遺品整理はいつから始める? コツとは⁉

遺品とは、故人が使用していた衣類や持ちもの・家具家電・趣味の品などのことです。日本では、遺品は故人を偲(しの)ぶものとして、遺族や故人の友人たちで分けることが習慣となっていました。しかし、現在は遺品整理をいつから始めたらいいのか、どうやって片付ければいいのか、と頭を悩ます人が増えています。特に、故人と遺族が別々に生活していた場合、遺品が多くなりがちです。
そこで、今回は遺品整理を始める時期の目安や、遺品整理の際に利用すると便利な業者などを紹介しましょう。

  1. 遺品整理の基礎知識
  2. 遺品整理の始め方
  3. 遺品整理の困ったを解決
  4. 遺品整理に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、遺品整理の方法や遺品整理を始める時期の目安がよく分かります。親が高齢な人や、終活に興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。

1.遺品整理の基礎知識

はじめに、遺品の定義や遺品整理の方法などを解説します。なぜ、近年は遺品整理に悩む人が増えているのでしょうか?

1-1.遺品とは何か

前述したように遺品とは、故人が使っていた衣類・家具家電・趣味の品などです。現金や有価証券・不動産など遺産以外のものすべと考えると分かりやすいでしょう。しかし、遺品の中には骨董品(こっとうひん)・美術品・ホビーなど、換金性の高い物品もあります。これらの遺品は、遺産に分類されることもありますので、勝手に処分せずに専門家に鑑定を依頼して、価値をはっきりさせましょう。

1-2.遺品整理の必要性と目的

個人の持ちものが少なかった時代、遺品は親族や友人で分ければ整理できました。しかし、現在は遺品の数も多くなり、形見分けでは遺品のすべてを片づけることは難しくなっています。また、遺品をすべて取っておくスペースがない、というご家庭も多いことでしょう。ですから、遺品を必要なものと不要なものとに分け、正しく処分する必要があります。また、遺品整理を行っておけば、形見分けもスムーズに進むでしょう。

1-3.遺品整理の悩み

現在の、70代・80代は、ものが多いほど豊かであると考える世代です。使わなくなったものでも捨てられずにずっと取ってある、ということも珍しくありません。そのため、膨大な量の遺品が残され、子や孫が片付けに追われるというケースも多いのです。また、近年は自治体のゴミ分別のルールも厳しくなり、なんでもゴミとして捨てられる時代ではありません。業者に処分を依頼すれば、お金もかかります。
また、両親が離婚し、何年も音信不通だった父親(母親)が亡くなったので遺品を片づけて欲しいといきなり連絡がきて困った、というケースも多いのです。

2.遺品整理の始め方

この項では、遺品整理を始める目安などについて解説します。いつから始めればよいのでしょうか?

2-1.遺品整理を始める時期

遺品整理は遺産相続とは異なり、いつから始めなければならないという決まりはありません。遺品の量や遺品が残されている場所によって、遺品整理を始める時期を決めましょう。持ち家で遺族が近くに住んでいるという場合は、四十九日を一つの目安にしてください。四十九日がすめば次は一周忌まで行事もなく、弔問に訪れる人も一段落します。気持ちも落ち着いてきますから、故人と対話をするような感覚で行いましょう。
遺族が遠方に住んでいて遺品整理をする時間が限られている場合は、四十九日前後に一気に行うといいですね。遺品整理は人手が多いほど早く進みます。四十九日の法要で親戚が集まっている場合は、彼らの手を借りて一気に行ってしまいましょう。不用品を処分するだけでも行っておけば、あとの整理も楽です。
故人が賃貸住宅に住んでいる場合は、可能な限り早く退去しなければなりません。家賃を払えば物件を借り続けることができるケースもありますが、時間がたつほど費用がかさみます。この場合は、葬儀が終わった後にすぐ遺品整理を行いましょう。明らかな不用品だけを処分し、必要なものをまとめてトランクルームに移しておけば、後でゆっくり整理もできます。

2-2.早めに遺品整理を行った方がよい場合

遺品の中に金銭的な価値が高いものが含まれている可能性がある場合、遺産相続に影響する可能性があります。遺産相続による所得税の申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内に行わなければなりません。遺品を売却した結果、かなりの金額になる可能性が高いという場合は、遺品を遺産扱いにして分割した方がトラブル予防になります。
逆に、借金を相続する可能性がある場合も、遺品整理を早めに行い、故人の借金額を把握しておきましょう。相続をすると借金支払いの義務が生じます。3か月以内に相続放棄をすれば、借金を受け継ぐ必要はなくなりますが、現金や土地などの遺産もすべて相続できません。
さらに、前述したように賃貸住宅に故人がすんでいた場合も、早めに遺品整理を行いましょう。

