デジタル遺品で起こり得るトラブルとは…

遺品として残るデジタル機器

パソコンやスマホ、携帯電話などのデジタル機器の中には、使っている本人の情報がたくさん入っています。
高齢者の中にも、毎日のようにデジタル機器を使用している人は多いでしょう。
今の時代、80歳以上の高齢者でも20%以上の人がインターネットを利用していることが分かっているのです。
持ち主が亡くなると、そういった機器は「デジタル遺品」として遺族に残ることになります。
デジタル遺品の中に残っているのは、写真やメール、ネット銀行のIDやパスワードなど、個人情報にかかわる大切なデータです。
自分が亡くなった後のデータ管理に不安を感じている人は、全体の50%以上。
しかし、実際に死後のデータ対策をしている人は5%もいないのが現状です。
そういった情報をどのように判断し、どう処理すればいいのか、今の時代ならではの問題が浮上しています。

デジタル遺品のデータ対策方法

大切なデータを残したまま亡くなってしまうと、遺族が大変な目にあってしまいます。
判断力のあるうちに、デジタル機器のデータ対策をしておく必要があるでしょう。
たとえば、生きているうちに妻や子供にデータを引き継いでおくことも1つの手です。
パソコンを操作できない妻に、一からパソコンを教えた男性もいるとのこと。
消去してほしくない思い出の写真や大切なデータがあれば、家族に引き継いでおきましょう。
また、デジタル遺品整理の専門業者に依頼する方法もあります。
パスワードの解析をしてデータを取り出し、整理して遺族に渡してくれるでしょう。
デジタル遺品の整理を請け負う業者は年々増加しており、全国からさまざまなデータが持ち込まれています。

 

パスワード管理によるデータの問題

個人情報保護の観点から、パスワード管理されているデバイスは多いものです。
家族間であってもパスワードを教え合うことは難しいでしょう。
また、教えてもらっても忘れてしまう人は多いはず。
パスワード管理しているデータは守られています。
しかし、万が一持ち主が突然亡くなってしまった場合、パスワードが不明で困ったことになるケースは非常に多いのです。
たとえば、パスワードが分からないために友人の連絡先を知ることができず、亡くなったことを友人に連絡できないということもあるでしょう。
パスワード管理していること自体が問題になる場合もある、ということを覚えておいてください。

「破棄していいのか?」という判断の問題

中には故人にとって「人には知られたくないデータ」や、遺族にとって「知りたくないデータ」もあるでしょう。
遺品整理の際に中身を見ずに破棄してしまうのが一番、と考える人も多いようです。
しかし、たとえば家族に内緒で資産運用をしていた可能性も考えられます。
株式投資などの資産運用をしていた場合、相続に関係してくるような大切なデータも含まれている可能性があるでしょう。
そのような場合を考えると「本当に破棄していいのか?」という問題になってくるのです。

遺族のために

様々な情報をパソコンに集めていく一方で、セキュリティの問題などから、生前にパスワードをかけて厳重に管理しているかと思います。
これにより相続の際には、デジタル遺品は様々な問題が起こっています。

パスワードが解除できない?

ネット口座やFXなどの資産に関するものには、ウイルスやハッキング対策として厳重に管理されているかと思います。
パスワードが解除できない問題点として、IDやパスワードがわからないためにロックが解除できず、資産を確認できないことがあります。
相続の際に財産がわからないことで遺産分割を行うことができなかったり、後から大きな損益を出していることが分かっても相続放棄ができなかったり、様々な問題が起こっています。

不倫など不貞行為の発覚

スマートフォンやパソコンなどに、不倫などの写真を残していることもあるようです。
やっとの事でパスワードがわかり、ロック解除できたところ、このようなことをデジタル遺品で知るのは悲しいものです。
生前にパソコンの中身を整理しておくか、パスワードを間違えたら自動的に削除される仕組みなど、お互いを傷つけない何らかの対策を取っておくことをお勧めします。

新たな財産が見つかる

ただの形見のパソコンと思っていたところ、パソコンの中からFXやネット口座などデジタル遺品が見つかることもあります。
相続税申告後に新たに財産が見つかった場合には、新たに遺産分割が必要となったり、場合によっては借金となったりすることも。
亡くなる前に、身の回りのデジタル機器は確認しておきましょう。

アクセスによる個人データの侵害

オンラインなどのデータにアクセスすることで、不正アクセス禁止法に違反する可能性があり、個人情報に対してはプライバシー侵害となることもあるようです。
亡くなった人の情報であれど、場合によっては問題となりかねませんので、注意しておきましょう。

生前整理とは、自分が死ぬ前に、不用品の処分や財産の整理を行い、自分の死後に相続のトラブルなどが起こらないように準備しておくこと。
遺品整理には、大変な体力と精神力が必要です。
大量の遺品を整理しなければならない遺族のことを考えたことはありますか?
遺族が遠方に住んでいる場合、遺品整理する時間がない場合、どんな苦労を背負うことになるでしょうか。
遺品を1つ1つ分別して、破棄するものや売るもの、供養するものに仕分けするだけでも大変です。
重たい家具や家電を処分するために、体力だけでなくお金も使うことになるでしょう。
そのような遺族の負担を少しでも減らすために、生前整理は必要なのです。

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