火)などの刑事事件に該当する事柄で死者の出た物件
  • 事件性のない事故、自殺、災害(地震による崩壊など)、孤独死などで居住者が死亡した物件

これらは、いわゆる「心理的瑕疵」に該当します。
つまり、事件・事故の影響で精神的・心理的に、その部屋の住みにくい状況です。

心理的瑕疵

一度事故物件になると、次の入居者への告知義務が生じます。
そのため、なかなか次の入居者が見つけられず、家賃を下げたり、応募が途絶えたり、大家さんにとっては非常に困った状態になります。

告知義務には期限がなく、「事故」が起きてからどれくらいの期間告知を続けるのかはケースバイケースだそうです。
一度、だれかが借りれば、次の人には告知しない大家さんや、ずっと伝え続ける大家さんなど、いろいろな人がいるようです。

事故物件の後始末は誰がするの?

もしも、孤独死によって遺体が死後何日も経過していた場合、遺体の腐敗によって物件が汚損してしまいます。
部屋を元の状態へ回復するためには特殊な技術が必要となります。

繰り返しになりますが、高齢者に多い「汚部屋」「ごみ屋敷」問題もあります。

年齢を重ねるごとに体力・気力が衰え、自炊しなくなり、コンビニ弁当の空きパックや、ペットボトルをまとめて捨てることもできなくなり、しなくなる。
ゴミが散乱する部屋は、高齢者に多いようです。

 

この大量のゴミを、いったい誰が始末するのでしょうか?
孤独死の場合、保証人と連絡が取れないケースが多いようです。

また、亡くなった人が天涯孤独だった場合、部屋の現状回復から遺品処理、ゴミ処理に至るまで、結局、すべてを大家さんが背負うことになり、大家さんは大きな負担を強いられることになるのです。

「孤独死対策保険」――大家さんのための保険

1人暮らしの高齢者の増大、孤独死の増加……。
このような社会状況のため、高齢者の入居に拒否感や不安感がある大家さんは6割を超えているそうです(国土交通省調べ)。

でも、今後ますます老人大国となっていく日本。
高齢者であるという理由で部屋を借りられなかったら困りますよね。

そこで、2011年ごろから、家主が貸借人の孤独死で被るリスクをカバーする保険が登場し始めました。
これらは「孤独死保険」「孤独死対策保険」と呼ばれています。

  • 大家さんが支払う保険
  • 入居者が支払う保険

大家さんが支払う保険

大家さんが自分で掛け金を支払い、事故があったときに保障を受けるタイプの保険です。

2015年10月、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、大家さんを対象にした火災保険の特約・付帯サービスとして「家主費用・利益保険」の共同販売を始めました。
孤独死が発生した際の補償内容の一例を挙げると、

  • 遺品整理など・・・「事故対応費用」として最大10万円
  • 敷金を超える清掃・修復など・・・「原状回復費用」として最大100万円
  • 事故後に借り手がつかず空室となった場合の減収分・・・賃料の80%を最大12か月間

といった保障金が大家さんに支払われます。

東京海上日動火災保険も「孤独死対策プラン」を販売しています。

「孤独死対策プラン」は、「家主費用・利益保険」と「企業総合保険(家賃補償特約)」をセットにした商品で、このうち「家主費用・利益保険」部分で孤独死や自殺、犯罪死の発生に伴う家賃損失、費用などを補償します。

原状回復・事故対応費用は、事故発見日から180日以内に被保険者が支出した費用が対象となっており、原状回復費用と事故対応費用などを合計して1回の事故につき、100万円を限度として補償します(契約内容により限度額は変更OK)。

こちらは事故対応費用として「お祓い」や「供養」の費用まで認められている点が特徴です。

入居者が支払う保険

「孤独死保険」が発売され始めた頃は、こういった保険は大家さんが掛け、支払う保険がほとんどでした。
しかし最近では、入居者が掛け、事故があった場合に大家さんに保険金が支払われる保険が出てきています。

ジック少額短期保険が、2014年に家財保険のオプションとして販売を始めた「孤立死原状回復費用特約」は、3年ほどで契約件数が1万5000件を超えているそうです。
保険料は2年間2000円で、万一の補償は最大50万円だそうです。

こちらの保険は、高齢で身寄りのない方が賃貸物件に入居を希望する際、大家さんが保険の加入を条件にするケースが多いとのこと。
入居者からすれば、「あなたは孤独死しそうな人です」とレッテルを貼られたようなものです。
でも、大家さんからすれば切実です。加入しなければ入居はしてもらえない……それほど「孤独死」の問題は大きな問題なのです。

入居者側が支払う保険としては、少額の火災保険に「孤立死原状回復費用特約」を付加できるものもあります。
この特約を付けることで、入居者に万一の事態が起こった時、大家さんが原状回復費用を補償してもらえるわけです。

少額短期保険会社と共同で保険商品を開発したNPO法人もあります。
この保険では、入居者が加入時の年齢によって異なる金額の保険料を払います。

この保険は、本人が亡くなったあとの遺品整理や修繕だけでなく、葬儀や納骨までカバーしています。
また、身寄りがない人のため、この法人など第三者を保険金の受取人とすることができます。

このように、入居者が保険料を負担することで孤独死のリスクを軽減できれば、大家さんが高齢者の入居を敬遠する理由が減ることになります。
また、今は若くても、そのまま住み続けていれば、いつかは高齢の単身者になります。

こうした個人向けの孤独死対策保険は、大家さん向けの商品も、入居者自身が備える商品も、今後さらに増えていくでしょう。

生前整理をしましょう

社会問題となっている孤独死。
でも、孤独死は今後ますます増えていくと考えられています。

厚生労働省が発表した平成28年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳。
これは過去最高の数字で、世界では香港に次いで2位という結果でした。

また、生涯未婚率も年々高くなり、1人暮らしの高齢者は増えることはあっても減ることはなさそうです。

こんな現代だからこそ、生前整理をしておきたいもの。
孤独死なんて誰もしたくないし、事件にだって遭いたくないに決まっています。
でも、この世の中、いつ何が起こるかわかりません。

だからこそ、生前整理をしておきたいもの。
暗く考えるのではなく、これまでの自分を振り返り、整理すると考えてみてはいかがでしょうか?
少しでも、この先の人生を明るく身軽に生きていくために。
その時に、ぜひ孤独死保険についても考えてみてくださいね。