2-3.遺品整理をスムーズに行う方法

遺品整理は、人手が多いほど早く進みます。故人が持ち家に住んでいて遺族が近くに住んでいる場合や、故人が遺族と同居していた場合以外は、できるだけ人数を集めて一気に行ってください。
また、どうしても捨てられないものだけを真っ先に選別すれば、後は踏ん切りがつきやすいでしょう。フィルム写真やビデオの映像は、デジタル化してDVD-ROMなどに移せば、場所も取らずに保存できます。思い出の品などは、写真に撮影して現物は処分してもいいでしょう。

3.遺品整理の困ったを解決

この項では、遺品整理の際に発生しがちな困りごとやその解決方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.遺品整理で起こりがちな困りごと

遺品整理で起こりがちな困りごとには、以下のようなものがあります。

  • 遺品が大量にあり、いつまでたっても片付けが終わらない
  • 人手が足らず、遺品整理が進まない
  • 故人がゴミ屋敷を作ってしまい、素人では片付けられない
  • 遺品の価値が分からず、うっかり処分できない
  • 自治体のゴミ回収ルールが厳しく、遺品の処分が進まない

これらの解決策を、次の項からご紹介していきましょう。

3-2.生前整理をしよう

現在、終活の一環として生前整理を行う人が増えています。生前整理とは、持ちものを見直して本当に必要なものだけを残すやり方です。特に、戸建ての持ち家に住んでいる場合、収納スペースがものでぎっしりというケースは珍しくありません。これらの処分を子や孫に押し付けないよう、自分で処分しましょう。
また、骨董や美術史品・古書・ホビーなどをコレクションしている人は、それらの価値を分かりやすいようにまとめておくといいですね。そうすれば、余計なトラブルを防げます。また、コレクションを遺族以外に譲りたい人がいる場合は、その旨もきちんと記しておきましょう。

3-3.遺品整理業者を利用する方法

遺品が大量にあって個人では処分できないという場合や、遺品整理をする時間が十分に取れない場合は、遺品整理業者を利用してみましょう。遺品整理う業者には、それを専門に行っているところと、不用品回収業の一環として行っているところがあります。遺品整理を行う業者に依頼すれば、遺品の処分だけでなく供養も行ってくれるので大変便利です。また、近年は「遺品整理士」という民間資格もできました。遺品整理士が所属している業者ならば、遺品に敬意をもって接してくれ、相続に関する相談などもできます。
また、業者に依頼すれば自宅まで片付けに来てくれるので、人手が足りないときも便利です。さらに、ゴミ屋敷が残された場合は、プロの手を借りなければまず片付きません。積極的に利用しましょう。

3-4.注意点

遺品整理の仕事はまだ歴史が浅く、相場が定まっていません。しかし、ゴミ屋敷の片付けなどを依頼しない限り、びっくりするほど費用が高額になることはないでしょう。依頼したい場合は、まず見積もりを作成してもらい、納得したら契約してください。また、口コミサイトで業者の評判を確かめてから利用するのもおすすめです。

4.遺品整理に関するよくある質問

Q.遺品に家具や家電があった場合、売却はできますか?
A.ブランド家具や製造後5年以内の家電は値段がつくことがあるでしょう。遺品整理を請け負っている会社の中には、買い取りをしてくれるところもあるので、相談してみてください。

Q.音信不通の親がいますが、いきなり遺品整理を依頼されました。断ってもいいですか?
A.遺産を相続しなければ、それを理由に断ることはできます。

Q.遺品整理を早く行うメリットはなんですか?
A.ものは、時間がたつにつれて劣化して価値がなくなっていきます。家を取り壊す場合や賃貸に出す場合も、遺品が残っていては行えません。

Q.仏壇をはじめとする宗教の道具も処分することはできますか?
A.仏壇は、菩提寺に御霊抜き(みたまぬき)を行ってもらえば、ゴミとして処分可能です。遺品整理業者に引き取って供養してもらうこともできます。

Q.美術品や骨董品など以外に、高値で売却できるものはあるでしょうか?
A.おもちゃ類や、カードゲーム類は高値がつく可能性があります。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は遺品整理を始める目安などを解説しました。人が亡くなると、一周忌まで慌ただしい時期が続きます。遺品整理を行う気力が、なくなる可能性も十分にあるでしょう。ですから、60歳を過ぎたら自分の身辺を整理する生前整理はとても大切です。ぜひ、実践しましょう。

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