ごみの不法投棄やそれに伴う問題について

地球環境を乱す「不法投棄」の問題

高度成長期に日本でさんざん問題になっていたのは、タバコの吸い殻や紙くずなどのポイ捨てでした。街のあちこちにごみが散乱し、社会問題となっていましたが、政府や自治体・マスコミの呼びかけで国民のマナーもグッと向上。今では嘘のように、きれいな街並みになりました。

「いよいよこれで、“ごみ大国日本”の汚名も返上か?」と思いきや、今度はもっとビッグなごみ問題がクローズアップされてしまったのです!その名も怪しき「不法投棄」。粗大ごみから家電製品・産業廃棄物まで、処分にお金のかかるあらゆるごみが空き地や山中などに投げ捨てられています。

環境省の発表によると、2013年度末の不法投棄残存量は1,701.7万トン。これだけの量のごみが日本のあちこちに散乱していると思うと、思わずゾッとしますね。

 

不法投棄を厳しく監視する、国や地方自治体

 

ごみゼロの日から1週間を、不法投棄監視ウィークに

こうした由々しき事態に対して、環境省では5月30日(ごみゼロの日)から6月5日(環境の日)までを、「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」と設定しました。ウィーク期間には、国や都道府県・市民などが一斉に連携して、監視活動や清掃活動・陸海空パトロールを行っています。

“産廃スクラム”を組んで、不法投棄防止に取り組む

富士山を囲む山梨県・静岡県・神奈川県の三県では、不法投棄を防止するために知事が一堂に会する「三県サミット」を毎年実施して、お互いに強い絆を結んでいます。「富士箱根伊豆交流圏構想」のもとに、三県が手と手を取り合って、何とか美しい自然環境を守ろうと努力しているのです。

また、関東甲信越を中心とした21都県と全国の政令市も、「産廃スクラム」と呼ばれる連絡協議会を設定。合同で路上調査を行うなど、連携して監視をしています。

 

悪徳業者に、絶対にごみを渡さないこと

ある意味、こうした悪徳業者を生んでしまっているのは、そうとは知らずにごみを渡してしまっている私たち自身にもあるのかもしれません。ごみの不法投棄は、懲役5年もしくは1,000万円以下の罰金、業者の場合は最大3億円の罰金が課される、れっきとした犯罪です。私たちも国や自治体の対策をただ待っているだけではなく、「不法業者には絶対にごみの処分を頼まない!」という強い意志を持つことが大切でしょう。

たとえば、一般家庭のポストに「粗大ごみを無料で回収します」と、いかにも魅力的なフレーズでチラシを入れてくる業者には要注意です。ネット上で「不用品高価買取」などと広告を出している場合も、不法の臭いがプンプン。ある日突然家に訪ねてきたり、大音量のスピーカーで「不用品を回収します」と呼びかけている業者などはもう、ほとんど不法業者の可能性が大です。

 

廃品回収車と取引をすると、自分自身も危ない!?

そもそも客から処分料をとって廃棄物を回収するためには、役所から「一般廃棄物処理業(収集運搬業)」の許可をもらう必要があります。しかし、軽トラでスピーカー営業をしている業者に廃棄物処理業の許可が下りることは、まずありません

つまり、そうした業者の多くが違法営業なのです。もし、それを知っていて引き取ってもらった場合には、自分自身にも罪が課せられる可能性があるということを、肝に銘じておきましょう。

 

廃品回収車の違反行為は、こんなにあった

廃品回収車の多くは、一般廃棄物処理業の許可を持っていないという点で「廃棄物処理法違反」になるだけでなく、さまざまな違反行為をしています。

たとえば、冷蔵庫や洗濯機などの家電リサイクル品を引き取った場合は、「家電リサイクル法違反」になります。家電リサイクル品は、許可を得た業者が適正な手段で分解やリサイクルを行うよう、法律で定められているからです。

また、スピーカーから大音量で宣伝して回るのも、「拡声器使用違反」に問われます。拡声器を使う場合は、55デシベルもしくは65デシベル以下に抑えるという規制があるのです。

 

引き取ってもらった後も、問題があった!

廃品回収車が不用品を無料で引き取るケースも、まったくないわけではありません。しかし多くの場合は、「2,000円かかります」などと言われる場合がほとんどです。

「でも、2,000円で引き取ってもらえるなら手間が省ける」と思って品物を渡してしまうと、実はその後にも問題が潜んでいます。

業者は引き取った品物を再利用できる物は再利用し、できない物は分解するなどして、お金になる部品以外を処分します。この時、問題なのは「いったいどこにそれを捨てているか?」です。業者の中には山中に不法投棄したり、海外に不法輸出しているケースもあります。

万が一、不法投棄されているゴミが自分の所有物だったと判明した場合は、たとえ業者に任せたとしても持ち主が責任を問われることがあります。「そんなつもりはまったくなかった」と言っても、不法業者に託した時点で責任は発生してしまうのです。

不用品を業者に出す時は、「再利用や処分まで、安心して任せられる業者に頼むこと」が、とても重要です

引っ越しの処分品は、回収業者に頼むのが圧倒的に便利!

引っ越しの時に出る不用品の処分は、多少の経費がかかっても、回収業者に頼む方が圧倒的に便利です。「積み放題パック」を利用すれば、引っ越し当日に来てもらってごみというごみをすべて持って行ってもらえば、不用品の処分は一度に終わります。「このごみは不燃物、これは粗大ごみ」とあれこれ気を使う必要もありません。

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